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婚約者が反逆者で追放された皇女ですが、さてどうしよう  作者: 江栗 成
第一章 エピローグ
9/79

変調

それは、エスト皇国のはじまりの時代。

世界は混沌とし、精霊や魔獣と異なり体も心も弱く、人はそれに対抗する技術も道具も持ち合わせていなかった。

国家と呼べるほどの団結した集団もなく、限られた人と人が肩を寄せあい細々と生き永らえていた。


ただひと度の脅威があるだけですぐに個体の数を減らす人に対し、《理》を統べる精霊の王は憐れみ、どうしたものかと考えた。

しかし、考えてもわからない。

何故なら彼は人と異なる存在であり、その考えを結論付ける人の理を知らなかったからだ。


そこで、人の中で最も真面目で賢い者を訪ね、質問をした。

「人よ、なぜお前たちはすぐ死ぬのだ。」

真面目で賢い者は答えた。

「それは、人が王を持たないからです。

多くの人を導き、多くの人を生かす者がいないからです。」

精霊の王はその答えに満足し、質問を重ねた。

「なぜ人に王が生まれないのか。」

真面目で賢い者は答えた。

「力も持たず、王の役目を果たす者がいないからです。」


2つの答えは精霊の王を満足させるものだった。

「人に力がないのは自明。

ならば力を与えよう。

真面目で賢き者よ。お前が王の役目を果たすがいい。」

王の役目を与えられた真面目で賢い者は、答えた。

「では、私は王となり、この地の人を導きましょう。その力尽きる時まで、人を慈しみ、役目を忘れずに生きましょう。」


人の王となった者に、精霊の王はその役目に対し、祝福を授けた。また、王の助けとなるよう、王の統べる地に守護者となる精霊を与えた。


精霊の王の祝福を受けた王は、精霊の《理》を統べ、人に精霊を使う力をあたえ、世を繁栄させた。



これがエスト皇国のはじまりの話。

《理》が皇国の守りであるという、国民の拠り所の根元となるもの。



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