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1.レンタル彼氏の初仕事

これを書き始めることにしました!

よろしくお願いします!


 ーーレンタルだよな……?


 八月十一日、友達の勧めで始めたレンタル彼氏デビュー。

 今日は初めてのお客さん……のはずだった。



 日差しが強く、気温も三十五度と高気温の真夏日。仕事で田舎のほうから東京に行くために新幹線を使い、二時間かけて向かう。

 彼、東大門ひがしだいもん悠馬は友達の勧めでレンタル彼氏を始めた。勧めた理由は「なんかイケメンだから」らしい。


 やっとの思いで二時間かけて東京についた。今日は初仕事と東京に来たのが初めてということで友達の東坂はるきについてきてもらった。はるきは幼馴染で小さいころから仲が良く、今は学校ではモテまくるイケメンだ。


 「やっと着いたー東京!」

 「そうだなぁ。今日は仕事だろ?」

 「そうだった。なんか緊張するな」

 「そりゃあ、今まで彼女がいなかったお前がレンタル彼氏になるんだからな。無理もない」

 「お前が誘ったんだろ」

 「そうだったな」


 悠馬はここ十八年間彼女ができた経験はゼロ。いわゆる年齢イコール彼女がいないってやつだ。


 「今日は一時半から仕事だよな?」

 「うん、その予定のはず」


 はるきは近くの時計を見た。


 「十時三十八分……っと」

 「今からどうする?」

 「まだ時間もあるし早いけど昼飯いこーぜ」

 「うん、そうだな。何食べに行く?」


 悠馬とはるきは近くをぶらぶらしながら店を探した。結局決めたのは地元にもあるレストラン。そこに入り、昼食を食べ始めた。

 食べ終えたのは、食べ始めて約三十分後。しかし、外は暑いからレストランにとどまり続ける二人。暇だから後からある仕事のことについて話している。


 「今日のお相手は確か一つ上の人だったよな?」

 「うん、そうだよ」

 「緊張してるのか?」

 「だからしてるって!って何スマホ触ってるんだよ」

 「いや、そこはキレるとこじゃないだろ」


 正論を言ったはるき。悠馬は何も言い返してはこなかった。

 少し沈黙の時間が続いた。この空気に耐えられなくなったのか、悠馬はスマホで時間を見た。


 「ってもう十二時五十八分じゃないか」

 「もうそんな時間か」

 「うん、もう行かないといけない」


 悠馬はもうすぐ仕事だからか、すこしテンパっているように見えた。


 「また終わったら連絡する」

 「おう、わかった」

 「じゃ」

 「おう、がんばれよ」

 「うん!」


 二人は会話を終えると悠馬ははるきのほうに振り返り、はるきに手を振って店を出て行った。


 「んじゃあ俺も観光するか」


 大きな独り言を言うはるき。店のお客さんのほとんどがはるきを見ていた。それに気づきはるきは顔を赤くして照れた。

 会計の時はるきはあることに気が付いた。


 「ってあいつ自分の分も払わずに出ていきやがったな」


 はるきは結局悠馬の食べた分も払うことになった。

 そして刻一刻と時間は過ぎていき、気が付けば一時二十三分。

 悠馬はもう集合場所に到着していた。

 そこにはすでに予定していた女性がいた。悠馬はその姿を見つけ、話しかけに行った。


 「麦わら帽子に青色の……」

 

 相手も悠馬に気が付き悠馬の声を遮って話しかけてきた。


 「サマーニットにロング丈Tシャツにパンツ、そして黒いシューズっと、君だよね? 東大門悠馬君」

 「……?」


 悠馬はよく理解できていない。相手がなぜ悠馬の今日の服装を知っているのだろうか。悠馬は相手の服装は知っていたが悠馬の服装は教えた覚えがない。


 「……宮島咲さん?」


 恐る恐る悠馬は聞いた。


 「うん! そうだよ。私が宮島咲! よろしくね!」


 「よろしくね」っと言ったのは美人というよりはかわいい系の身長は約百六十センチくらいの女性だ。

 いまいち把握はできていないが仕事だからとりあえずどこかに行くことにした。

 

 「じ、じゃあどこ行こうか」


 慌てて悠馬は仕事モードに入った。


 「そうねー水族館とか行きたいなー」

 「水族館? いいね! 行こう!」

 「あっでも喉乾いたからどこかで飲み物の飲みたいなー」

 「う、うん! 分かった!」


 悠馬は言われるがままに自動販売機で自分の分としてコーラ、咲の分としてサイダーを買った。冷えたサイダーを咲きの頬にあてた。


 「ひゃあ」


 咲はかわいらしい声を上げた。


 「ちょっとー何するのよー」

 「ごめんなさい」

 「全然思ってないでしょー。顔が笑ってるし」

 「バレました?」

 「分かりやすすぎね」


 二人は近くにあったちょうど日陰になっている椅子に座った。


 「うん! これおいしー」

 「そう?」

 「ええおいしいわ。ありがとね!」

 「僕にも一口ください」

 「あげなーい」

 「えーどうしてですか?」


 悠馬が質問すると、咲が顔を赤くして小声で言った。


 「だって……間接キスになるし……」

 「なんて言いました?」


 確かに小声ではあったが距離的に悠馬には、はっきりと咲の言った言葉が聞き取れていたが、あえて聞こえないふりをした。それに咲も気が付き「ひどいよぉ、恥ずかしいよ」と可愛げに言った。

 だいぶ、仕事に慣れてきたが、まだ悠馬は疑問が残っている。

 サイダーを飲み干した咲は口を開いて奇妙なことを言い出した。


 「あのー今日のお金……ね?」

 「え?」


 なぜかお金を要求される悠馬。意味が分からず素で「え?」と言ってしまった。


 「こういうのあんまり言いたくないんだけどさ……?」


 と言って咲はしばらく無言になったが、また口を開いていった。


 「今日のデート代だよぉ。うちは基本先払いにしてもらってるの」

 「……」

 「どうしたの?悠馬君黙っちゃって」


 ここで悠馬のスマホに電話がかかってきた。画面を見るとはるきからだった。


 「ち、ちょっとごめん。電話がかかってきたから」

 「う、うんわかった」


 と言って急いで電話に出た。


 「どうした?」

 「面白いことになってるだろ?」

 「へ?」


 悠馬ははるきの言っていることがいまいち理解できていない。

 よくわからなっかったから悠馬ははるきに聞いた。


 「面白いことってどういうことだ?」

 「えーっとな、今お前が相手している女性な実はなレンタル彼女なんだ」

 「は?」

 「まさかまだ気づいてなかったのか」

 「はあああああああ!?」


 衝撃の事実を知り大声を出してしまった悠馬。周りにいた人に視線はこちらに向く。それに気が付き悠馬は恥ずかしくなりさっきよりも少し小さい声でしゃべった。


 「ちょっと待て?レンタルかの……」

 「まあ後のことは本人に聞け! じゃ!」


 はるきは悠馬の言葉に重ねて言って、言いたいことが言い終わったらぶちっと電話を切った。


 「……っておい! もしもし? もしもし?ちっ。切りやがった」

 「あの、だいじょうぶ?」


 そう優しく声をかけてきたのはレンタル彼女らしい咲だ。


 「あの……咲さん。君ってレンタル彼女なの?」

 「え?当り前じゃない。だからあなたが頼んできたんでしょ?」

 「え?僕が頼んだ……?」

 「ええそうよ、これ」


 と言って咲は悠馬に自分のスマホを向けた。そのスマホの開いているページは、レンタル彼女のページでそこにはしっかりと悠馬の名前と当日の服装が書かれていた。


 「ね?これは完全にゆうまくんのことだよね?」

 「確かにこれは僕だ。でもなんで?」

 「私にもわからないわよ。あなたの事情なんだから」

 「おかしい。だって僕はレンタル彼氏だよ?」

 「は?そんなわけってえええええええ」


 次は悠馬が咲に自分のスマホを向けた。そこにはレンタル彼氏と書かれていてそこにきっちりと咲の名前と当日の服装などが書いてあった。

 それを見て咲は驚いていた。

 二人とも見知らぬところで互いに予約していたことに混乱している。全く理解できていない。 

 そして二人の沈黙が続く。この雰囲気程きついものは今までなかった。

 しばらくしてまた悠馬のスマホに着信が来た。はるきからだが、今回は電話ではなくメールだった。


 『おっす。今たぶん混乱していると思うから説明する。これはどっきりってやつだ。相手がお互いにレンタルだったらっていうやつだ。勿論相手にも知らされていないぞ。ちなみに咲さんとのやり取りは俺がした。まあ後数時間練習だと思ってがんばれよ』

 

 というメールが悠馬のもとに届いた。しかし、説明が不十分すぎてこんなドッキリをした理由がわかっていない。


 「あのさ、落ち着いて聞いてもらいたいんだけどさ、いい?」

 「なに?」

 「あのさ、友達がドッキリを……」


 と言いながら、説明がめんどくさくなったのか送られてきた文章を咲に見せた。


 「だいたいはわかったけどなんのため?」

 「ただのいたずらじゃないかな?」

 「はあ」


 咲は大きなため息をつく。いたずらに付き合わされたからだろう。

 

 「ぷるるるるる。 ぷるるるるる」

 

 今度は咲の携帯に電話がかかってきた。


 「ちょっとごめん電話」

 「う、うん」


 急いで電話に出た。


 「もしもし?」

 「もしもしー」

 「ねえ聞いて!」

 「どうしたー?」

 「今日の相手さレンタル彼氏らしいの。なんか彼の友達のいたずらとか言ってたわ」

 「あーそれ知ってる。でもいたずらじゃないよ?」

 「何で知ってるの?」

 「だって私が仕込んだんだもん」

 「えええ!?」

 「いやー今日初めてじゃん?だから仕事に慣れてもらうために今日はレンタル彼氏に頼んだんだ」

 「えええええ」

 「あ、ちょっと悠馬君にかわってもらえる?」

 「別にいいけど」


 というと咲は悠馬にスマホを渡した。かわいらしい熊のカバーに少し画面にひびの入ったスマホを。


 「え?くれるの?」

 「違う」

 「かわれって言われた」

 悠馬は咲のスマホの画面を見た。



 「てか近くで見ると画面われてるじゃん」

 「これはカバーだけが割れてるの! ってそこ関係ない!」


 咲の画面には、綾坂茜と表示されていた。


 「茜が、変われって言ったから」

 「そ、そうか」

 「もしもし?」


 悠馬は咲と変わって電話に出た。

 「もしもーし。私は綾坂……」

 「綾坂茜さんですね?」


 茜が自己紹介する前に悠馬が被せて言った。


 「な、なんであたしの名前知ってるの!?」

 「いやスマホ渡される時に名前がっつりスマホの画面に書いてあったんで」

 「あーそう言うことかぁびっくりしたー」

 「で何の用ですか?」

 「あのね、はるきくんって知ってるよね?」


 茜がさしているはるきと言うのは東阪はるきのことだ。


 「はるきを知ってるんですか?」

 「ええ、彼とあたし知り合いだもん」

 「え?」

 「って言ってもネット上でね」

 「と言うと?」


 悠馬はあかねに質問した。


 「えっとね、今日のことで色々話してたんだ」

 「今日のこと?」

 「おかしいなぁさっき連絡したって言ってたのに」


 確かに悠馬ははるきから連絡が来ていた。


 よくわからないことだったが。


 「それでね、今日は咲のためにあえて君を選んだの」

 「……なんでですか?」


 「咲はね今日が初めての仕事なの。今まで彼氏いたことないから多分ほんとうのお客さんにうまく接することが出来ないと思ったから今日は仕事に慣れてもらうためにレンタル彼氏を選んだの」


 「はあ、なんとなく分かりました」


 ようやく悠馬は理解した。

 しかしここで咲は少し大きな声で言った。


 「か、彼氏がいないのと仕事関係ないでしょぉ!」


 すると電話越しから茜の「あははははは」という笑い声が聞こえた。


 「まあ、いいわ。そう言うことだから今日一日お願いね」

 「でも、僕も今日が初めてですが?」

 「知ってるわ」

 「なんで!?」

 「だからはるきくんと知り合いだから」

 「じゃあなんではるきとネットで知り合えたんですか?」

 「あなた知らないの?はるきくんもレンタル彼氏なのよ?」

 「え……?」

 「知らなかったのね」

 「ええええええええええ」


 悠馬はビックリした。目玉が飛び出そうなくらいに驚いた。


 「それで、初めは1番人気のはるきくんにお願いしたけど事情を説明したら君を紹介してくれたの。君も新人だからって」

 「ええええ、はるきが1番人気!?」

 「ええそうよ」


 もう色々と驚き過ぎた。ほぼ全てが初耳のことだった。

 「なるほど……分かりました。今日は咲と練習ということですね?」

 「ええそういうことよ」

 「分かりました。じゃあ」

 「じゃーねー」


 と言って電話を切って咲にスマホを返すことにしたが、少し悪戯することにした。


 悠馬は咲が見てる前で咲のスマホをポケットに入れた。

 

 「だちょっと! なに人のスマホパクろうとしてるのよ」


 「くれるんじゃないの?」


 「あげないわよ!」


 と言って、茜は悠馬に近づきスマホを強く引っ張り取り返した。


 「とりあえず、なんかそういうことらしいからとりあえず練習するわよ!」

 「う、うん」




 悠馬たちは電車に乗り二つ先の駅に向かった。

 約10分で着いた。その間二人は会話も一切しなかった。

 電車から降りてとりあえず水族館に向かった。


 「ついたぞ」


 「そうね」


 「……」


 「……」


 やはり緊張して二人とも会話が弾まない。どうにかしてこの空気から脱出したい。


 「ね、ねえ!」


 先に話しかけてきたのは咲の方だった。


 「なに?」

 「私たち練習中なんだからさ……」

 「だから?」

 「だからその……手とか繋ごうよ!」


 咲は思い切って提案した。確かにこれは恋人になりきる練習だから手を繋ぐのは当たり前。当然のことなのだ。


 「そ、そうだな」

 「ええ、そ、そうよ!」


 しかし言われた側の悠馬も言った側の咲もどっちも照れてしまっていた。

 ここで咲は大きな深呼吸をした。すると目や表情が仕事モードに切り替わっていた


 「あっちに行きましょ!」


 と言って悠馬の手を握ってイルカショーが開かれる場所に向かった。


 「イルカショーはまだ始まってないみたいね」

 「うん、三時からだから、あと十分くらいかな?」


 だいぶ会話が続くようになってきた。


 「あのさ、咲さん」

 「なぁに?」

 「どうしてこの仕事始めたの?」

 「んー。どうしてだろう」


 咲は笑いながら答えた。


 「真面目に言ってくださいよ」

 「だって自分でも分からないんだもん」


 本当のことである。実際なぜこの仕事を始めたのか分からない。お金にも困ってるわけでもない。


 「じゃあなんで」

 「誘われたからよ」

 「誘われた?誰に?」

 「さっきの電話の人よ、綾坂茜」

 「あー、さっきの人か。仲よさそうでしたもんね」

 「同じ学校の人なのよ。ってかなんで敬語?」

 「いや一応一つ上なんで」

 「そんなの別にいい。タメ口でいい」

 「わかった。これからタメ口でいくね」


 何か不満げな顔をする咲。それに気づき悠馬は質問した。


 「どうした?何か不満気な顔してるね」

 「……いご……」

 「ん?」

 「敬語……」

 「敬語がどうかした?」

 「やっぱり敬語使えええええ」


 急に敬語に戻せという咲。


 「どうして?」

 「なんかうざいから」

 「理不尽な理由ですね。が、分かりました戻します」

 「うん、おねがい」

 「てか、僕たち結局練習ぽいこと全くできてませんよね」

 「まあね。だって難しいもの」

 「確か彼氏一度もできたことないんですよね?」


 悠馬は少しバカにするように笑いながら言った。


 「それじゃあ仕方なってうっ……何するんですか」


 咲は悠馬のみぞおちをめがけて指3本を突き刺した。


 「あなたが余計なことを言ったから。まあいたことないのは事実だけどさ」


 後半の部分を濁しながら小声で言ったため、いまいち悠馬には聞こえていなかった。

 気づけばもうイルカショーが始まっていた。二人は夢中になっているかを見ている。


 「うわぁすっごっい! イルカショー初めなんだよね」

 「そうなんですか。珍しいですね」

 「そう?」

 「ええ、めずらしいです」


 イルカに夢中になっているため会話はもちろん目を合わせずにただただ言葉だけのキャッチャボールだった。

 そろそろイルカショーも終わりに近づいていた。そしてもうすぐ大技がくるころだ。


 「そういや僕たちが座ってるとこって危険な場所じゃないですか?」

 「危険? そうなの?」


 よく分かっていない咲。そう、イルカショーはカッパを着ていても前列だとびしょびしょになる。悠馬たちが座っているのは前から3列目。放送で濡れたくない人ように言ってたのは確か5列目だった気がした。


 「ここやばいです! 早く上に上がりましょ」

 「どうして? 近くで見ればいいじゃない」

 「ここにいると濡れちゃうんで……」


 「濡れちゃうんです」と言おうとした時にはもう大技が成功して着地の瞬間だった。

 水しぶきは予想よりも大きく飛び、会場の人たちはびしょびしょになった。もちろん悠馬たちも。


 「……」

 「大丈夫ですか……?」

 「……」

 咲は黙り込んだままだった。


 「あははははは!」

 「なんだ、怒ってたわけじゃないんですね」


 悠馬は咲が怒こっているのかと思ったがそんなことはなかった。


 「え?怒ってないよー。あーたのしっ!」


 咲が笑顔になった。とても可愛い笑顔だ。


 「楽しかったならよかったです」

 「さー帰ろっか!」

 「そうしますか」

 「でもびしょびしょね」

 「じゃああそこで乾かしますか。その間の服はあそこで買って」

 「ええそうしましょう」


 悠馬たちは濡れた服を近くのコインランドリーの乾燥機を使い乾かした。その間の服は近くの服屋で買った。乾いた服は袋に入れて持って帰る。

 悠馬たちはまた同じ電車に乗り元の場所へ戻って着た。着いたのはもう四時四十二分だった。


 「今日はありがとね」

 「いいえこちらこそ。楽しかったです」

 「そうだ、連絡先交換しよ?」

 「いいですよ。僕のはこれです」

 「えーっと、……これでよしっ! っと」


 悠馬は初めてお母さんと妹以外の女の人と連絡先を交換した。


 「また遊ぼうね。あしたとか!」

 「明日は無理ですよ」

 「あははは。明日は月曜だもんね」


 しばらくするとはるきと茜が一緒に来た。


 「どうだったよ悠馬」

 「うん、楽しかった!」

 「ってかはるきもレンタル彼氏なのか」

 「げっ、なんで知ってんだ?」

 「お前のせいか!」

 「あはははは」

 「てか、なんで服変わってるんだ?」

 「あーこれはイルカショーで濡れた」

 「はは。バカだな」

 「バカで悪かった」


 初めは緊張もしたし意味わからないことになっていたけどなんやかんや楽しかった。


 「じゃー俺たちはそろそろ帰ります」

 「分かった。今日は無理言ってありがとう」


 軽くはるきと茜が挨拶を交わして帰ることにした。


 「悠馬ばいばーい!」

 「うん、ばいばい」


 咲は笑顔で悠馬にバイバイと手を振って言った。その顔は誰もが守りたくなる笑顔だった。



 新幹線に乗って帰ってきた二人は近くの喫茶店に入った。


 「おい、金返せ」


 「ん?」


 「ん? じゃねーよ昼飯代!」


 「返したいのは山々なんだけどお金がね? ない」


 「もーしゃねぇな! 今日だけおごりだ」


 「サンキュー」


 家に帰ろうとして喫茶店を出た二人だったが、急に雨が降ってきた。


 「あちゃーこりゃ帰れねぇな」


 「どうするよ」


 二人とも傘もカッパも持っていない。かといってタクシーはここはめったに通らない。

 困り果てた二人に声をかけてきた。


 「もしよかったらこれ使ってください」



 若い女の人の声だった。







 読んでいただきありがとうございました。

評価・コメントなどお願いします!(してくれたらうれしくなって書くモチベーションが上がります(笑))

 きょうの20:00に第2話を上げます!

【毎日投稿】

毎日20:00に一話上げます


ではまた次回もお願いします!

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