表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒城の死神  作者: ぜるたな
3/3

1,山頂へ-その2

「大きい……。」



そのときは、ただ呆然とそう思った。


少しくたびれているが、黒く重たげにたたずむ城門や城壁は、首都ペルナドにある王城のそれと同等か、それ以上に堅牢に見える。



「やっと見つけた……。」



セティは、ぼくの前にゆっくりと出ていって、小さく呟いた。

声こそ大きくはなかったが、その言葉は、決意や覚悟の類いが感じ取られるものだった。



そして、僕はこの詩を口ずさんだ。


「遥か砂漠の辺境の


遥か岩場の上の上


高くそびえる城壁が


黒くたたずむ城門が


魔に魅せられし神々の………」




「魔に囚われし成れの果て……。」



「やっぱり、君もこの詩を知っていたんだね。」



黒城の伝え詩。

人々が黒城の存在、役割、伝説を忘れないために伝えてきたものだ。


もっとも、そんなものは、戦後間もないこの国にとっては廃れていくだけの昔話にすぎない。



「いったでしょ?おじいさんが話してくれたってね。」



「やっぱり君のおじいさんは…………いや、今はやめておこう。」



「?」



きっと君のおじいさんのことを、僕は知っている。

だけど、それを切り出したら…………………。



ギギギ……ギギ………


「えっ?」




堅牢さを漂わせてたたずんでいただけの門が、突然に動き出した。




「っ!………門が……開いていく?」




僕たちはその様子に眼を奪われた。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ