第三十四話 病魔襲来
「ルルーシュ君、今日はなんだか元気ありませんけど……大丈夫ですか?」
「ああうん、大丈夫、問題ないよ」
ルルーシュ達がアースランド領にやって来て四日目。
この日もリリィ、ルルーシュ、ユリウスの三人は巡回診療を行うため、領主館で準備を行っていた。
途中、どこか思いつめたような表情をしていたルルーシュをリリィが心配して尋ねるが、彼はすぐに表情を普段通りの気難しい物に変えると、はぐらかしてしまう。
「むしろリリアナこそ、二日連続でこれやって、魔法の練習は大丈夫?」
「それなら大丈夫です、昨日だって、夜のうちにちゃんと練習したんですよ? ね、お兄様!」
「そうだな、俺に拳骨されるまで全然やめようとしなかったよな。寝る時間だったのに」
「うぐ……で、でも、そのお陰で結構上達したんですよ、ほら!」
リリィが掌を掲げ、《灯火》の魔法を発動する。
すると、今まで通りやや不安定ながらも、周囲を照らすには不自由しない程度にしっかりと輝く光がそこに出現した。
「へえ、確かに大分上手くなったじゃない。……最初に比べれば」
「むむ、微妙に含みのある言い方が気になります!」
「ルルーシュがそう言うのも仕方ないだろ。実際にリリィ、昨夜だって途中で一回制御に失敗して、《閃光》と勘違いするくらいすっごい光を出すもんだから、それに気付いた母様が部屋に来て怒られちまったし」
「あ、あはは……」
やや愚痴混じりのユリウスの指摘に、リリィはそっと目を逸らす。
ルルーシュのアドバイスのお陰もあり、それなりに上達することが出来たのだが、やはり制御が……特に出力を抑えるのが難しく、いっそ思い切り解き放つ方が安定するくらいだった。
魔力量が多い弊害とも恩恵とも言えるが、現状では無作為な放出はただの自爆と変わらないため、そのままではやはり役に立たない。今後も訓練を積んでいく必要があるだろう。
「……僕の方から言っておいてなんだけどさ、リリアナは魔力暴走もあるんだし、あまり根を詰め過ぎると体壊すよ? 十歳になったらどうせ貴族は学園に通って本格的に習うことになるんだろうし、それまでは少し抑えといたら?」
「学園ですか?」
この世界で初めて聞く単語に首を傾げると、ルルーシュは驚きのあまり唖然とする。
まさか、と言わんばかりに目を向けたユリウスもまた「なんの話?」とばかりに首を傾げるのを見て、ルルーシュは頭を抱えた。
「ねえ、ここに来て何度目か分からない疑問なんだけどさ、君ら本当に貴族なんだよね? 実はただの平民の村長とかじゃないよね?」
「貴族だぞ一応」
「やっているお仕事は村長さんと変わらないと思いますけどねー」
大して気にした様子もなくあっさりと言う二人に、ルルーシュは自分の中の貴族像が音を立てて崩れ落ちていくのを感じた。
昨日の時点で既に粉々だったような気もするが、なんだかそれは気にしたら負けな気がしたルルーシュは、努めてその考えを意識の外へと追いやる。
「……フォンタニエ王立学園。貴族や王族が通うこの国唯一の学校だよ、本当に知らないの?」
ルルーシュ曰く。
フォンタニエ王立学園は、元々戦争の影響で王都に疎開してきた子供達のため、手の空いた人々が協力して勉強や剣術などを教え始めたのが起源らしい。
やがて時の王族がそれに目をつけ、戦争で領主を失っても残された子供が国内の領地を無意味に荒廃させないため、そして国を守る次世代の騎士を育てるため、国費を投じて本格的な学校を作り上げ、そこで貴族の子弟達に教育を施すようになったのだという。
「護身術、魔法、剣技に領地運営の基礎、他にも魔法薬学とか戦術理論とか、色々と学べるらしいよ。僕としても魔法薬学には興味あるけど、貴族じゃないからね」
その点だけは貴族が羨ましいよ、と溢すルルーシュに、リリィとユリウスの二人は「へぇ~」と感心したように声を上げる。
もっとも、その意味は二人で全く違ったのだが。
「学園って要するに、みっちり勉強させられる場所ってことだよな? そんなとこ行きたいなんて、ルルーシュも変わってるなー」
「その台詞は、隣で興奮してるリリアナに言ってあげて」
「変わってるってなんですか、だって学校ですよ学校! いっぱい勉強出来て、友達もたくさん作れるなんて素晴らしいじゃないですか。うわぁ、私も通ってみたいです!」
これでもかというほど瞳を輝かせながら語るリリィを半目で見つめながら、ユリウスはぼそりと一言。
「うちのリリィは元々あんな感じだから」
「まあうん、分かる気がする」
「今ので何が分かったんですか!?」
具体的な言葉はほとんど使わず、ほぼ完璧に意志疎通を行う二人。
やっぱり気が合うんじゃないかと、リリィがやや疎外感を覚えながら抗議の声を上げていると、不意に屋敷の入り口あたりが騒がしくなる。
「あれ? 何かあったんでしょうか?」
「ちょっと様子見に行くか」
「僕も行くよ」
一旦準備を切り上げて、三人で表に回る。
するとそこには何人かの村人が詰めかけ、アースランド家の使用人と話している姿が見えた。
近づいていくと、使用人は踵を返して屋敷の中に慌てて飛び込んでいき、後には村人達だけが残される。
「みんな、どうかしたのか?」
ユリウスが声をかけると、ようやくその存在に気付いたのか、村人達が驚いた様子で振り返る。
そして、後ろにいるルルーシュの姿を見つけるなり、声を上げた。
「ああ、君もここにいたのか、ちょうどよかった! 実は、昨日風邪気味だった連中が、今日になって急に容体が悪くなってな……どうもただの風邪じゃなさそうだってんで、カタリナ様に診て貰おうと思ってここまで来たんだ」
「そんな……!? ねえ、その人達、どんな症状が出てる!?」
村人の言葉に、ルルーシュが顔を青くしながら問いかける。
風邪気味だった連中ということは、昨日ルルーシュが診察した患者だ。何か問題があったのかと慌てるのも無理はない。
「症状って言うと……どうもひでえ熱があるみたいで、咳が止まらなくて……ああ、あと体が痛えとかも言ってたな」
「意識が朦朧としててよ、起き上がれねえくらい辛そうで、飯もほとんど食えなくて……」
「……初期症状は風邪と同じ、でも薬の効果が薄くてこれだけ一斉に重症化? ……って、まさか……!」
口々に先ほどまで目にしていた家族の状態を思い出しながら言葉にする村人達の話を聞き、ルルーシュは顔を青褪めさせる。
どうしたのかとリリィが声をかけながら肩を叩くと、ルルーシュはゆっくりと顔を上げながら呟いた。
「ごめん、リリアナ……僕、とんでもない見落としをしてたかもしれない……」
「え……?」
抑えきれない悔しさを滲ませながら告げるルルーシュに、リリィもまた不穏な気配を感じ、胸を抑えるのだった。
「ベラ熱……だと思うわ。少し前から王都の方で流行ってる病気で、基本的には風邪と似たような症状だけど、かなりの高熱で食事も満足に取れない日が一週間近い間続くから、放っておけば命に関わるの」
村人達から話を聞き、すぐさま自ら足を運んで患者の容体を確認したカタリナは、領主館の客間に集まった面々……カロッゾ、バテル、リリィ、ユリウス、ルルーシュ、そしてランターン商会の会計士、トトノの六人を見渡しながらそう告げた。
現在、アースランドの村でベラ熱と思われる症状を訴えているのは、幼い子供や老人を中心とした五人。そして……ルルーシュの父、マカロフを筆頭とした、ランターン商会の従業員等八人の、計十三人だ。
それらの情報を伝えられ、真っ先にリリィが顔を青くして叫ぶ。
「大変じゃないですか! 治療法はないんですか?」
「今のところ、薬で症状を抑えながら自然に治るのを待つ以外に方法はないわね。治るまで体力が持つかどうかが分かれ目よ」
「体力って……リリィより小さい子も、年食った爺さんや婆さんだっているんだぞ、大丈夫なのか!?」
カタリナの説明に、ユリウスが悲痛な声を上げる。
アースランド領は小さいだけに、領主家と村人達との距離が近く、ほとんど全員が知り合いだ。それが死ぬかもしれないとあって、平静ではいられない。
そんなユリウスに、カタリナも楽観的な言葉は口に出来ず、考えていることをありのまま話す。
「正直、厳しいとは思うけれど、“ユリフィスの涙”を使えばある程度それもカバーも出来るはずよ」
「“ユリフィスの涙”?」
リリィに頷きを返しながら、カタリナは薬について話し始める。
青の精霊ユリフィスは、精霊王から最初に生まれた六体の大精霊の一体で、自然と生命を司る癒しの精霊とされている。
伝承では、魔王と精霊王との戦いで荒廃した世界の有様を嘆いたユリフィスは、七日間もの間涙を流し続けた。
その涙が雨となって地上の穢れを洗い流し、傷付き倒れた数多の生命を甦らせ、今の緑溢れる世界を取り戻したと言われている。その伝承にちなんで名前が付けられた“ユリフィスの涙”は、いかなる病に苦しむ人にも生きる活力を与え、死の淵から救いだす万能薬として知られている。
もちろん、本当にどんな病も治す力があるわけではなく、その原理は治癒魔法に近い。
病そのものを治すのではなく、患者の身体機能を引き上げたり、失われた体力を回復させることで病に対する抵抗力を上げ、間接的に癒す薬だ。
基本的には他に治療効果のある薬と併用することで真価を発揮するのだが、今回のベラ熱は高熱によって体力を奪われたことで合併症を起こし、そのまま衰弱死する危険がもっとも高いため、それを避けるためにはとても有用な薬と言えるだろう。
「ただ、問題があるの。“ユリフィスの涙”の効果は確かに高いのだけど、その分作るのが難しいから……正直、在庫が足りないわ」
アースランド家が抱えている薬は、全て裏庭で自家栽培した薬草類を使い、カタリナが手作業で作り上げてきた物だ。魔法薬は魔力が抜けて劣化すれば意味を成さないので消費期限も短く、備蓄はほとんどされていない。一人や二人、重病の人間が出る程度なら十分対応が可能だったが……規模の大きな疫病ともなれば、どうしても限界がある。
「ベラ熱は人に移るから、これからも患者が増えるかもしれないことを思うと、今から作り始めて間に合うかどうか……トトノさん、商船の積み荷に薬はありませんか?」
「申し訳ありません。先ほど仰られました通り、現在王都でも同様の病が流行している関係で、薬が値上がりしておりまして……今回は用意しておりませんでした」
そう言って、事情を説明に来たトトノは頭を下げる。
実際に病が流行っている王都ではいざ知らず、アースランド家には高価な薬を大量に買う理由などつい先程までなかったのだから、売れる見込みもない商品をわざわざ運んで来るはずもない。
こればかりは責められないと、カタリナはトトノに頭を上げるよう促す。
しかし、状況があまり良くないことは誰の目から見ても明らかで、部屋の中に重い空気がのし掛かる。
「……僕のせいだ」
「ルルーシュ君……?」
そんな中、それまで黙りこんでいたルルーシュがぼそりと呟く。
顔を俯かせたまま小さく体を震わせる彼にリリィが心配して声をかけるが、その声は届いていなかった。
「ベラ熱のことは知ってたのに……気付ける機会なんていくらでもあったはずなのに……! 全然気付けなかった……!」
ベラ熱は、カタリナの言った通り王都で流行っていた病だ。
それが遠く離れたアースランド領で突然流行りだした理由など、タイミングから考えてもランターン商会の誰かが持ち込んだとしか思えない。
もし王都を出る時に既に病に罹っていたのなら、アースランド領に到着する前からそれらしい予兆の一つもあったはずだ。
父親に至っては、いくら喧嘩中だったとはいえ毎日顔を合わせていたのだから、ちゃんと意識を向けていれば体調不良に気付くのは容易だった。
症状そのものはただの風邪と似通っているため、診察だけでそれに気付くのは困難なのだが……それでも、薬師を名乗ろうと考えているのなら、そんなものは言い訳にもならない。
もっと早く気付いていれば、患者の数を今よりも抑え、あるいは村人達に移ることなく事を収めることさえ出来たかもしれない。そう思うと、どうしても自責の念に駆られてしまうのを止められなかった。
「ごめん、リリアナ……せっかくやらせて貰った薬師の仕事なのに、僕、ちゃんと出来なくて……」
短い間だが、リリィがどれだけ領民のことを大事に思っているかはルルーシュにも分かる。
巡回診療を提案し、村の人々のためにと自ら率先して動く姿勢もそうだが、何よりそうしてリリィが村人達と関わっている最中、一度としてルルーシュと初めて会った時のような作り笑いを浮かべることなく、心からの笑顔を見せていた。それが今は、村人達が病気で死ぬかもしれないと聞かされて、今にも倒れそうなほど顔を青くしている。
それだけ素直に感情を露にするほど大切な人達を、自分の不注意で危険に晒してしまった。
そう、深い後悔とともに謝罪すると……。
「せいっ」
パンッ! と甲高い音を立て、リリィはルルーシュの頬を両手で勢いよく挟み込むようにして叩いた。
予想外の行動に困惑するルルーシュの顔を無理矢理正面に向けさせると、リリィは至近距離からその瞳を覗き込む。
「後悔するにも、謝るにもまだ早いです。そんなのは、全部終わった後に纏めてやればいい。それよりも、まずは今何をするべきかです!」
リリィの手が離れ、顔が自由を取り戻す。
それでもルルーシュは、初めて見るリリィの真剣な眼差しから目が逸らせなかった。
「誰一人、病気なんかで死なせたりしません。そのためには、ルルーシュ君の協力がどうしても必要です。だから、お願いします」
一歩距離を置き、リリィは頭を下げる。
その行動にルルーシュのみならず、隣で見ていたトトノさえ驚愕のあまり開いた口が塞がらなかった。
「ルルーシュ君の力と知識を、もう一度貸してください!」
今この領内で、効果の高い魔法薬を作れるのはカタリナとルルーシュだけだ。カタリナ一人で作業が追い付かないのなら、全員を助けるためにもルルーシュの力は絶対に必要となる。
しかしそれはルルーシュに……たった五歳の子供に十三人の、あるいはそれ以上の人間の命を背負わせる行為に等しい。
軽い風邪程度ならともかく、一つのミスがそのまま生死に関わるような今の状況では、その重圧はあまりにも重すぎた。
「リリィ、あまり無茶を言うな、その子はまだ……」
「俺も、こいつに頼みたい」
「ユリウス?」
カロッゾが押し止めようとするが、それを遮ってユリウスが口を開いた。
予想外の人物から出た言葉に、その場の全員が驚いて目を丸くする。
「本当のこと言うと、こいつのことはずっと気に入らなかったけど……村のみんなを治してる時のこいつは、ずっと一生懸命だった。俺には薬とか病気のことなんてよく分からないけど、それでも俺は、こいつのこと信じるよ」
ユリウスは、リリィが自分に婚約者が出来るかもしれないと知って、どれだけ悩み苦しんだのかを知っている。
だからこそ、ルルーシュが初対面からリリィに暴言を吐いた時、こんなやつに妹は任せられないと思ったし、それは今でも変わっていない。
それでも、リリィのために魔法を教え、冷やかし同然に集まってきた村人達さえ邪険にせず真剣に治療する姿を見て、ユリウスも少しは彼のことを認められるようになっていた。
「俺に出来ることならなんでも手伝う。だからルルーシュ、俺からも頼む、力を貸してくれ!」
リリィと並び、勢いよく頭を下げる。
そんなユリウスの姿に、驚き固まっていたルルーシュはついにその口を動かした。
「……分かった。元々僕の失態なんだ。自分の尻拭いくらい自分でやってみせる。……いい、ですか?」
そう言うと、ルルーシュはリリィを止めようとしていたカロッゾに向き直る。
慣れない敬語のせいか、やや自信なさげな声色になってしまったが、その表情は確かに、覚悟を決めた一人の男の顔だった。
それを見て、カロッゾもまた腹を括ると、カタリナと一瞬だけ視線を交わし、大きく頷いた。
「元々、それしか方法はないんだ。君自身が出来ると言うのなら任せよう。カタリナ、薬のことは任せたぞ」
「ええ、了解よ。ただ、他の薬はともかく、"ユリフィスの涙"を作るには材料が心許ないの、お願い出来る?」
「分かった、そちらは俺が村の連中から有志を募って森から採取して来よう。バテル、お前は念のため、スクエア侯爵領まで向かって薬を調達してきてくれ。魔法で馬を強化して飛ばせば、往復四日ほどでどうにかなるはずだ。護衛としてスコッティを付ける」
「薬の買い付けには異存ありませんが、私もカロッゾ様も不在、カタリナ様は薬作りで手が離せなくなるのでしたら、その間の指示は誰が?」
「クルトアイズに一任する。あいつならば何かあっても対処出来るだろう」
「承知しました。お二人にはそのように通達します」
「ユリウス、お前はクルトアイズの指示で動け。まずは病人達を離れに集めて、これ以上の感染拡大を防止しつつ、看護しやすい状況を作る。《強化》の魔法が使えるお前なら、村の連中より病気にも罹りづらいはずだ。それでも万全とは言えないが……やれるか?」
「任せろ、病気なんて、父様の扱きに比べたらなんてことない!!」
「それは何よりだ。そして、リリィだが……」
「はい! 私は何をすればいいですか?」
「……そうだな、魔法薬を作るにも、看病をするにも魔力は大量にいる。カミラに頼んで魔水晶を用意させるから、そこに魔力を溜めておいてくれるか? だが、無理はするなよ、お前は体が弱いんだからな」
「大丈夫です、任せてください!!」
気合十分といった様子で頷くリリィに、カロッゾは複雑な思いを抱きながら頭を撫でてやる。
カロッゾとしては、ただでさえ幼い上に体の弱いリリィに仕事を任せていいものか悩みどころだったが、大人しくしていろと言ったところで、人が困っている中でじっとしていられる娘ではないのも確かだ。
それならば、せめて患者と出来るだけ関わらない仕事を任せた方がいいだろう。
最後に、トトノへも患者の搬送について協力を仰いだカロッゾは、改めて表情を引き締めると、為政者としての厳しい眼差しで全員を見渡す。
「先ほどリリィの言った通り、全てはこれからの諸君の働きにかかっている。病の犠牲者を出さないためにも、どうか力を貸してほしい」
軽く握った拳を胸に当てる、騎士の礼。
戦場に赴く戦士達に対する最上の敬意でもって、カロッゾは告げた。
「我らに精霊の導きがあらんことを! 諸君らの尽力に期待する!!」
カロッゾに習い、全員が同じように礼を取る。
こうして、アースランド領にこの冬最大の試練が訪れたのだった。
Q.ベラ熱ってなんぞ?
A.インフルエンザの亜種くらいに思っておいて貰えると。




