最終決戦!!だがしかし
これからの未来を示唆するかのような不穏な暗雲。
鋭く激しい豪雷の音が魔城に鳴り響く。
豪奢な装飾が陳列されていた魔王の間は見る影も形なく破壊の爪痕が至る所に刻まれている。
それはそこで起きた戦いの激しさを物語っていた。
「はあ、はあ、はあ」
荒い息を吐き傷だらけだが未だ輝きを失わない聖剣を突き立て片膝を突く少年。
短く切り揃えた黒髪にまだ幼さを残した顔立ちの、少女と見がまうばかりの美少年だ。
「ふう、ふう、ふう」
その少年の隣には金髪の長い髪に白い法衣を身につけた美少女が荒い息を吐き膝を折っていた。
手には少女の背丈もある先端に宝石をあしらった杖を持ち、自身を倒れぬように立てていた。
「ん?それで?お終いかな?勇者殿?姫君殿?」
そして二人の眼前には豪華な装飾があしらわれた傷一つ付いていない玉座にその長い脚を組み、肘掛に肘を置いて鎮座する美丈夫の姿があった。
白銀の腰まである長い髪に頭部の両脇に上を向いて伸びる黒い角。
獣の如き縦瞳は黄金に凛滅し、女性のような端正かつ怜悧な顔には冷たい微笑みが静かに浮かんでいる。
魔王。
世界に魔物を解き放ち世に混沌をもたらしたとされる伝説の悪しき魔物の王。
その混沌の元凶が今目の前にいる。
ほんの数歩先にいる邪悪の根源。
「どうしたのかね?勇者殿?先ほどの大技はもう使わないのかな?姫君殿も大魔法は迫力があったよ」
魔王は玉座に座したまま、退屈そうに、此方をまるで歯牙にも掛けない眼差しで見下ろしていた。




