貴族との激突①
すみません。
今は大事な時期でして、ですが来週には終わってますので大丈夫です。基本的に日曜日更新です。よろしくお願いいたします。
「いやぁ、謁見なんてしたの初めてだから緊張しましたよ。」
「そうなのですか?私には緊張しているようには見えませんでしたが。」
「そうですか?実は緊張していたのですよ。(いくら創造で礼儀を取得しても緊張するのは変わらないみたいだな)」
「へぇ~、そうなのですか。私の勘ははずしたことがないのですが、初めてはずしました。」
「たまたまじゃないですか?たまたま。」
「ふふっ。ありがとうございます。」
「ど、どうも。」
やっべぇ~。今のめっちゃドキッときたわ。俺もいつかこんな人と結婚したいなぁ。自分の力を全て話しても良いと思える人と。まぁ、気長にやるか。
「それでレイン様?これからどうなさるのですか?」
「そうですね。うーん……、それでは王様にも言われたのでこの王都の冒険者ギルドにでも行こうと思います。」
「そうですか。冒険者ギルドはこの城から近いですし、大きいのですぐに見つかると思います。それでは、また会いましょう。…いえ、すぐに会うことになるのかしら?」
「?どうしてそう思うのですか?」
「ふふっ。あなたは何か大きなことを成し遂げる。そんな気がするのです。」
「そ、そうですか。それでは貴方の期待に応えられるように精進したいと思います。」
「はい。遠くからですが応援しております。」
「それではまた。」
◆◆◆
「行ってしまわれましたか。もう少し一緒にいたかったですね。」
「おやおや~?やっとあの邪魔なゴミが行きましたか。本当に迷惑です。あのような虫けらが視界に入ると、虫酸が走ります。全く自分がどれだけ惨めでみすぼらしいかが分からないのでしょうか。これだから平民は。いっそのこと不敬罪で」
「これはジーク様。何か私に?」
「ふっ、姫様?あなたは分かっているはずですが?
「あの件ならばお断りしたはずです。それに私には好きな人が、」
「いえいえ、そんな嘘がまだ通じるとでも?あなたが好意を寄せる人がいないことは分かっています。それにあなたにふさわしい人など私以外にはあり得ない。」
「ふふっ、それはどうかしらね。意外と近くにいるかもよ?例えば、この王都に大きな益を与えてくれ、心強い戦力になるひととか。あるいは、そうね……命の恩人とか?」
「!!まさかあの平民が好きだと!?あり得ない!そんなことはあってはならない!あなたは私と一緒にいるべきだ!」
「黙りなさい。どうしてあなたに私のことを決められなければいけないの?私のことは私が決めます。それにお父様も気に入られたようですし。」
「そ、そうですか。……おっと、そういえばとてもとても大事な用があったのを忘れておりました。それではまた。」
「何が大事な用がある、ですか。今から何をするかが丸分かりです。お父様に相談しなければ。」
◆◆◆
バン!
「おい!!誰かいないか!!」
「いかがなされましたか、ジーク様。」
「俺はこれから大事な用がある。だから俺の部屋にあいつらを呼び出せ!!」
「!!まさか。」
「ああ、『毒龍の戯れ』達だ。今すぐだ。」
「承りました。ですが、あのもの達を動かす程のことなのですか?」
「何だ?何か文句でもあるのか?」
「いえ、ただ気になったもので。」
「そうか、ならいい。今回の標的は平民だ。」
「!!平民?ただの平民ですか?」
「ああ、だが平民だからといって容赦は決してしない。あいつは俺の嫁になる奴を奪おうとした罰だ。決して耐えることの出来ない苦痛をもってなぶり殺してやる。……いらん時間をくってしまった。話は終わりだ。すぐに用意せよ。後、お前も一緒に行け。監視役としてだ。」
「承りました。」
あの『毒龍の戯れ』達を平民を殺すために動かすだと?しかも何も罪を犯してはいない、善良な平民を。やはり、この方はもうダメだ。これ以上は私の心がもたない。『毒龍の戯れ』達についていくついでに辞めてしまおう。だが、何をしようか。旅とか良いかな?まぁ、本音を言えば誰かに仕えたいが。この王都の貴族には期待できない。はぁ、憂鬱だ。
◆◆◆
バン!
「お父様!!相談があります!!」
「何だ?いつものお前らしくない。少し落ち着け。」
「これが落ち着いていられますか!!あの方が、レイン様がジークに殺されてしまう。」
「!!どう言うことか説明をしてくれ。」
「はい。あの謁見のあと、レイン様と喋ってレイン様と別れた後ジークが現れて、嫁にこいなどと言うものですから、私には好きな人がいると。例えば命の恩人とか?などと、つい話してしまい、するとジークはとてもとても大事な用があるとどこかへ行ってしまったのです。ジークは気に入らない人をすぐに殺してしますという噂がありますし、あの様子では間違いないと思い、お父様に止めてほしくて来ました。」
「何?ということは言外にレインのことが好きだと?言ったのか?」
「はい。」
「そうか、確かにジークに嫁がせるくらいならレインと結婚してくれた方が私は嬉しい。」
「それでは!!」
「だが、援軍は出せん。」
「何故ですか!?」
「確かにレインは人がよく、お前とはお似合いだと思う。だが、それだけの理由でこの国の第二王女であるお前を平民と結婚させることは出来ない。結婚するならばそれなりに自分がお前と結婚することによるメリットが必要だ。しかもあやつは騎士達が全滅するほどのゴブリンを無傷で殲滅できるほどの力を持っているのだろう?ならば良い機会だ。この機会にレインの力を確かめよう。そして見事生還したならばお前との仲を取り次いでやる。これでどうだ?」
「うっ、確かに私もレイン様の力が気になります。ですが、それだけのことでレイン様の命に危険をさらすようなことはしたくありません。」
「ふぅ、よく考えよアイシャ。なぜレインの命が危険になった?それは、お前が不用意にレインのことを話したからだ。つまりはお前の責任だ。そうだな?」
「そう、です。」
「ならばその責任を取るというかたちで今回はなにもするな。いいな?」
「分かり、ました。」
「分かったのなら良い。わしはこれでも忙しい。もう戻りなさい。」
「はい。失礼します。」
バタン
「ふふっ、あの子をああまで言わせる子ですか。私も気になりますね。」
「!!聞いていたのかルウシェ。いつから?」
「ほとんど最初からですね。」
「そうか、お前はどう思う?」
「私もあなたに賛成です。これくらい解決してもらわないとあの子を嫁になんてあげられません。」
「そうか、ありがとう。」
「いえいえ、それにしてもあの子にもようやく春が来ましたか。いつくるか、もう来ないのではないかと心配したわ。これでもう安心ね。」
「そうだな。わしもさっきはああ言ったが、レインならこれくらい大丈夫だろう。これでやっと安心して残りの人生をゆっくり楽しめるよ。」
「そうね。」
◆◆◆
「謁見も終わったことだし早速ギルドに向かうか。アイシャは近いって言ってたけどそこまで近くないな。これは探すので苦労しそうだな。どうするか?人に聞くか。ええっと、すみません。」
「ん?何だ?」
「冒険者ギルドが何処にあるか分かりますか?実は王都は初めてで全然分からなくて。」
「そうか。確かにギルドは分かりづらいとこにあるな。よし、俺が案内してやるよ。」
「良いんですか?ありがとうございます。」
「よし、着いてこい。こっちだ。」
俺は細身の男性に着いていったが、その男はどんどん人気のないところに入っていった。
「あの~、本当にこんなところにあるんですか?」
「は?何いってんだおまえ。こんなとこにあるわけねぇだろうが。ギルドはここから反対のとこだよ。それに、お前が行くのは冒険者ギルドじゃねぇ。地獄だよ!!出てこい!!お前ら!!」
男がそう言うと4人の男が現れた。
「俺達はジーク様お抱えの殺し屋、『毒龍の戯れ』だ。今回の依頼は標的が平民の割には報酬が良くてな、すぐにこんなの終わらせて遊びにいきてぇな。」
「すぐに終わらせるのは構いませんが、誰だか分かるようにしてくださいね。」
「ああ、分かってんよ。殺るぞ!お前ら!!」
「「「おう!」」」