天界での出来事
「…………………は?」
いやいや何これ?あり得ないでしょ。まず何?【種族】神って。僕、人じゃないの?死んだはずの父さんと母さんが創造神と全能神?【スキル】の創造も明らかにおかしいよねぇ。これは確実にこの世界のバランス無視してるでしょ。これは、今すぐにでも教会までいって問いたださなければいけないな。
「あの………どうされました?何か不備でもありましたか?」
「ハッ、いえいえ何もありません。ちょっと自分のステータスを見ることができて嬉しかったのでついつい見入ってしまいました。」
「そうですか。それなら良かったです。ではこれで登録は以上になります。お疲れさまでした。何か聞きたいことはありますか?」
「いいえありません。ありがとうございました。」
「こちらこそ、頑張って下さい。」
「はい」
僕はそう言うとすぐに冒険者組合を出て教会へ向かった。
バン!
「すみません!!シスターはいらっしゃいますか?」
「はい?何でしょうか。随分お急ぎのようで。何のようでしょう。」
「いえ、神様に祈りたいと思いまして。」
「まあ、それは熱心ですね。感心です。それではあちらの像の前で膝をついて祈って頂くといいですよ。」
「そうですか。ありがとうございました。」
「いえいえ、さあこちらへ。」
僕は何やら見覚えのある像の前で膝をついて祈り始めた。すると、僕はいつの間にか真っ白なところにいた。
「何だ?ここは。」
「あら~、レイン久しぶり。」
「この声は………、やっぱり母さんか。ねぇ、何あのステータス。どういうこと?」
「それを話すには、まず私とお父さんのことを話さなければいけないわ。もうステータスで見た通り私が全能神でお父さんが創造神なの。それ「いやいやちょっと待って。何当たり前のように話してんの。そこから説明してよ。」でね……。やっぱり?」
「当たり前でしょうが。何でそんな神様が普通にこっち来て生活してんの?」
「それはね…………」
「ゴクン……」
「面倒になっちゃたの。」
「は?面倒?」
「そうなのよ。いやね私達、天界にいた頃から付き合ってたんだけどね、周りからすると創造神と全能神がくっつくのは邪魔なんだって。それで何処にいてもちょっかい出してくるのよぉ。だからそこまでするんだったら天界何かどうでもいいってことで二人で飛び出してきたのよ。それで住みやすそうな所に移り住んで何年かしたらあなたを身籠ったの。でもあなたは天界の事情とは何も関係ないでしょ。だから何も伝えずにいたのよ。変に伝えちゃってあなたまでちょっかいかけられるのなんて耐えられないもの。まぁ、いつかは知られると思ってたけどね。」
「なるほど、そりぁ僕だってそうなったら同じようにするだろうな。それはそれでいいとして、何で死んだの?神なのに。」
「それはね、実は私達死んでないのよ。でもねそろそろ天界のやつらが私達の居場所に気づきそうだったのよ。だから死んだことにして隠れてたのよ。」
「え?でもここは教会で祈って来れたってことは天界でしょ?大丈夫なの?見つからないの?」
「ふっふ~ん。そ こ は、やっぱり創造神と全能神だから?あいつらに見付からないようにするのは造作もないのよ。でも流石に下界でねそれをするとすぐにバレちゃうから。天界でやったのよ。灯台もと暗しってやつね。」
「ふ~ん。まぁ、いいか。それで?両親がすごい神だから僕のステータスもすごいことになってるのか。」
「そうなの。まぁでもね?ステータスを普通にしようと思えば出来るんだけどね。やっぱりそこは親だから。心配なのよ。だから神スペックにしちゃった。テヘッ」
「テヘッって……。まぁ、自由に冒険出来るなら僕はいいけどね。」
「そうよ。その力は貴方のものなんだから貴方の好きにしなさい。貴方がその力で何をやろうとも、私達は口出しする権利はないのだから。でもね、これだけは守って。この力で何をしてもいいけど、これから出来るであろう仲間が不幸になるようにはしちゃダメ。分かった?」
「当たり前じゃん。そんなことするわけないよ。僕は仲間を守ったり、僕達に害を与える奴には容赦はしないつもりだよ。だから、安心して見守ってね。」
「フフフ。それを聞いて安心したわ。あっ、そろそろ時間ね。名残惜しいけどさよならだわ。また会いたかったら教会に来てね。」
「うん。ありがとう。」
パアア
気がつくと僕は教会に戻っていた。
ありがとうお母さん。僕、頑張るよ。
「よし、そうと決まれば早速クエストをクリアしてくるか。」
僕はすぐに冒険者組合に向かった。
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一方その頃、天界のとある場所では
「いやぁ~それにしても大人になったわね。お母さん安心したわ。………それで?もうでてきてもいいんじゃない?」
「そ、そうか?もういったか?」
「行ったわよ。もう、折角の久しぶりの再会なのに何で隠れてるのよ。またとないチャンスだったのに。」
「う、うるさいな。しょうがないだろ。久しぶり何だから。緊張するだろ。」
「そりゃあ、緊張したけど。あなたは緊張しすぎなのよ。全く何であなたみたいな人が創造神なのよ。天界大丈夫なの?」
「知らないよそんなの。たまたまでしょ?」
「たまたまで創造神になれるわけないでしょ。全くもう。」
「うるさい。その話は終わりだ。それで?レインはこれからどうなると思う?お前は全能神だろう?」
「う~ん。なんとも言えないわね。普通の人なら未来とか分かるけど。同じ神であるレインは分からないわ。でも分からないっていうドキドキからくる楽しみはあるわね。」
「相変わらずお前は楽観的だな。まぁ、そこがお前のいいところだが。」
「あら、素直に誉めてくれたの?珍しいわね。」
「う、うるせ。気にするな。まぁ、レインの今後が楽しみなのは俺も同じだ。だから、あいつが成長するのをここでゆっくり見守るとするか。」
「ええ、そうね。これからどうなるか楽しみだわ。」