御都合主義のくそったれ
異世界転生…そんなジャンルのアニメが一時期流行ったな…確か主人公がある日突然死に異世界に飛ばされ、そこで異性とキャッキャウフフしながら無双するという内容だった気がする (おまけに言語だって通じる)主人公自身特殊能力を持っていたり身体能力が向上していたり、年齢だってそのままの場合や生まれ変わったとしても先ほど述べたような内容あるいは生まれ変わる前の記憶持ちだ。
自称神の話が嘘でなければ俺はおそらく後者だ。
ただ、俺の場合 生まれて間もなくどこかの路地裏に捨てられた。
気がつけばドブ臭い路地裏の貧民街に捨てられていたその日は冷たい雨が降っていた。
容赦なく降り注ぐ雨、それを吸って重く冷たくなっていく赤ん坊の俺の体を包んでいる布。
ただ、力を振り絞って泣こうがジタバタと手足を動かそうが通る奴は素通りしていく。
その時、一人の男が立ち止まり俺のそばに寄ってきた。
次の瞬間体を走る凄まじい衝撃と痛み、宙に軽く浮く身体、はだける布…俺は蹴り飛ばされていた。
その後に響いた俺を蹴り飛ばした奴の笑い声。
そして吹っ飛んだ俺の着地点は硬い石畳
(大怪我どころか赤ん坊の身体なら死ぬ…!!)
ただ受け身も取れないもう、地面は目の前に迫っていた。
(くそっ…自称神のアホみたいなことに巻き込まれた挙句にこんなところで終わるのか……)
衝撃と頭から走る痛み何かが砕け潰れる感触
グシャッという音が聞こえたような気がした
そのまま俺の意識はまた闇に落ちた。
「あーあ。せっかく作った身体なのにこんなになっちゃった 砂糖が多すぎたのかな〜」
我はクビがひしゃげて頭から血を流している赤ん坊を見下ろした、赤子は我が転生させたモノだった。
でもこれならば、まだ修繕ができる。
我は赤子に手を伸ばした。
「贈り物は…そうだなぁ9割はやっぱりいらないか、これなら"いーじーもーど"になってしまうからね。
その代わりに、これを混ぜて…あと砂糖を減らして、そうだ記憶をだいたい引っこ抜いて残った分をある程度かき混ぜて……これを混ぜて…よし、出来た。あとは適当に捨てておくか。」
我は修繕が終わったモノを路地裏に置いておいた。
これなら自分で生きるか、誰かに拾われるくらいはできるだろう。
満足した我はその場から立ち去っていった。
修繕が終わった彼を放置したままで。
テンプレのテンプレ状態
そろそろフラグ回収の時期ですね。