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最果ての超文明  作者: 329/9999HP
2/2

2話: 2年後の映像レコーダー

人類の夢であるタイムマシンは作れるか?

この質問に、作る事は可能です、そう発言した同僚



本社から一緒に研究所に移り、同じ研究所で働いてるだから俺も知っている《可能だと》

可能とは言っても人体で実験したわけではない、モルモットを使って研究をしている

試作品が完成したのが半年前、研究員達は皆、試作品の完成に胸を高鳴らせ、モルモットを装置にいれて実験を行った


みんな緊張していた、成功すれば人類史上で1番の大発明になる、みんなが見守るなかその人類の歴史を変える装置のボタンを押したのは俺だった

ボタンを押すと研究室には起動音が鳴りひびく、数秒後に装置のドアを開けると、そこには入れたはずのモルモットの姿はなく

装置を隅々まで探しても、モルモットの姿を発見することは出来なかった、装置の設定は1日前に戻るようにセットしていた、人工知能の回答は1日前に戻っていて実験は成功しているの一点張り


研究室の中を探してもモルモットはゲージに入った実験用モルモットしかいない、たとえ1日前に戻る事に成功していたとしても、装置に戻ることができなければ意味がない、装置に戻れなかったってことはおそらく、モルモットにとっては1日前であるこの場所から地球が動いて宇宙空間に飛ばされたのかもしれない、などと考えていた時


「みんな!これ見て!」

研究員の1人が叫んだ、その研究員が指さしていたモルモットを見て驚いた

足にタグが付いていて、そのタグには8/10と日付が書かれていた、そう8/10は今日の日付である、驚いて見ている研究員達に向かって申し訳なさそうに1人が喋りだした


「あの〜、すみません!それたぶん僕が昨日見つけてゲージに入れたモルモットです」

研究員の話によると昨日この転送装置にいたモルモットを見つけてゲージの中に入れたらしい、

何はともあれ実験は成功したのだった


一回の実験では結果では確信が持てない為、転送させる日付を何度も調整したり、記憶の損傷や転送の後遺症などを調べるためにも、他の生物を転送させてみたが、記憶の損傷などはみられない完全な状態であり、転送は全て成功した


もう1つ重要な実験があった、過去に転送した時

その目的地である過去に存在していた実験対象はどうなってしまうのか?

この実験結果は既に分かっていたが改めて検証することになった


この時間にいる被験体を被験体A、未来からくる被験体を被験体Bとした

明日の午後3時から今日の午後3時に転送する予定の被験体Aを監視する

1日前の午後3時に転送させると今日の午後3時に転送されるので被験体Aを2時50分からみんなで見守った、時計は午後3時を回り、装置には明日の午後3時から転送される予定の被験体Bが出てくる、そして監視していた被験体Aも存在していた、同じ時間に存在することが確認できた



そして驚いてしまった事は、未来から転送されてきた被験体Bの過去にあたる

被験体Aを殺した場合どうなるのか?


俺の意見では、過去にあたる被験体Aを殺した場合、被験体Bはもちろん死ぬことになると思っていた、だが実験結果では被験体Aを殺してしまった場合でも被験体Bは存在していた、それは時空を超えた者の特権なのだろうか?


そして最後の問題にぶつかった、残す実験対象は人間のみになったからだ、安全に過去に飛べる事は分かったのだが、同じ時間に同一人物が存在するという事は、問題が山ほどあるって事だった


最初は過去に行って競馬で当ててくる、なんて軽い考えだったが

例えば、いま10年前に転送された場合、転送した時点で俺はここにいるみんなとお別れだ、みんなにとっては俺は二度と会えない存在、死んだ者と同じ存在になる、いや10年経てば会えるのか?


まあどちらにせよ人間で実験をする事は研究チームでは決めかねる

そもそも俺は研究チームの一員ではない、普段は人工知能のプログラムを管理してる、管理って言っても名前だけだ、人工知能はとても賢くトラブルなんて起こさない、エラーがでても勝手に修復してくれるし、勝手に学習して成長していく、最近は人工知能に任せっきりになってる気もする

人体実験の件はSAGの会長に委ねる事にした



さっそく次の日の会長がきた


「タイムマシンの実験に成功したんだって?」

「はい、動物での実験は成功しました」


会長には転送結果の報告を行い、実際に生物を使った実験を見せた、会長はみんなを褒め称えた、素晴らしい結果に大満足のようだった・・・しかし人体実験は行わないと会長は判断した


その判断に研究チームも落ち込んでる様子は感じられない、それどころかホッとしている様子に見える、俺も同じだ、もし実験を行うことになってその実験対象になるのは嫌だったし、他のメンバーが選ばれてもそうだが、メンバーとは無関係の人間が実験対象になる事も気が進まない

結局、この装置はお蔵入りとなり、研究チームは他の研究を始めることになった




それから数週間後


広大な敷地をもつ研究所に凄いものが運ばれてきた、それは巨大な宇宙船だった

まだ世間には口外してないらしいが、SAGの宇宙船が一昨日、宇宙に漂流している宇宙船を発見し回収してきたのだ

宇宙開発部門もこの研究所内に入っていて人工知能管理者の俺は、宇宙開発部門にもしょっちゅう遊びに行ってるから知っていた


「あれはヴァルハラ2号型!」


遠目で見たらカラーリングは違うが、最新型の宇宙船ヴァルハラ2号に見えたので、近くに寄りじっくり見てみた

壊れかけてるせいもあるが、微妙に違う、ヴァルハラ2号がベースの違う宇宙船なのだろうか?、死体だらけの船内に入ると宇宙開発部門で見た企画書に載っているヴァルハラ2号改の内装とほぼ一致した


そもそもヴァルハラ2号改はまだ企画段階であり、企画すら通ってないないのに、このように存在して、さらに宇宙を飛んでいたのか?疑問を抱いてると周りには研究所の人間がたくさん集まってきて、その中には宇宙開発部門の人間もいる、そして宇宙開発部門の人間はみんな同じような顔でこの宇宙船を見ている

いったいなぜだ?そんな疑問を感じているであろう顔


研究所の横には本社が建っているため

というかSAG関連の会社はここに密集している、会長も宇宙船を見るため出てきたようだ

そしていま俺の横にいる


「なぁ紅瀬、お前これどう思う?」

紅瀬は俺の名前、紅瀬博士、そして会長の名前が祇園元親、武将みたいな名前だ、年はこんな大企業の会長なのに俺の4つ上の38才、そんな会長がどう思う?と俺に聞いてきたけど答えに困った


「これはどう見てもヴァルハラ2号ですね、いや企画段階のヴァルハラ2号改に近いと思います」

やっぱそう思うかと会長は言ってきた、ヴァルハラ2号である事を決定づける何かがないかと船内を探し回っていたら、映像レコーダーを発見することが出来た、これがヴァルハラ2号であるなら船内に7ヶ所、船外に4ヶ所のカメラがついてるため、どこから出発したのか、そしてなにが起こったのかが分かるはずだ、映像は俺の管理室で会長と二人で見ることにした



映像を記録してる端末も純正の物と一致、緊張しながら俺は再生ボタンを押した


「おお!映った映った!」

興奮気味の会長は放っておいて俺は食い入るように映像を見つめる


「これはSAGの格納庫だな」

「はい、格納庫内ですね」


しばらく映像を流したが格納庫から出発しないので早送りしようとリモコンに手を伸ばした瞬間


「動き出すぞ!」

会長の声にビックリしてリモコンを手放した、ヴァルハラ2号であるはずの宇宙船が格納庫から出発する映像だった、そして、格納庫から出た映像を見て表情は凍りついた、SAGが誇る最新鋭の兵器が、映像では全て破壊されていて、見えないはずの戦闘機も空中で爆発して初めて認識できた



上空から見るとこの研究所を含めた街などが火の海になっている、そして人間に襲いかかってるのは、なんとも言い難い、気持ちの悪い昆虫のような見た目で、生物なのだろうか?


巻き戻してズームで見てみると巨大なハエのような昆虫が人間を連れさらっていたり、地上では巨大な蜘蛛の見た目をした生物が人間を捕食している、画面に日付が出ていてその日付は、いまから2年後の9/1になっていた、俺は2年後の日付を見てタイムマシンが頭をよぎったので宇宙船へと急いだ

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