当日
遂に処刑される日が来た。
私は引きずられるようにして広場に連れられた。
ヒュッ
ガツッ
パタタッと石畳に赤い斑点が付く。石を投げつけられたのだ。
しかし、もう今更気にならない。私はこの国を呪えればそれで良い。
「~~っ!」
ヒュッ
ガツッ
誰かが叫ぶ度、石が飛んで来る。くすんだ茶色の貫頭衣も広場に着く頃には赤い斑ら模様になっていた。
そう言えば、友人達はどうなったのだろう…死ぬ前に聞いておきたいな…
そうして遂に広場に着いた。其処には既に首を失い、前に倒れその場に赤い水溜りを作った妹、弟、母様、そして父様があった。
そして私もその横に座らされた。
処刑間際に殿下とマイ様が近づいてきた。
「遂に納め時が来たな、レイ」
「殿下…」
私は殿下を見上げた。
すると突然、マイ様は
「グリューン様、少しレイ様に仕返ししても宜しいですか?」
と言い出した。
何だろうか?嫌な予感が脳裏をよぎる。
マイ様は私の耳元に歪な笑みのまま、その口を近づけこう言った。
「今迄お疲れ様。貴女のお陰で私はハッピーエンドよ。安心して死んで頂戴。あ、後貴女の御学友さん達はね、煩いからこっそり前日に罪をでっち上げて殺しちゃった。あはっ♪」
……なっ!?こいつ!?
「貴様ああぁぁぁっ!?」
「きゃあっ!殿下、早くして下さい!遂に気が狂ってしまったようです!」
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!
絶対に殺してやる!
此奴らも!この国の国民共も!みんなみんな殺してやる!
「この国全ての愚民共よ!そして愚かな施政者共もだ!心して聴け!!いつの日か私は、この恨みを晴らすために、お前らを皆殺しにする為に来てやる!覚えておけ!そして覚悟しろ!貴様ら勢員の喉笛をいつの日か掻っ切ってやる!!絶対にだ!!」
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この日、元王妃継承者レイ・アンテイクがそのアンテイク家の者と共に斬首された。
彼女はその死の間際に恨みを込めた呪詛を吐いたと言う。
国民は噂した。
「この国は魔女に呪われた….」
と…
理不尽!とは言わないで….
並行して書くと結構精神が追い詰められるのです。