前日
基本短いです。
昨日、身に覚えの無い罪で裁かれ今私は1人冷たい地下牢の鎖に両手両脚を繋がれている。
ガチャガチャと鳴らしてみるもの看守は見向きもしない。
着ているのは擦り切れてあちこち穴が開いた汚い貫頭衣。
どうしてこうなったのだろう…
マイ・サクラギ様がこの世界に現れたのは三ヶ月前の事だった。
勇者召喚によって呼び出されたのでしたっけ…
彼女はとても気さくで細かい所まで気配りの出来る素晴らしい方でした。
しかし、彼女が来てから殿下をはじめとする学園の生徒会長、書記、会計などの生徒会、果てには我が国の騎士団まで機能しなくなりました。
私は何度も何度も殿下や国王様、騎士団長様に進言してきました。
それでも全て戯言と一蹴されてしまいましたけど…
そして1ヶ月前から生徒会の経費と予算の減りから始まり、騎士団の予算、更には国庫までもが帳簿と合わなくなってきました。
この事は報告するよりも減りが早く、我が家は一致団結し、家財から要らない土地までギリギリまで売払ったり、領地での税の国庫へ回す量を増やすなどして何とか持ち堪えてきました。
今はとても暇なので分かりましたが、その1ヶ月前は丁度パーティーが多く行われていたと聞いてます。
恐らくそれでしょう。そして主催者はマイ様でしょうね…
そうして今に至ると…
嗚呼、何と考えれば考える程に馬鹿らしい事か…何と愚かだった事か…
私は悪く無いのに…全てを投げ打って尽くしてきたのに…
私は思いました。
こんな国なんて滅んでしまえばいいのに
と…