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午後の授業は、龍族の歴史に纏わる勉強をしている。周りは必死に黒板を見て先生の話を聞いてペンを走らせる。

だが、僕は昔から沢山の本を読み続けていたために、出てくる題材全ての内容が頭の中に入っているためとても暇な時間だ。一応ノートにはズラッと内容は書いてはある、浅く息を吐いてペンを握りしめて疲れていた手をマッサージをしようとした時、背筋がゾクッとした。突然の事に体はビックリして立ち上がってしまう。当然クラスメイトと先生は僕を見つめる。

「ヴリティア君、一体どうしたの?」

プリエールは僕に続くように立ち上がり顔を覗かせる。

「何を言ってるの、早く席に座るよう」

「いや何かいるよ……ほら、あそこ!」

鳥ではない何かが太陽に四つの斑点を作った。それは徐々にこちらに近づいている。しかし、僕以外のクラスメイトは誰一人気づいてない。だが学校中に響く非常サイレンが鳴り響き危機的状況を察した。

「非常事態宣言発令。全員身勝手な行動は慎み最低三人一組で行動しろ。非常事態宣言発令、現在我が学校に4体の神が接近。次の命令があるまで待機しろ以上」

放送のお陰で僕以外のクラスメイトは全員。命を狙われる覚悟を悟った。

「みんな、黙っていろ。ヴリティア特に君は気配を殺せ」

先生の指示の通り窓から離れて全員で寄り添うように固まっていた。外では、グラウンドの砂煙が舞い、ガラスが割れそうな音が鳴る。しかし舞っていた砂煙はどこかに消えて、その中から現れたのは4階建ての学校とほぼ同じ教室の高さ。そして僕達の教室を覗く神が一体。兜を被ってるがその中から覗く目が僕と視線が交わった。その時に感じた力の差に体が突如震え上がる、純粋な恐怖が襲いかかる。

「ヴリティアしっかりしろまだあいつらは、何もしてない」

「違う、この神から凄い力を感じる」

神はずっと僕を視界に捉える。回りのクラスメイトには興味が無い様子、そしてその神がゆっくりと言葉を発した。

「神の力を得た龍よ……貴様に問うことがあるがある。今ここで龍から神へと生まれ変わり世界を統べるか、下等種族からの誹謗中傷を受け続けて、そのまま朽ち果てるかどちらを選ぶ……か」

その時に僕は思った。神の巨大な力と圧倒的な恐怖心に立ち向かう事は出来ないと、しかし折角手に入れた友達を見捨てる訳にはいかない。それに僕が龍族として生きれば、神の力を持つ僕は唯一の特殊個体として戦い続ける事も出来る。それがバハムート様の頼みでもある。

「僕は、神になるつもりなんて無い!僕は一生龍族として生きて行く!確かにこの体で僕は苦労をした。……でも周りを支えてくれる人達のお陰でこの体で龍として貫く!」

それは、ある意味神々への宣戦布告と似ている。怖い、僕の手を握っているクラスメイトの手が無ければ僕は潰れてしまいそうだった。

「そうか……ならば我々神々は全力を持って貴様含む龍への攻撃をより一層強化しよう。戦地で会おう」

神は僕をもう一度睨み光の速度で空へと飛翔していき気配も消えるのと同時に、恐怖の次に襲って来たのは、疲労感。そのまんま僕はふらつくと視界が一気に暗くなり床に倒れた。




フランス・モン・サン=ミシェル城 竜王の間

「いいの?お父様、あの子とんでも無いことを言っちゃったけど」

「いいさ、ヴリティアはヴリトラの息子だ。大した事では死にはしない、それに我の力も授けてある。あとは、ヴリティアの成長次第」

「それで、それを傍らで見守るために私があの学校に行くわけね」

「察しが早くて助かる。頼んだぞサジェス」

「もちろん、それに私あの子結構気になってたのよね、ロネスタといったかしら、あの金髪女。負ける訳に行かないわ」

サジェス・バハムート。竜王バハムートの一人娘は、父上の肩揉みをしながら会話をしていた。その中で、ヴリティアの護衛役として通っているミラノ学校へと通学することが決まった。

「ロネスタはコカトリスの伝承者か、あのクラスは有名な悪龍が多くて神殺しもはかどるだろう」

バハムートは、椅子から立ち上がり片手に持っていた赤ワインを一気に飲み干して今後の戦闘に胸を踊らした。

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