ブラックコーヒー
今日は彼女とデートに来ていた。
中学生なのにちょっと大人ぶって、
「喫茶店に行きたい!」
なんて言う彼女が、とても可愛い。
そんな彼女が僕は大好きだ。
喫茶店の中
秋「なに飲むの?」
僕は仲里秋高校一年生
ゆあ「ホットブラックコーヒー!」
また大人ぶった。
秋「すいませーん」
店員「はい。ご注文はなんでしょうか。」
秋「ホットブラックコーヒー2つ下さい。」
店員「えっと、、2つ……でよろしいのですか?」
秋「ええ、2つですよ?」
店員「失礼いたしました。ごゆっくりどうぞ。」
そう言って店員さんが去って行った。
あの不審そうな店員さんの目はなんだろう。
ゆあ「ねぇあっくん。」
あっくんとは僕のあだ名である。
秋「なに?ゆあ。」
ゆあ「好きって言って!」
出た。ゆあの甘え症である。
ゆあは何処でも好きといってほしいらしい。
秋「場所を考えてくれよ!」
ゆあ「えーいいじゃん!一回だけ!」
秋「もう…しょうがないなぁ。」
もうすでに他のお客さんは嫌な目をしている。
きっと、リア充死ね、とか思っているのだろう。
秋「す…好きだ。」
ゆあ「ちーがーう!ゆあ!好きだ‼︎って言ってほしいの!」
秋「恥ずかしいって!」
ゆあ「言ってくれないの?」
ゆあが上目遣いで頼み込んでくる。その仕草がとても可愛らしくてたまらなかった。
秋「ゆあ…好きだよ。」
ゆあ「きゃぁぁ言ってくれた〜私もあっくん大好き!」
秋「もう、そんなに大きな声出したら他の人の迷惑になるよ。」
ゆあ「ごめんなさい…」
そう言って、ゆあがしょんぼりする。
その仕草も可愛い。
店員「お待たせしました。ブラックコーヒーのホット2つです。」
秋「あ、どうも。」
店員「ごゆっくりどうぞ。」
店員さんが去って行ったあと、ゆあがブラックコーヒーを苦そうに飲んでいた。
ゆあ「うっ…」
秋「苦いか?」
ゆあ「苦くなんかないもん!ちょっと熱かっただけ…」
また強がった。
秋「そうか。無理すんなよ。」
ゆあ「無理なんかしてないもん!」
僕もブラックコーヒーを口に含む。
ブラックコーヒーを飲みほして軽い雑談をしてから、会計のところまで行った。
店員「860円になります。」
僕は900円を出して40円のお釣りをもらった後、店を出て行った。
1つのコーヒーを残したまま……
喫茶店の中
店員A「さっきの見た?」
店員B「見た見た!凄かったね〜」
店員A「ああいう人って本当にいるんだね〜」
店長「はいはい。雑談は良いから、早くコーヒー片付けなさい。」
店員B「ですが…」
店長「このコーヒーは後で後で私が捨てとくから。」
店員B「分かりました…」
僕は喫茶店を出て違う場所に出かけていた。
脳内彼女を連れながら