能力判明!!俺に必要なのか!?
霊夢「言い忘れてたわね
私は博霊 霊夢
此処、博霊神社の巫女兼神主よ」
拓哉「軌道……………拓哉」
お互いに自己紹介をする
と言っても片方はショックで四つん這いになっているが
拓哉本人的には
幻想郷ってただの地名程度にしか思ってなかったのである
霊夢「そういえば、あんたが今背負ってるそれ
どうしたのよ」
それとは、ルーミアの事である
拓哉の大声でも起きる気配がない
拓哉「………いきなり食われそうになったから石投げたらデコに当たって気絶した」
霊夢「…………ルーミアに石を投げただけで気絶したの?」
疑問に思う霊夢
それはそうであろう
普通の人間では妖怪どころか妖精ですら勝てないのだから
霊夢「あなたもしかしたら、能力持ちなんじゃない?」
拓哉「………能力?」
霊夢「えぇ
この世界の一部の者達は、何かしらの特殊な能力が使えるのよ
例えば私なら『空を飛ぶ程度の能力』
とかそんな感じのものよ」
拓哉「ふ~ん
他にはいないのか?」
割と元に戻ってきた拓哉が聞き返す
霊夢「そうね………知り合いに能力持ちがいるんだけど…………本人がいないと説明が難しいから止めておくわ」
拓哉「そうか
そういえばさっき、俺に能力があるかも
って言ってたよな?
それは見ただけで解るものなのか?」
霊夢「見ただけで解るなら苦労はしないわよ」
拓哉「ごもっともで………」
霊夢「まぁ、能力持ちであろうが無かろうが
帰るんなら意味ないけどね
あなた、帰るでしょ?」
拓哉「いや、しばらくは帰らない
此処にはある人を探しに来たんだ」
拓哉「ある人?
探しにきたって事は、もしかして誰かに此処に連れてこられたの?」
拓哉の人捜し発言である程度予測する
まぁ、正解なんだけど
拓哉「あぁ、紫の服に長い金髪の人にな」
霊夢「…………あいつめ
今度会ったらお札貼り付けて神木に神社のしめ縄でくくりつけてやろうかしら」
拓哉「…………?」
どうやら霊夢は紫に対する怒りが沸点を越えたみたいだ
まぁ、面倒な仕事を増やされたから当たり前か
霊夢「…………とりあえず、まだ帰らないのよね?」
拓哉「あぁ、そのつもりだ」
霊夢「じゃあ、私の所で修行してみる?」
拓哉「いいのか?」
霊夢「面倒くさいけど、紫がこっちに引き寄せたって事は、何かしらの能力があるって事よ
変に異変を出されちゃあ困るからね」
拓哉「………否定できない」
霊夢「………けど、能力が解らないと修行も出来ないから
とりあえず―――」
霊夢がそこまで言った辺りでスキマが開き
中から手紙が―――
霊夢「霊符[夢双封印]!!」
スキマが閉じきる前にスペカを全力で突っ込みやがった………
拓哉「えーっと…………」
拓哉が手紙の内容を読み上げる
『その子の力は[付与する程度の能力]よ
簡単に言うと、何かしらの物に火や水なんかを付け足す事が出来るの
頭の中をスキマで覗いて解った事よ★
いつもニコニコ貴方達の側に寄り添う賢者
八雲 紫17歳からでした★』
霊夢「………………………(゜ω゜#)」
拓哉「付与する程度の能力……………か」
物凄い怒りオーラまき散らしてる霊夢を無視して
一人思案する拓哉
拓哉「なぁ、博霊」
霊夢「……………霊夢でいいわ
名字で呼ばれるのあんまり好きじゃないし」
怒り顔から一転
普通の表情に戻す霊夢
どうやら一旦紫の事は置いておく様である
霊夢「それじゃ、この幻想郷で生きるためにまず、知ってほしい事があるの」
拓哉「何だ?」
霊夢「スペルカードルールと弾幕ごっこ
それに何より、この幻想郷についての事ね
まず、何から聞きたい?」
拓哉「そうだなぁ………幻想郷について」
少し悩み、とりあえず幻想郷の事を聞くことにした拓哉
霊夢「解った……………」
そうして霊夢はポツポツと語り出す
霊夢「幻想郷っていうのは忘れられたものが集う場所」
拓哉「忘れられた?」
霊夢「えぇ
外の世界で使えなくなって不必要と言われて捨てられた物
科学が発展し、存在を否定された者………魔女や妖怪みたいなね
後は存在自体を忘れられた者
住んでいる種族の大体はこれで形成されてるわ
そこから昔の博霊の巫女が強力かつ巨大な結界を張って幻想郷の基盤になる土地と外を区切る
そして妖怪の賢者、八雲 紫が自身の力で外と幻想郷の境界を歪めたの
一部を無縁塚と繋げてね」
拓哉「無縁塚?」
聞き慣れない単語に首を傾げる拓哉
霊夢「無縁塚って言うのは外で忘れられた物が流れてくる所
まぁ、大抵は幻想郷じゃあ必要ないものだから
とまぁ話はずれたけど
掻い摘んだけど幻想郷はそういう所よ」
拓哉「そんな凄い所だったんだな」
霊夢「あまり、気にしてもしょうがない事だけど
それじゃあ次は弾幕ごっことスペルカードルールについての説明ね」
拓哉「具体的にはどういうものなんだ?」
霊夢「人間が妖怪に対する幻想郷でただ一つの方法
弾幕ごっこは弾幕とスペルカードを使って人間と妖怪が戦う方法の事を指すのよ
で、その弾幕っていうのが―――」
語りながら針やお札を持った右手を近くの木に向かって振り下ろす
すると針やお札はその木に吸い込まれるかのように木に当たり
その木は少し抉れていた
霊夢「とまぁ、私の場合は霊力を針やお札に込めて投げているけど
大抵の奴らは、妖力や魔力を球状にして戦っているわ
で、これを弾幕というの」
拓哉「スペルカードって言うのは?」
霊夢「弾幕ごっこで使う………まぁ、必殺技みたいなものね
本来はこれに回数制限を付けて戦うの
そして、使うときは必ずスペル宣言をしないといけない」
拓哉「…………なるほど」
難しい顔をしながら頷いている拓哉
霊夢「で、大体は能力に関係したスペルなのよ
偶に例外がいるけど」
拓哉「どちらにせよ
能力を覚えないと駄目なんだな」
霊夢「そういう事よ
じゃあ早速訓練開始ね
そいつが石を投げただけで倒れたという事は、能力自体は既に目覚めてるみたいね
しばらく特訓すればその内能力開花しそうね」
拓哉「因みに………どれくらいの期間?」
霊夢「5日もあれば十分でしょ
じゃあ早速始めるわよ」
この時、拓哉はこう思った
『父さん、母さん、俺は姉さんを捜すために人外になるみたいです
姉さんが好き好んで此処にいるなら、多分永住します
もう二度と会うことは適わないでしょう
それでは
……………あっ、バイトの店長にバイト止めること伝え忘れた…………』
輝道拓哉 キドウタクヤ 男
[多属性の戦士]
正義感が強く姉の能力で起きた事件を解決して回ってる
何故か年上によく恋愛感情をもたれてしまう
[付与する程度の能力]
触れている物に炎や水といった物をつける事ができる
物体であれば何でもいい
ただし、水や空気などの物質には効果はない
次話で既に拓哉がスペルカード持ってますが
まぁ、気にしないで下さい
ではまた