水上のイナバウアー
素晴らしいイラストを描いて下さった絵師に無上の感謝を。
湖水が満ち足りた盆地での光景。
周りを森に囲まれているせいか波風1つ立たない湖がある。
その磨き上げられた鏡と形容してもおかしくないほど静謐な鏡面に映るのは天に広がる黄昏と雲だった。
そしてその湖畔の中央に降り立つ1つの影。
己の身長ほどある巨大な漆黒の翼を背に生やす少女。
右手に奇怪な団扇を逆手に持つ少女は背筋を弓なりに逸らし、赤く光った瞳を彼方へ向けている。
黒光りする短髪の上に頭巾を乗せ、ノースリーブの上にミニスカートと軽装な服装をしている少女。
季節は初夏といえどもまだ肌寒い。
しかもこの少女は地上よりも風吹く空からやってきた。
寒くはないのだろうかと一瞬考えたが、すぐに打ち消す。
翼を生やした少女がいるという時点で常識などすでに壊れている。
だからそんな理論的に考えず、ただ目の前の光景を楽しもう。
ググっと少女はさらに背を逸らす。
それが自然に行われていることから、少女は関節など無いのかと考え、そしてまた理論に囚われていることに気付いて苦笑する私。
ツン。
少女の高度が少し下がったことによって鏡に波紋が出来る。
ピンク色の天狗下駄によって作られたその波紋は等速度を保ったまま周囲に波及していった。
所要時間16分
引用URL
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=34576377
題名:絵師
射命丸文 MadYY




