湖畔の上で
森の中。
生い茂る木々を潜り抜けた先にある湖畔には妖精が住んでいるという。
ただ、そこに辿り着くには相応の労力が必要で、まず目印が無く場所も森の最奥。
自殺志願者か、それとも酔狂者でない限り辿り着けないだろうとされている場所にある。
本当に困難な道だが、それに見合っただけの価値がある。
葉と葉の間から垣間見える景色はまさしく幻想卿。
様々な妖精が舞い上がる中、私が目を引いたのはある緑色の妖精である。
若葉色の髪を黄色いリボンでポニーテールに纏め、瞳はサファイアブルーの輝きを放っている。
十代前後と思わせる容姿に可愛い羽を背に生やしている姿形はまるでお遊戯中の子供の様であった。
緑の妖精は羽を器用に動かし、底が見えない湖の上に立っている。
ワンピースが濡れないよう、その細い両腕でスカートの裾を掴み、白く綺麗な素足で水面に波紋を作っている。
私が見る限り、緑の妖精は波紋を創ることで遊んでいるようだ。
何とも純粋な遊びだろう。
ガサリ
「っ!」
いけないいけない。
どうやら呆けていたようだ。
正体がばれそうになった私は冷や汗を垂らす。
幸いなことに緑の少女は音のした方を振り返るだけで、私の姿に勘付いていないらしい。
潮時か。
私はそう判断する。
良い景色を拝めたのだ。
これ以上長いする理由はないだろう。
私はそう自身を納得させ、後ろ髪を惹かれる思いに駆られながらもこの場を後にした。
素晴らしいイラストを参考にさせて頂いた絵師に無上の感謝を。
引用URLhttp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=34272295
題名:絵師
✌( ´・ー・`)✌ 伊吹のつ




