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水底の姫君
水面の底でたゆたう者。
浮力のせいか周りの植物は上方面へとなびき、たゆたう者の髪も水中へと浮いていた。
たゆたう者はいったい何者なのだろう。
ブロンドの髪や金色の瞳、尖った耳に白磁の肌などエルフを彷彿させる容貌なのだが、いかんせん着ている服が地味過ぎる。
茶色のどてら服に紺のスカート、仕上げに白いマフラーといったファッションは彼女の様な女性がするものでない。
もう少々綺麗な服を身に纏えば良いのにと、非常に勿体無い。
だが、それが良い。
明らかに似合わない服装であるからこそ彼女の容貌は際立ち、他とは違う独特の個性を醸し出している。
言うなれば、彼女は台無しになるリスクを背負い、そして勝った。
だから彼女は他の美人と一線を画する存在になることが出来たのだ。
……まあ、これはあくまで私の感想。
渦中の人物である彼女はそんな計算などせず、ただ着たい服を着ただけなのだろう。
これ以上の議論は無用。
そう判断した私は何も言わず、この場を立ち去った。
引用URL
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=33933708
題名:絵師
無題 商鴞




