都市伝説
ある都市伝説が話題になっている。
滅びた村の外れにある、森に囲まれた神社に賽銭を持って行くと巫女の幽霊が出迎えるという話である。
私のその話に興味を持った友人が興味を惹かれて試したそうだ。
友人の話によると、雑草が生い茂った石畳の先にある、蔦に覆われた鳥居を潜り抜けた先にはボロボロに朽ち果てた神社が待ち構えている。
石柱はひび割れて障子は見る影もない、屋根には植物が繁茂し、皮肉にもそれが雨漏りを防いでいた。
友人は腐りきった階段に注意しながら登り、奉納と銘打たれた賽銭箱に幾ばくかの小銭を放り込むと同時に後ろから。
「ありがとう」
と、涼やかな声音が響いてきたそうだ。
あの都市伝説は本当だった。
友人は背中に冷たいものが走るが、振り返って問題の巫女を認めた瞬間様々な感情が吹っ飛んだという。
朽ち果てた神社に似合わない小奇麗な格好の巫女少女。
頭に真紅のリボンを巻き、袖口が無い奇抜な巫女装束に身を包んでいる。
両手には箒と一見すれば境内を掃除中と見て取れるが、箒の先――足が向こうの景色を薄く映していた。
つまり幽霊なのだが、友人はそんなことなど些細なことだと言う。
全てを受け入れる。
百の言葉より勝る幽霊巫女のその笑顔に、友人は長い日常生活によって忘れ去った何かを思い出したと語る。
友人は幽霊巫女に言葉を掛けようとしたが瞬きした瞬間、まるで何事も無かったかのように綺麗さっぱり消え去っていたという。
友人曰く、もう一度その幽霊巫女に会うという。
しかし、それは危険である。
何せその都市伝説は続きがあり、一度目はともかく二度会いに行った者は神隠しに遭うとされている。
私は友人を止めたが、彼は聞く耳を持たない。
そしてある日を境に私は友人を一人失った。
引用URL
http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im2361289
題名:絵師
博麗神社へようこそ まさ