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秋
秋。
それは恵の季節。
春に芽を出した稲は厳しい夏を越えて育つ。
全てはこの秋で立派に頭を下げるために。
黄金色の粒が咲き誇る稲田に二柱の神がいた。
夕日を背に、稲穂色の髪を掻き上げているのは終焉の象徴の神。
紅葉を模したヘアピンに赤いワンピースと飾り付けはシンプルなのだが、この神の本質を鑑みれば頷くことが出来るだろう。
滅ぶ瞬間の美しさ。
眼差しは優しく、口元も微笑を浮かべているけど、その表情はどこはかとなく寂しさを覚えた。
終焉の神と逆方向を向いているのは対の存在である豊穣の神。
こちらは凝った帽子に金色のブラウスにスカートと終焉の髪と比べると大分華やかである。
まあ、当然だと思う。
豊穣の神という本質からすると、色とりどりなのは当然であろう。
願わくば、豊穣の神の表情も拝みたいのだが、残念なことに神は夕日の方に顔を向けているため確認することが出来ない。
出来ないが、その背中からこの神も終焉の神と同じく喜んでいるのだと推測する。
何故なら、辺り一面に咲いた稲穂はどれも満開で、この年は豊作が間違いないのだから。
引用URL
http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im1549772
題名:絵師
一期一会 ryosios




