共通点
午前中。
うららかな陽光が全体を照らし、ほのかな甘さを感じる今日この頃。
神社に佇む桜の木の下。
そこで寄り添う二人の少女がいた。
紅白の巫女と白黒の魔法使いという共通点の欠片もない奇妙な装いだが、この情景は何人もの人を魅了する美しい代物だろう。
桜の花びらが絶えず舞い、空中に虚点を作らない。
白黒の可愛らしい魔法使いは紅白の巫女と同じ一点を見つめ続けている。
大きい三角帽子にウェーブ状の金髪。白いブラウスの上に黒いエプロンドレスと正真正銘魔法使いの服装をし、その表情にはまだあどけなさが残っている。
それが魔女でなく魔法使いと表現した由縁である。
少女が正統派魔法使いと表現するなら紅白の巫女は変則派巫女と言うべきだろう。
普通巫女装束というのは白衣と行燈袴という装いのはずなのだが、彼女の白衣はほぼ真っ赤であり、しかも脇から肘までなく、そして肘から手首までと衣装が飛んでいる。
黒く長い髪をリボンで纏めるなど、巫女として抑えるべき点は抑えているせいかちょっとした違和感しなない。
一体何故奇妙だと感じないのだろう。
魔法使いと巫女との間に接点はないものの、不思議と違和感がない。
と、ここまで考えていた私はある事実に思い当る。
そうだ。
双方共古から存在していたものだ。
しかし、時代の流れによって消え去っていった悲しい存在。
過去の代物という共通点があった。
そこまで考えた私は納得といった感情の他に、己自身もいつか忘れ去られるのかという悲しみに襲われた。
引用URL
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=9652931
題名:絵師
春 おにねこ




