締切
今日は調子が悪いようです。
「……」
この状況、大人しく座って待つべきだろうか。
原稿を取りにきた私は音を立てないようそっと腰を降ろす。
私がここを訪れた理由はいたって簡単、原稿がまだ届いていないから催促しにきただけ。
時間的にも完成かなと考えていたが甘く、修羅場真っ最中だった。
彼女の周囲や机の上、バックボードには付箋や写真といった元ネタが散らばっており、早急な掃除が必要だと感じる。
普段から食えない笑みを浮かべているのに、今回に限っては鬼のよう。
歯を食いしばり、頭をガシガシと掻きながら、原稿を食い入るように睨みつける様子には鬼気迫るものがあった。
椅子の上で胡坐をかいでいる様子からもう長いこと座ったままなのだろう、スカートが捲れて太ももが見えるのだが、私はそんなエロチズムを感じるほど神経が豪胆に出来ていない。
今、少しでも物音を立てたら彼女が持っているカエルペンを投げつけられる光景が容易に想像できた。
しかし、このまま何もしないのもなんである。
ゆえに私はお茶菓子でも出そうとそっと立ち上がる。
しかし、その瞬間持って来ていたカバンが倒れ、音が響き渡る。
「死ね!」
その叫びと共にペンが私に投げつけられた。
引用URL
http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im962337
題名:絵師
新聞編集中のあややや とら




