天真爛漫な少女
雪が降り積もった神社の境内。
その階段に一人の少女が腰掛けていた。
座っているとはいえ、地面まで届く程長い栗色の巻き毛の髪を大きな魔女帽子で留めている。
辺りに積もった雪景色から気温はとても低いが、その少女は暖かそうだ。
何故なら、ピンクのマフラーと茶色のひざ掛けを羽織り、何よりも湯気の立つ温かそうなココアをその小さな手で包んでいたから。
しかし、いくら寒さ対策を施そうとも今の時期に待つという行為は辛い。
にも関わらず笑みを浮かべているのは、少女の待ち人は必ず来るという確信があるからだろう。
手に持ったココアが湯気を立てている様子から淹れたのはつい先程。
つまりその少女は待ち人の家を訪れたが中に入らず、外で待つと言い張ったと考える。
ゆえに少女は待ち人からひざ掛けとココアを貰ったのだろう。
待ち人に手間をかけさせる何ともまあ元気な少女だが、同時に無邪気さも併せ持っているがゆえに憎めない。
少女がココアを冷まそうと息を吹きかける仕草。
大きな瞳をココアに固定させて一生懸命に見つめている様子は、少女を眺める者の気分を温かくさせた。
引用URL
http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im2602240
題名:絵師
冬ココア nabeyaki