最後の試練
今回は会話が多めです。
仙人へと繋がる道中のこと。
深き河を渡り、猛獣や昆虫の妨害を潜り抜け、険しき山の果ての雪原で一人の少女が佇んでいた。
黒光りするショートカットに頭襟を乗せ、その上から白いボンボンを垂らしている少女。
黒と白の天狗衣装に身を包んだその少女の背中から垂れ下がる漆黒の翼が存在感を放っていた。
「ここから先は立ち入り禁止です」
シャラン。
と、手に持った杖が真下へ突いたことで音を鳴らす。
見た目こそ十代後半から二十代前半とうら若き乙女だが、その超然とした態度と赤みを宿したその瞳から、まるで老境に達した武術の達人と相対している様な錯覚を起こさせる。
年長者の言うことは聞くもの。
それが道理だが、残念ながら私はここまで来て引き返すなんて真似は出来ない。
例え八百万の神が肯定しようとも、諦めることに私自身が納得できていなかった。
「立ち向かいますか」
私の決意を読み取ったのだろう。
少女はそう囁く。
「いいでしょう、お相手いたしましょう」
同時に少女の背に生えている翼が一羽ばたきする。
すると突然旋風が発生し、雪原一帯に積もっていた雪が舞い上がってその下にある大地が顔を見せた。
引用URL
http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im2308624
題名:絵師
天狗道に堕つ。 みどり




