1.コウホネ 「秘められた愛情」
短いので、良かったら読んでいって下さいm(_ _)m
あっ、ちなみに、プチプチ豆知識(笑)
コウホネは、「河骨」と書くそうです( ̄  ̄;)←
貴方の事が好きだと言ったら、君はどんな顔をしますか?
きっと想いを告げられないのは、自分の臆病さ故で。
それでも、確かに好きなのです。
それはそれは、とても深く。
……
…先生の声が流れていく。
私の頭の中では、授業の内容なんて入っていなくて、さっきから前の席で外を眺めている彼しか目にはいらない。
暖かい春の日差しが彼の頬を照らしていて、まっすぐ空を眺めている彼の横顔はとても綺麗で。
毎日彼の瞳に映るのなら、私は空で在りたい。
それでも、私は私で、後ろの席だというのにほとんど話しもしないし、視界にもいれて貰えない。
きっと彼からしたら私なんて空気の様な小さな存在。
そこにいるけど意識はされない、そんな存在、で。
頬杖をつきながら溜息をそっと零す。
後ろを向いて、笑いかけてくれたらどんなにいいことか。
……
「美春!」
不意に名前を呼ばれて反射的に肩が揺れた。
横を向けば友人が立っている。
「なに?」
そう問えば、もう昼だからご飯食べようと返ってきた。
…あぁ、もう昼になっていたのかと思いながら、私は席をたって、友人達が集っている机周辺へとかけた。
「授業疲れたね~」
友人の1人がそう言って、うーんと腕を伸ばす。
続いて、何人かの友達もそうだねーとか、全然分かんないーとかと言葉を続けていく。
それから、暫く雑談をしながらお弁当を食べていると、不意に彼の声が聞こえた。
「おい、森口」
ドクン、と心臓がはねた。
それは、私の名前
かれこれ半年、クラスメイトを続けているのだから、名前を覚えているのは当然だと思う。
それでも、飛び上がる程嬉しくて、鼓動が早まっていくのが自分でも分かった。
「な、何?」
平然を装って後ろを振り向けば彼がいて。
彼の視界の中心に自分がいるのだと思えば気持ちは高まって。
「古文の宿題やった?」
口、唇、声、見惚れてしまいそう。
「う、うん。」
「見してくんね?」
「別に…いいけど。」
そう言って、プリントを渡せば、笑顔。
破顔しそうになるのを我慢する為、柔く唇を噛む。
「さんきゅ」
そう言って向こうへ行ってしまう彼を少しだけ見て、また、私は友達と話し始めた。
友達とは平然を装いながら話したけれど、それでもやはり高揚する気持ちは抑えきれなくて、たまらなくて、さっきよりも高いテンションで喋っている自分がいる。
彼に少し声をかけられただけでこんなにも幸せになってしまう自分が、何故だか少しおかしくて。
どうして自分だったのだろう、とか、自惚れてみたり。
きっと彼は私がこんな事を思っている事などしらないだろう。
だから、また、いつもの呑気な笑顔で笑っていて。
そんな彼に心の中でそっと呟く。
「大好きだよ」
ここまで読んでいって下さり、ありがとうございました!
「空で在りたい」
のとこを最後にもってきて、
「やっぱり、彼が話しかけてくれるのだから、空ではなく、私で良かった」
的な事を書くかかくまいか悩んだのですが、何となく上手く文章で書けなかったので、結局この最後になりました。
もし良かったら感想など下さると嬉しいです><