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第6話 城塞都市

「サトリ、見てよあれ!すごいわ!」


「そうだね、すごいね。」


二人の前には高い城壁に囲まれ、所々に見張り塔がそびえる城塞(じょうさい)都市が広がっていた。


街道を南へ進んできたサトリとリーナは、ついにこの都市にたどり着いた。これまでいくつもの宿場町(しゅくばまち)を通り過ぎたが、二人は常に野宿(のじゅく)を選んだ。村育ちの彼らにとって野宿は苦ではなかったし、村の人々が持たせてくれた路銀(ろぎん)も節約したかったからだ。(さいわ)い、街道沿いは治安が良く、山賊(さんぞく)や“闇のモノ”の影もなく、順調に旅を続けてこられた。


「ねぇ、サトリ、ちょっとだけ寄ってみない?」


「ダメだよ、リーナ。街は危険だって村の大人たちが言ってただろ?」


「でも、せっかくここまで来たのよ?中を通り過ぎるだけでもいいから。」


サトリが返事をする前に、リーナは駆け出し、入門の許可を待つ人々の列に加わってしまった。


「はぁ…仕方ないなぁ。」


サトリはため息をつきながら、リーナの後を追った。


――しばらくして、二人の番が来た。待ちきれない様子で目を輝かせるリーナの横顔を見ながら、サトリは村長から渡された通行手形を門番に差し出した。門番は手形をじろじろと見つめ、それから二人を値踏(ねぶ)みするように(なが)めると、横柄(おうへい)な口調で言った。


「ここを通すわけにはいかんな。こんな村は聞いたことがないし、お前たちもまだ子供だろう?保護者は?大人しく帰るんだな。」


サトリはほっとしたようにリーナを振り返る。


「リーナ、やっぱり無理だよ。引き返そう。」


「いやよ!」


リーナは勢いよく言い放つと、門番と口論を始めてしまった。騒ぎを聞きつけた人々が「なんだなんだ」と集まり、周囲はざわつき始める。


サトリはげんなりしながら、事の成り行きを見守っていた。そのとき、人だかりの向こうから陽気な声が飛んできた。


「おーい、お前たち、何やってるんだ?」

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