表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/89

第40話 命の値段

「おいおい、サトリまで何を言ってるんだ? 親切にも(ほど)がある。」

(たし)かに俺はお前たちに『親切は商売になる』って教えた。しかし、親切は命あっての物種(ものだね)だぞ。命までかける必要はない!」


ローレンは必死の形相(ぎょうそう)で二人を(さと)した。そこにミセルが静かに割って入った。


「ローレン、お前の言うことは正しい。ただ半分までだ。命をかけてまでも守りたい、(つか)みたいものはこの世にごまんとある。私は主君(しゅくん)に命を(ささ)げた。そして部下たちは命をかけて私の退路を切り開いてくれた。いいかローレン、命は守るものではなく使うものだ。」


そして続けて「リーナ、サトリ、私も行こう。」と落ち着いた声で言った。


ローレンは動揺(どうよう)して「アモンはどうする? アモンも連れて行くのか?」と言った。


するとナギが「どういうご事情(じじょう)か分かりませんが、その御坊(おぼっ)ちゃんが町に入るのは危険です。この村の私の知り合いに(あず)かってもらいましょう。」


サトリ、リーナ、ミセルは同意した。しかし、当のアモンは「いやだ! リーナ姉ちゃんと行くんだ。」と駄々(だだ)をこねた。仲間の三人とナギがなだめる。その横でローレンは顔を(ゆが)めて考え込んでいた。しばらく考えを(めぐ)らせていたローレンは、不敵(ふてき)な笑みを浮かべて言った。


「俺は行商人だ。商売となれば命をかけてもいい。ナギさんとやら、俺の命をいくらで買う?」


ナギは、そのような成り行きになることを町を出た時に覚悟していたのだろう。躊躇(ちゅうちょ)せず返答した。


「この母の形見(かたみ)の指輪ではどうでしょうか……」


ナギは左手の指から指輪を引き抜き、ローレンに渡した。ローレンはしばらく値踏(ねぶ)みをした。そして、


「これはナギさんにとって、命よりも大事なものだろう。よし、売買成立だ!」と言い、にやりと笑った……。


次の日、町へと向かう一行にアモンの姿はなかった。代わりにナギが荷馬車に乗っていた……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ