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第2話 夢の中の声

「・・・サトリ、起きて、ねぇ起きて、サトリ、早く・・・」


(やわ)らかく幼い女の子の声が響く。サトリはふと目を覚ました。だが、これは現実ではない──夢の中で目覚めた、そんな感覚がはっきりとあり、不思議な気持ちだった。


目を開けると、ベッドの横に白いドレスとティアラを身につけた妖精のような少女が立っていた。


「何?君は誰なの?」


「私はニンフ。あなたにお願いがあるの。今すぐノーマンズランドに来て。私を助けて!」


「どうしたの?ノーマンズランドって何?何があったの?」


ニンフと名乗る少女は、突然ビクッと身を(ふる)わせた。


「いけない!グラトスに気づかれた。もう話せないわ。でもお願い、ノーマンズランドに急いで来て!」


切迫(せっぱく)した声がそこで途切れる。


サトリはしばらく呆然(ぼうぜん)としたが、次第(しだい)にまぶたが重くなり、再び深い眠りに落ちていった……。


---


(さわ)やかな朝が訪れた。小鳥たちのさえずりと、村の朝の喧噪(けんそう)が耳に届く。サトリはゆっくりと目を開けた。


昨晩見た夢が(みょう)に生々しく、頭の片隅(かたすみ)にこびりついている。その感覚を反芻(はんすう)していると、窓の外から明るい声が響いた。


「おはよう、サトリ!まだ寝てたの?お父さんもお母さんも、もう畑に行ったわよ!」


声の主は幼馴染のリーナだった。彼女は村の守護を(にな)っており、夜哨よしょうの帰りにこうして毎朝サトリを起こすのが習慣になっていた。


「おはよう、リーナ。もうそんな時間か……お父さんもお母さんも、なんで起こしてくれなかったんだろう。」


「知らないわよ、そんなこと。それより、早く支度して畑に行きなさい!」


「わかったよ、リーナ。すぐに支度する。」


小さいころから姉気取(きど)りのリーナには、サトリは頭が上がらない。バタバタと身支度を整え、父と母の丹精(たんせい)込めた畑へと向かった。

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