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第17話 大広場で

ローレンが妙案を思いついたその日から、三人は毛皮の件で忙しく街中を駆けずり回る毎日となった。毛皮を売るための段取りとして、まず臨時店舗の申請、その資材や人手の調達、前宣伝など、やることは山のようにあった。しかし、ローレンは有能だった。右も左もわからないサトリとリーナを上手く使い、知り合いの行商人たちの力も借りて、見事に準備を整えた。そして、ついに大広場に臨時店舗を開店したのは、あれから十日後のことだった。


---


「さあさあ、そこの紳士淑女の皆様、本日、ローレンが売りますのは、世にも貴重な魔法の毛皮。その名も――嘘を見破る毛皮です!」


ローレンは台の上に立ち、一枚の毛皮を高々と掲げながら、朗々とした声で口上を述べた。サトリとリーナはその横で控えている。台の下には、大量のただの売り物にならない毛皮が山積みにされており、手伝いを頼んだ宿の娘たちやローレンの知人たちがそれを囲んでいた。前宣伝が功を奏し、サトリとリーナの想像を超える数の客がすでに集まっていた。


「この毛皮、この世にたった一枚しかない代物!ここに控える二人の勇者が、ガロの試練を越え、かの有名な賢者ロトに授かったものだから驚きだ!」


聴衆の視線が一斉に二人に注がれた。熱のこもった視線に、二人は思わず肩をすくめる。すると、群衆の中からヤジが飛んだ。


「証拠がないぞー!」


ローレンはニヤリと笑い、


「では、まずは二人の話を聞いていただこう!」


と応えた。


サトリとリーナはできる限りの大声で、先日の冒険のあらましを語った。聴衆は興味津々で耳を傾け、人だかりはますます膨れ上がる。あらかじめ打ち合わせていたタイミングでローレンは二人の話を遮り、さらりと付け加えた。


「さて、もっと詳しい話を聞きたい皆さんは、あとで大通りの『赤レンガが目印のタンポポ亭』へいらっしゃい。二人はそこに泊まっておりますよ!」


世話になっている宿屋の宣伝を挟むのは、ローレンの老練な技術であった。


「おいおい、そんな話、信じられるか!」


さらにヤジが飛ぶ。


「ごもっとも!では、これを試してみよう!」


ローレンは天秤を取り出した。天秤は左に傾いている。


「左の皿には本物の銀貨、右の皿には偽の銀貨が乗っている。これをこうすると……はい、どちらがどちらかわからなくなる。」


彼は両手で硬貨を包み込み、カシャカシャと振って混ぜてしまった。


「では、そちらのお客様、どちらが本物か偽物か、当ててみてください。」


そう言いながら、嘘を見破る毛皮を渡し、二枚の硬貨を差し出した。半信半疑の客が毛皮を手に取り、慎重に硬貨を選ぶ。結果は――偽物だった。聴衆の間にどよめきが広がる。


次々と他の客十人に試させても、全員が偽物を引き当てた。サトリとリーナは、観客の熱気が高まるのをひしひしと感じていた。いつしか、大広場は人で埋め尽くされていた。


「そんなの手品じゃないのか!」


ひときわ大きなヤジが響く。しかし、ローレンは余裕綽々と笑い、


「では、お客様。私が嘘をついているかどうか、試してみてください。」


そう言って、その疑り深い客に嘘を見破る毛皮を渡した。客はキョトンとして毛皮を見つめる。


「何も起こらねぇぞ!」


「ほら、ご覧の通り!それが私が嘘をついていない証拠だ!」


ローレンの声が大広場に響き渡ると、観客たちは一斉に沸き立った。

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