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賢者、伝説になる
数年後――
「日本、医療大国へ!」
「“光の手”を教えた謎の男は誰だったのか!?」
「次世代医療:ヒール導入へ」
各地に「賢者式ヒール講座」が開設され、医者たちが魔法陣を描いて訓練している。俺は相変わらず地味に全国の医学部を回り、ヒールの唱え方を教えていた。
俺「はい、唱える時は『語尾を伸ばさず』、あと光のイメージをちゃんと持ってね~」
学生「先生、回復量が不安定です!」
俺「心をもっと癒しモードにして!怒ってると回復しないよ~」
――誰だ、こんな世界線望んだやつ。
それでも、確かに日本の医療は世界一になった。
輸出品目のトップが「ヒール教本」になったのはさすがに笑った。
最後に、ふと思う。
もし俺が――
ザオラル(※蘇生魔法)まで使える大賢者だったら……
日本、どうなってたんだろうね?
(完)