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ヒール講座、はじまる
というわけで、俺は「医学部の研究対象」として、ある国立大学のラボに保護(?)された。
教授「では、今一度……《ヒール》をお願いできますか?」
俺「は、はい……《ヒール》」
教授「おおぉぉぉ……細胞の再生速度が常識外ですな!!」
助手「MRI、出力上がりまーす!」
すっごい目キラキラしてるけど……俺、ただ《ヒール》唱えてるだけなのに。
教授「この技術……再現可能なら、日本の医療が変わるぞ!」
こうして俺は、大学→病院→シンポジウムと、なぜか全国を引っ張り回されることに。
どこ行っても、
患者「うそ……痛くない……!」
医者「すげぇ、手術いらないぞこれ!」
看護師「先生より頼れるんですけどこの人!」
俺「えーと、ヒールしかできない賢者ですけど、なんかすいません……」