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ハルカナ  作者: ゆる


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4/25

第四話 犯人だぁれだ

いつもご愛読ありがとうございます!ゆるです!

ハルカナ第四話投稿させて頂きました!

何で黙って恋愛小説書けないのかな?恋愛小説って決めて書き始めたんですけどね。

どうしてこうも伏線張りたがるんでしょう?

でも、この第四話…私が書いてて一番ドキドキしてました笑笑

今後の展開が楽しみですね(他人事)V


では、最後までお楽しみください。


目を覚ますとそこは教室だった。

日付は七月二日。時間は正午過ぎ。

四時間目 現代文の授業。

現代文教師の内村は、いつものつまらない自慢話を間に挟みながら授業を進めている。

「筆者は何を訴えたくてこの文章を書いたのか。ぶっちゃけさぁ、考えたって完璧には分からないんすよ。だって本人じゃねぇんもん。」

あれ?この授業、聞いた事ある気がする。

クラスメイト達がつまらない話に苦笑いで反応する。

悪気の無い引き笑いが不快に感じる。


キーンコーンカーンコーンッ


そうだ、この授業。

私が早退する前の…。


「では、号令お願いします。」

『起立〜礼〜ありがとうございました〜。』

と活気の無い挨拶だが、約三十名の声が重なる事で色々悪い点をかき消していた。

内村は何もツッコむことなく教室を去って行った。


私は夢を見ていたのか?

不気味な程リアルだ。鮮明に覚えている。

だって私は、橋から落ちたのだ。

何者かに落とされて…物凄く痛くて…苦しくて…。

「…うぅっ」

思い出すと私は吐気を催してしまった。

「ちょっと、大丈夫!?」

美希が心配して私の背中を擦る。

「あんたやっぱ調子悪いんでしょ?帰りなよ。」

この台詞、やっぱり一緒だ。

私はここで帰る事を決心したんだ。

そして、体調の悪そうな私を見て優も喧嘩を売ってこない。

「あ、大丈夫だからマジで。」

さっきと違う発言をしたら、同じ展開にはならないはず…

優は無言で私の腕を支えるように立たせた。

決して強引さはなく、痛くも無い。

些細な行動だが、その行為には優しさしか感じなかった。

「…辛いなら…手貸すよ。」

これじゃあ全く一緒だよ…。

「…ごめん、離して。」

「え、でも…」

「離してって言ってるでしょッ!」

優は驚いてそっと腕を離す。

優だけじゃなくクラスメイトが全員私を見ていた。

「美月、保健室行こ?付き合うから。」

「…ありがとう。」

私は美希に支えられながら鞄を抱え教室を出た。

「…美月ちゃん、どうしたんですか?」

桃が心配そうな眼で優に声をかける。

「…知るかよ。女って訳わかんねぇ。」

「…そんな言い方しなくても。」

桃は心配そうな表情で二人を追いかけた。

近くにいた竜生は優の肩に手を置いた。

「無理にとは言いませんが、好きなら伝えないと後悔しますよ。」

「…うるせぇよ。」

竜生の言葉に優は仏頂面で答えた。

一方、涼太は何も言わずに三人が教室を出ていく背中を見送っていた。


美希に連れられながら職員室に来た私は、富士見先生に体調が悪いので保健室に行きたいと伝えた。

富士見先生は終始心配そうに見つめていた。

それもそのはず、どんなに体調が悪くとも休む事は今まで一度もなかった私だ。

まったく、馬鹿は風邪を引かないとはよく言ったものだ。

あれ?このくだり…何か記憶が。

「美希、ありがとう。もうここで大丈夫、保健室までゆっくり行くから。」

「…大丈夫?」

美希に背中を向けたまま手を上げて階段を降りて行った。


さて、保健室とは言ったけど。

犯人は誰なのか確かめないと。


確か生徒玄関を出てバス停に行こうとすると、バスが発車してしまう。

「…同じ。」

深呼吸した私は、無言で道を歩き出す。

少し歩くと赤い橋が見えてくる。

この赤い橋には言い伝えがあり、両想いの男女が二人で歩くと結ばれる…っていうくだりを考えていたのは覚えている。

それで、お父さんとお母さんの事を思い出して…ゾッコンだったって話を思い出して…。

あ、そうだ、この後だ。

私は意を決して振り返る。


「ちょっと美月!何してんの!」

「…へ?」


そこにいたのは、息を切らした美希と桃であった。

ちょっと待って。何で二人が…。

「二人とも…何で?」

「何ではこっちの台詞だよ!保健室行くんじゃなかったの!?やっぱり気になって追い掛けたら美月が外にいるの見えたし!ほんと焦ったんだから!」

「…心配したんだよ?」

という事は本当にただ心配で二人は追って来たってこと?


「…とりあえず保健室行こうよ。」

「…うん。」

私は二人の言う通りに学校へと戻った。


三人が学校に戻る際、木の陰からこちらを見つめる者がいた。

この時の私は、まだ知らなかった。

物語はまだ始まったばかりということに…。



七月二日 時刻 午後二十一時

私は、七月二日の夜を無事に迎えた。

あれから学校や下校時に不振な人物を見掛けることはなく、美希と共に自宅へと帰った。

私の家で二人でお茶をして、十八時を過ぎた頃に美希は帰っていった。

母の手料理を食べ、食べ終わる頃に父が仕事から帰ってきた。

父のお土産のケーキを食べて、今に至る。

これと言って変わりのない一日だ。

だが、いつもと違う点が一つあった。

それは美希からの返信が無いのだ。

いつもなら数分で帰ってくるメッセージ、二十一時を過ぎた辺りでの突然の電話。

それが、今日は無い。

ふと、自分が橋から突き落とされた事を思い出す。

「…もう忘れなきゃ。あれは夢…夢。」

きっと内村の授業で悪い夢を見たんだ。

そう、そうに違いない。


すると、突然スマホから電話が鳴る。

画面には、【渡辺美希】と表示されている。

ホッとした私はすぐ様電話に出た。

「もぉ美希、心配したんだから。」

しかし、美希からの返事は無い。

「…美希?」

何度呼掛けても返事が無い。

「…ちょっと、どうしたの?」


ガサッガサッガサッ

…何の音だろう。

返事の代わりに何かを引きずる音が電話越しに聴こえる。

ブワァーンッブワァーンッ

…今度は何の音。

何かを動かしているのか、何処かで聞いた事のある音だった。


「…み……つ…き。」

「…え?美希?」

突然電話越しで私を呼ぶ声が微かに聞こえた。

「…た…て」

「…美希?よく聞こえないよ。」

「……て。」

もしかして、何かあって苦しんでるのでは。

「美希!!今どこ?苦しいの?」


カァーンッカァーンッ

今度は金属音のような音が響く。

「…た……け。」

グシャッグシャッグシャッグシャッ

聞いた事の無い音が電話越しに響き渡る。

「…美希?」


ツーッツーッツーッツーッ

電話は切れてしまった。

恐怖でどうにかなってしまいそうだった。

私はすぐに部屋を抜け出し、両親の元へと走った。

二人はリビングでお酒を飲みながらテレビを見ていた。

突然走って来る私に驚いた様子で、二人はこちらを見つめる。

「…どうした?」

父が心配そうに私に尋ねる。

私は、全ての事情を両親に話した。

「ちょっと美希ちゃんの自宅に電話掛けてみましょう。」

「美月、万が一美希ちゃんに何かあったらお父さんはすぐ警察に電話をする。だから美月は、まず気持ちを落ち着かせなさい。」

私は父の一言で深呼吸をして、少しだけ気持ちを落ち着かせた。

「あ、美希ちゃんママ?夜分遅くにごめんなさいね?美希ちゃん帰ってる?」

母の他所向けの声が遠くで聞こえてくる。

「…あ、そう?うん…うん…わかった。伝えとく。はーい、失礼します。」

母の電話が終わったようだ。

母は、深刻そうな表情でリビングへと戻ってきた。

「…美希ちゃん帰ってきてたんだけど、二十時位に美月に会いに行くって出て行ったそうなのよ。」

すると、父は携帯を片手に操作しながら外へと出て行った。

「ちょっと待って。そんなの知らない。」

「美月落ち着いて。今、美希ちゃん家も探してくれてる。お父さんも警察に電話してるから。」

私は、動揺を隠せなかった。

行方不明の美希、電話越しの謎の音。

思い出すだけでゾッとしてしまうあの音は一体…。

すると、父が外から戻って来た。

「警察に事情は話した。僕達も探しに行こう。」

私とお母さんは頷き、美希捜索のため外へと出た。



私達は、三人でまとまって美希を探し回った。

時折、母は美希母と連絡を取り合っていた。

「美希ー!美希ー!」

時刻は二十二時を回っていた。

だが、一向に美希は見つからなかった。

「…困ったわね。」

「美月、美希ちゃんが行きそうな所他にはないのか?」

「もうないよ…一通り見たもん…」

完全にお手上げ状態であったその時、母の携帯に美希母から連絡があった。

「もしもし?うん、うん。……良かったぁ。」

母の一言で美希の安否が確認された。

「良かったな。」

父は涙目の私の背中を擦ってくれた。

「美希ちゃん、公園に友達といたって。」

「こんな夜遅くに危ないね。」

「でも良かったわ。」

一気に疲れが襲ってきた私の耳には、父と母の会話は入ってこなかった。

父に支えられながら、私達は自宅へと帰った。


時刻 午後二十三時

部屋に戻った途端、スマホの着信音が鳴り響く。

画面には【渡辺美希】と表示されている。

私はすぐ電話に出た。

「…もしもし?」

「あ、美月ー?ごめんね、心配かけちゃって!」

私は、美希の声を聴いて緊張が解れた。

「もぉほんとだよー。何かあったかと思った。」

「ごめんごめん。」

「でも、あの音は何だったの?変な音がずっと鳴ってたけど。」

「音?ごめん、わかんない。」

しかし、美希が無事と分かった今、謎の音については忘れる事にした。

美希と少し話した後、私は眠りについた。


時刻 午前三時。

「…おしっこ。」

私は、尿意を催し、トイレへと向かった。

階段を降り、トイレに入り、用を足す。

寝ぼけてはいたが、スッキリとした気持ちになった。

出すものを出すと喉が渇いた私は、リビングの冷蔵庫へと向かった。

キンキンに冷えたお茶をコップに注ぎ喉を潤した。

その後、何事も無かったかのように部屋へと戻った。

ベッドへと戻った私だったが、違和感に気付く。

そう、部屋がやけに涼しかったのだ。

再び身体を起こし、部屋を見渡すと窓が開いていた。

「…んー。」

窓を開けた記憶は無かった。

寝ぼけてはいたが肌寒かった為、気にせず窓を閉めた。

ふと窓の外を見ると、街灯で道路が照らされている。

奥の方を見た時、電柱の陰に隠れて人が立っている事に気が付いた。

あまりよく見えないがこちらを向いているようにも見えた。

視力が悪いため机の上の眼鏡をかけて、再び窓の外を見た。

その人物はこちらを睨むように見つめていた。

「…美希?」

そう、その人物は美希によく似ていた。

私はそんな訳がないと思い、窓とカーテンを閉めた。


時刻 午前七時二十分。

カーテンの隙間から差し込む光で目が覚めた。

昨日は色々あったせいか、久しぶりによく眠れた気がする。

私は制服へと着替え、カーテンを開けた。

「…そういえば、変な夢見たなぁ。」

開けた記憶のない窓、窓の外の電柱の陰からこちらを睨む美希らしき人物。

「ま、昨日色々あったしね。」

私は、気にせずリビングへと降りた。


朝食を済ませ、私は学校へと登校した。

「おっはー!」

優に挨拶するも、「おはよ…」と素っ気なく返された。

「なんだあれ?」

「美月ちゃん、おはよう。」

背後から桃が声を掛けてきた。

「あ、桃おはよ。ねぇ優なんかあった?」

「え?えっと、それは多分美月ちゃんが原因かも…。」

「私?」

身に覚えが無い私は、優に聞いてみる事とした。

「ねぇ、私あんたに何かした?」

「はぁ!?」

優は「お前何言っちゃってんのー?」くらいな表情でこちらを見返した。

そして、諦めたように溜息を吐いて去って行った。

「…感じ悪っ!」

「あのぉ、美月ちゃん?」

再び背後から桃が声を掛けてきた。

詳細を聞くと、どうやら前日の早退時の事だったらしい。

「あぁあの時か…私もイライラしてたからなぁ。」

「女の子は色々あるもの、きっと優君も分かってくれますよ。」

短気なアニオタに女心なんて分かるもんかね。

私と桃は教室に着くと、各々の席へと向かった。

前の席を見ると、美希はまだ来ていないようだった。

「フンッ寝坊助は罪なり♪」


時刻 午前八時三十分


キーンコーンカーンコーンッ


予鈴と同時に富士見先生が教室へ入って来た。

しかし、今日の富士見先生はテンションが低かった。

何かあったのだろうか。

それよりも、美希はマジで寝坊か?


『起立ー!礼。おはようございます。』

「…はい、おはようございます。」

『着席。』


生徒が椅子に座ると、富士見先生は深刻な表情で話し出した。

「…皆さんに伝えなければいけないことがあります。」

クラスメイトは、その一言でザワザワし始める。

「先生!彼氏に振られたのー?」

どう見ても違うでしょ。

なんで男子って空気読めないのかな。

富士見先生は、空気の読めない男子生徒を無視して話を再開した。

「…残念なお知らせです。今朝、学校近くの公園で。美希さんが…。」

富士見先生は泣き出してしまった。

高校三年生にもなれば、大体の言葉に察しが付いてしまう。

「なんだよ、先生。ちゃんと言ってくれよ!」

動揺を隠せない優は、先生に問い詰めた。

「…美希さんが…遺体で発見されました。」


…なんで?

じゃあ、昨日の夜に私が話したのは…誰?



次回 ハルカナ

第五話 あなたは誰?

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