第二十二話 大好き。
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七月一日 午後十七時
若砂公園
「…少し前の話なのに、このベンチも懐かしく感じる。」
「…美月、天川君を探すんだよね?」
美希は心配そうにこちらを見つめる。
「見つけない事にはどうにもならないしね。結局天川君はどういう存在なのかも分からないままだし。」
「正直、それに関しては確証がない。前回の様子を見ると、影である可能性も高いだろうし。」
無言のまま地面を見つめていると、突然視界が白黒になった。
「…え?何?」
美希も同じ反応をしていた。
周囲を見渡すと全てが白黒になり、他の人の動きは止まっている。
すると、ブランコの漕ぐ音が聴こえ振り返ると、そこにはハルカとカナタがいた。
私と美希は、恐る恐る二人に近付いた。
「「オヒサシブリ!」」
「…久しぶり…何か用?」
尋ねると二人は空中でブランコから飛び降り、ゆっくりと地面に降り立った。
「…センセイノコトアリガト。モウウランデナイ。センセイ、ワルクナカッタ。ツラソウダッタ。」
「うん。でも成仏出来なかったの?」
二人は同時に頷いた。
「…ワルイノアマカワ。カレヲオモイダシタ。」
「ミタコトアルカオ。デモ、オモイダセナカッタ。」
「ナゼナラ、ワタシタチヲコロシタノハカレ。」
私は美希と顔を見合わせた。
「殺したってどういうこと?」
「彼はこの時代の人間のはずだけど。」
「アマカワオウセ。コノジダイノニンゲンジャナイ。」
「カレハコノセカイニニゲテキタ。カゲヲウミダシテイルノモカレ。ワタシタチ二ノロイヲカケテイルノモカレ。」
じゃあ、皆が天川君を敵と認識していたのはこの真実を知っていたからなのだろうか。
「…呪いってどんな呪いなの?」
「アマカワオウセガシナナイトジョウブツサセナイノロイ。ワタシタチヲリヨウシテ、ハルカナデンセツヲナガシタチョウホンニン。」
「…酷すぎる。」
本当の敵はずっと近くにいたんだ。
真実を隠して、私達を振り回して、多くの人を殺して。それに、この子達まで。
「サイゴノオネガイ。ハルカナデンセツ、オワラセテ。」
「…わかった。必ず終わらせるから。」
ハルカとカナタは微笑んで消えていった。
「…美希。皆はいつから知ってたの?」
「…それぞれ正確に何周しているのかにもよるけど、最近知ったんだと思う。皆も忘れていたけど、確かに彼はクラスメイトだった。でも天川君が語った過去の記憶は私にはないのよ。」
確かにその通りだ。天川君によれば、一周目私達はクラスメイトだったという話だ。
同情もしたし、助けてあげたいとも思った。
でも彼自身がこの世界を荒らしている。
そんな人にもう手は貸せない。
「…あの話が本当なら美希も天川君も皆を助けようとしたって。なんでこんな回りくどいやり方をしているの。」
「…認めたくないんじゃないかな。自分がハルカとカナタを殺した事実をさ。まあ時代を超えて逃亡するなんて話、そうは信じられないけど。でも私達なら信じられる、こんな事に巻き込まれているんだもん。」
私は深く頷いた。
「さて、あのクソ男を探しますか。さっさと美月を解放してあげたいし。」
「…解放ってそんな。」
「俺達だって同じ気持ちだ。」
公園の入口から武装した少年少女達がこちらへ向かって来る。
「…優。それに、皆までどうしたのその格好。」
優、桃、涼太、竜生が黒と緑の防具を装着している。夫々、手や腰に武器も備えていた。すると、美希も制服を脱ぎ出すと、皆と同じ武装を披露した。
「…美月。私達は全力で守る。そして、一緒に行こう。」
…美希。
「…俺は今でもお前の事。…あぁクソ。好きな女くらい守ってやらねぇと。俺何回も死んでるし。」
…優。
「…影からずっと見てたけど、お前はよくやってるよ。最後まで渡辺と一緒に闘ってくれ。俺らも全力で援護する。」
…涼太。
「…もう嫉妬なんてしないよ。私は私の力で美月ちゃんと向き合うつもりだから。それにまずは協力して元の世界に帰ろうよ。」
…桃。
「…影になった時は助かった。なんだかんだ助けてくれてるよな。あの時の仮は返す。」
…竜生。
私は一人一人の目を見つめていた。
みんな、ありがとう。大好き。
「…もう死なないよ。皆でハルカナ伝説を終わらせよ!そして、必ず七月七日に!」
私達の掛け声と共に世界は赤黒い闇に包まれ始めた。
そして、周囲や街のいたるところに影が出現した。
「…僕は僕の思う道を生きる。それを邪魔するなら、たとえ皆でも殺すッ!!!」
空から響き渡る低い声。天川君だ。
すると、赤い橋の辺りから光の階段が出現した。
「…最終決戦だ。全員皆殺しにしてやるッ!!!」
すると、優が高らかに笑い出す。
「最終決戦って、ゲームか何かかよ。元々てめぇが巻き込んだ世界じゃねぇか。」
優の発言に涼太、竜生も参戦する。
「プッ…確かに。あいつ何言ってんだ。偽物のクラスメイトを演じて、関係の無い人達を巻き込んで。取り返しがつかなくなったから殺そうとしてるだけだろ!」
「…片腹痛い。」
桃、美希、そして私も三人に続いて天川君へ大声で伝えた。
「…弱い心に付け込むのはもうやめてください!私達は皆がいる。大切な友達だから助け合えるの!」
「それが出来ない天川、あんたは孤独なんだよ。罪を償って、今からでも間に合うから。」
「…天川君。私、少しあなた事気になってたんだ。でも、それも今日でお終い。憧れるだけじゃ前には進めないから。自分の力で、皆と助け合って、私達は未来に進む。だから道を開けて!」
「望むところだあアァァァァァァァァッ!!!!!」
天川君の響く罵声と共に無数の影達も私達へと向かってきた。
優と涼太はありったけの塩を全員に配った。
そして、皆の防具は光り輝く。それは人工太陽光搭載の防具であった。
「…近付く前に殺す。」
涼太が短剣を持って先陣を切り、私達はそれに続いて走り出した。
ハルカ、カナタ。必ず終わらせるから。
天川君、待ってて。必ず助けてあげるから。
次回
第二十三話 最後の闘い




