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第19話 襲撃

 所属不明の艦艇百隻が横方向から接近してくる。

 戦艦ジャガーノートの艦橋は慌ただしくなった。


「敵味方識別信号! 感知できません!」


 ここは後方とはいえ戦闘宙域だ。

 識別信号は必ず出す。


 識別信号が出ていないということは……。


「識別信号を切ってやがるな!」


「何ででしょう?」


 俺のイラッとしたつぶやきに、副長が応じる。


「奇襲するためだろう」


「ぼっちゃん。どうしますか?」


 俺はすぐに指示を出す。


「通信員! 本営に連絡! 援軍を要請しろ! 平文でだせ!」


「えっ!? 暗号通信じゃなくですか!?」


「平文だ! 敵にわざと聞かせるんだ!」


「なるほど! 了解!」


 奇襲がバレた! 援軍が来る! と敵が知れば、敵が退却するかもしれない。

 俺はほのかな期待をかけたが、本営への通信後も敵の動きに変化はない。


 では、次の手を……。


 俺は副長に命令を出す。


「副長。輸送船五隻を全速で前線へ向かわせろ」


「えっ!? 後退では!?」


「いや、前線付近から援軍が来るはずだ。物資集積宙域まで後退させるより、前進して援軍と合流させた方が早い」


「なるほど! すぐに!」


「頼む」


 俺は航路に考えをめぐらせる。


 援軍が来る時間。

 俺たちが逃げる速度。

 敵の進撃速度。


 AIに予想をさせたが、俺たちジャガー男爵領補給船団が援軍に逃げ込むことは不可能だ。

 逃げる途中で捕捉撃滅されてしまう。


 それなら仕方ない。


「戦艦ジャガーノートは九十度回頭! 敵を迎え撃つ!」


 戦艦ジャガーノートが敵に舳先を向ける。

 輸送船が全速力で味方に向かって走り出し、ジェットノズルの光が闇に消えていった。

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