表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年シュペアの冒険譚 〜無自覚に最高峰を目指す〜  作者: 武天 しあん
ラジリエンとイスパーダ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/455

93. トレントの剣


襲撃があった翌日、イスパーダにお願いして、領主様に今回の簡単な経緯とイスパーダを護衛することになったことをギルドを通して連絡した。



部屋に戻って何もすることがないねって話をしていたらイスパーダに呼ばれた。


「君たちにSランクのウィルから緊急の伝言が届いているが、確認するか?」

「中隊長から?確認したい。」


「うん、分かった。紙に書いて届けさせよう。」

「ありがとう。」


「何か邸で困っていることはないか?要望でも何でもいい。」

「僕はいつも槍を使っていたけど、室内では槍は長くて使いにくかった。ナイフでの戦いを練習したい。だから、練習できる場所があったら貸してほしい。」


「君らは?何かあるか?」

「俺もそれは感じた。練習できるならしたいが、今から練習してすぐに身につくとは思えないから悩みどころだ。」

「そうだな。しかし、何もしないよりは、少しは体を動かしておきたい。」


「分かった。護衛騎士の演習場が邸の裏にあるから、そこを使うといい。」

「僕たちが使ってもいいの?」


「いいよ。俺が許可する。伝言もそこに届けよう。」

「うん。ありがとう。」


僕たちは執事の人に案内してもらって演習場に行った。




クンストの領主邸の横にあるミランの演習場くらいの大きさの場所で、大勢の騎士たちが戦いの練習をしていた。


僕たちに気づいて1人の騎士がこっちに走ってきた。


「昨日はイスパーダ様を守っていただきありがとうございました。

あなた方がイスパーダ様を迅速に避難させてくれたから、私たちは襲撃犯を追うことに全力を注げた。」

「いえ、イスパーダ様がご無事で良かったです。」


「王都への護衛も受けていただいたようで、ありがとうございます。

我々も同行しますので、後日少し打ち合わせの時間を取らせていただきたい。」

「はい。構いません。しかしいいのですか?俺たちが護衛に加わることに反対する方もいるのでは?」

「そっか、そうだよね。僕たちが騎士のみんなの仕事に入ってもいいの?」


「イスパーダ様の決定ですので。

イスパーダ様は、自分が狙われていると分かっていながら、あまり側に人を置きたがらない。そのイスパーダ様が頼んだのであれば、私たちは反対などしない。

それに、あなた方の実力は目の前で見ていますから。」


「そっか。それなら、よろしくお願いします。」

「「よろしくお願いします。」」


「こちらこそ、よろしくお願いします。

あ、自己紹介がまだでしたね。私はイスパーダ様の護衛騎士隊の隊長をしております、アセロと申します。」

「僕はシュペアです。」

「ルシカです。」

「ゲオーグです。」



「隊長さん、僕は普段は槍を使っているんだけど、昨日初めて室内で戦って、槍は長くて室内では上手く使えなかった。

だから、ナイフでの戦いを練習したいの。少し場所を貸してくれませんか?」

「あれ?君は魔術師じゃないの?あ、でも確かに店の中では槍を持っていたか。」


「えっと、魔術は少し使うけど、槍の方が得意です。」

「そうか。いいよ。場所は空いているところならどこを使ってもいいよ。」


「ありがとう。」

「ありがとうございます。」

「ありがとうございます。お借りします。」


僕たちは演習場の端に移動した。



「ナイフって、どうやって使うんだろう?

僕、練習するって言ったけど、戦い方を知らない。右手で持ったら、左手はどうすればいいんだろう?」

「俺もナイフでの戦い方は分からないなー」

「俺もナイフで戦ったことはない。」


「あ、でも護衛だから攻撃できなくても流したり受け止めたりできればいいんだよね?

ちょっとルシカ攻撃してみて。」

「分かった。」


グッ、ウ、難しい。

こんなに短いと、受ける場所も小さいし、手に近いからちょっと怖い。

相手の武器が長いと凄いハンデに思えて怖い。


ルシカに軽く攻撃をしてもらったけど、本気で来る相手を前にしたら、受け止められないと思った。

60センチのショートソードくらい長ければ、まだいけるかもしれない。でも持ってない。



どうしようか悩んでると、執事の人がこっちに歩いてきた。


「宿の荷物を回収して参りましたが、お部屋に運んでよろしいでしょうか。」

「はい。あ、1本だけここに持ってきてもらえますか?」

「畏まりました。お持ちします。」


トレントの棒は余ってる。それをショートソードくらいの長さに切れば。

トレントは硬いし軽いからいけるかもしれない。


執事の人が1本だけ持ってきてくれたから、それを受け取って、風の刃でカットした。



「シュペア、それは何に使うんだ?」

「トレントは硬いし軽いから、ショートソードの代わりに使えるかと思って。

ナイフは短すぎて受けるのが怖かったから。」


「俺の分も作ってくれないか?」

「俺も欲しい。ショートソードならナイフよりは使える。」

「うん分かった。」


僕は残った棒を半分に切って、2人に渡した。



「お、これはいいかもしれない。」

「相手を殺すことはできないが、防戦はできそうだな。」


僕たちは交代で、トレントの棒で模擬戦をした。


「次は身体強化ありでやってみる?」

「そうだな。」

「やってみよう。」


ルシカとゲオーグが打ち合っているのを見てて気づいた。トレント同士を打ち合うと、キンッと高い音がして、金属の剣を打ち合っているように聞こえる。

見た目は木の棒なのに面白い。


「だいぶ慣れてきたな。」

「あぁ、これなら戦えそうだ。」

「うん。」


閲覧ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ