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少年シュペアの冒険譚 〜無自覚に最高峰を目指す〜  作者: 武天 しあん
ラジリエンとイスパーダ

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90. イスパーダを守ろう


「君らは何者なんだ?本当に怪しいものではないのか?

イスパーダ様に取り入って、良からぬことを考えているのではないか?

冒険者?それはますます怪しいな。」


「お前ら、彼らは敵ではない。やめろ。」


ルシカとゲオーグが護衛の騎士たちに問い詰められているのを、イスパーダが止めてくれた。



「しかしイスパーダ様、騙されているのでは?」

「俺は騙されてない。シュペアは俺の友達だしな。」


「子供を使ってイスパーダ様を唆すとは、ますます信用ならん。」



ルシカとゲオーグが困ってる。


「ルシカ、ゲオーグ、あれ見せようよ。」

「そうだな。」


「俺らは、エトワーレ王国の騎士団に在籍する者です。今は長期研修という名目で修行の旅をしているんです。」


僕たちは騎士団の身分証を見せた。



「これは失礼した。君たちは身元のしっかりした方々だったのだな。」

「いえ、疑うのも仕事でしょうから、気にしないでください。」


「そう言ってもらえると助かる。この度はイスパーダ様を守っていただきありがとうございました。」



「なるほど。そうだったのか。エトワーレの騎士団と言えば、唯一のSランクのウィルがいるところではないか?」

「それは僕の上司です。」


「そっか〜

だからシュペアはそんなに強いんだね。俺もエトワーレに行ってみたいな〜

この国にいるとよく命狙われるし。今日は本当に油断してたから、もうダメかと思ったよ。」

「そうなんだ。そんなにいつも命狙われるんだ・・・。」


「子供の頃からずっとだから、もう慣れたよ。死ぬのはちょっと怖いけどね。

もうお店を出よう。君たち悪いけど邸まで一緒に来てくれる?」

「分かった。」



僕たちは料理とかお皿の破片が散らばった部屋を出て、お店から出た。


ガッ

グッ

キンキンキン

ガァッ



『襲撃だ!イスパーダ様を守れ!』


これは毒の針の攻撃だ。



「お邸は遠い?」

「いや、近い。」


「じゃあこのまま走ろう。」

「そうだな。」


「どっち?」

「右だ。」


僕は4人分の防御結界をかけたまま、イスパーダにも身体強化をかけて、イスパーダを連れて走り出した。

護衛の騎士のみんなの分まではかけられなくてごめんなさい。みんなはプロだから頑張って。


何人かの護衛の兵が僕たちを追ってきたけど、追いつけなくて、諦めて襲撃犯の追跡に移った。



少し走ると大きな邸があったけど、邸の門は閉まってて、門番の人が何人か立ってた。


「イスパーダ、あの邸で間違いない?」

「そう。あれ。」



「門番さん、イスパーダ様が襲撃に遭っています。門を開けてください。」

僕は声に魔力を纏わせて門番さんに届けた。


門番さんたちは驚いていたけど、イスパーダの姿を確認すると門を人が通れるくらい開けてくれた。


「このまま門を抜けて邸の中まで走るよ。」

「あぁ。」


僕たちがイスパーダを連れて門を抜けると、門番から連絡を受けたのか、護衛騎士が門に集まってきてた。


外が騒がしかったからか、執事の人が出てきて、イスパーダの姿を確認するとドアを開けてくれた。



「ふぅ、助かったよ。ありがとう。」


「イスパーダ様、何があったのですか?彼らは?護衛の騎士たちは?」

「あぁ、食事をしていたら襲撃にあった。騎士たちは来たが店を出る時にまた襲撃されたから彼らに守ってもらって俺だけ先に帰ってきた。」


「彼らは何者なんですか?邸に入れて大丈夫ですか?」

「彼らは3人ともエトワーレの騎士団に在籍する者だ。」


「エトワーレ?他国の騎士に守らせて戻ってこられたのですか?」

「あぁ、俺はこの子と友達だからな。それに、たぶんこの3人はうちの護衛騎士たちより強い。

ほら、俺は無傷だろ?

俺に向けて毒針が何本か飛んできたが、彼らが防いでくれた。

護衛騎士には何人か刺さった者がいたから、解毒剤の用意を頼む。」


「畏まりました。イスパーダ様、よくご無事でしたね。」

「あぁ。槍で刺されかけた時も防いでくれた。」


「そうでしたか。イスパーダ様を守っていただきありがとうございました。

彼らはサロンにご案内しますか?」

「いや、俺の部屋にする。」


「畏まりました。後でお茶をお持ちします。

お食事はどうされますか?」

「とりあえずお茶だけ頼む。」


「畏まりました。」

「俺に付いてきてくれ。」



僕たちはイスパーダの後に続いて階段を上がって奥の部屋に行った。


「どうぞ座って。」

「はい。」


僕たちがソファーに3人横並びで座ると、イスパーダは向かいに座った。



「今日は本当にありがとう。俺は2度も君たちに助けられた。」

「いえ。ご無事でよかったです。」


「シュペアが何かしてくれたんだろ?毒針は防ぐのが困難だと言われているんだ。」



僕はもう色々イスパーダにはバレてしまっているので、このことだけ隠しても仕方ないと思って話すことにした。


「僕とルシカとゲオーグとイスパーダに、防御結界をかけてたの。最初の襲撃の時からこの部屋に入るまで。」

「そうか。そんなことができるんだな。店を出て走る時、身体強化もかけてくれただろ?」


「うん。」

「だから走ろうって言ったんだな。」


「前にアスカルで、店を出る時に同じ攻撃を受けたことがあったから、結界をかけたまま外に出たの。

その時も身体強化をかけて宿まで走ったから、近くだったら邸の方が安全だと思って。」

「そうか。シュペアは咄嗟の判断能力も高いんだな。」


「まだ僕は勉強中です。」

「そうか。」



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