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少年シュペアの冒険譚 〜無自覚に最高峰を目指す〜  作者: 武天 しあん
ラジリエンとイスパーダ

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89. 襲撃


フルーツはすごく美味しかった。

どれも冷たく冷やされていて、一口で食べれる大きさにカットしてあった。


「ゲオーグ、冷たくて美味しいね。」

「あぁ、冷たくて美味しいな。

ルシカも食べてみろ。」

「あぁ。」


「イスパーダは食べないの?

あ、ごめんなさい。イスパーダ様は食べないんですか?」

「いいよいいよ〜そんな堅苦しい言葉使わなくて〜

俺のことも呼び捨てでいいし。様なんて他人みたいで寂しいじゃん。」


「うん。」




ガシャーン

ダダダダダダ



「え?何?」

「はぁ、たぶん俺への襲撃だと思う。油断した。君たちは今のうちに逃げて。」


僕たちは床に置いていた武器を取ってイスパーダの側に行った。

僕はフードを被ってみんなに防御結界をかけた。



「イスパーダ!悪く思うなよ。ははは。

かかれ!」


武装した人たちが部屋に雪崩れ込んできた。



「ゲオーグ、行くぞ。シュペアはイスパーダを守れ。」

「あぁ。」

「分かった。」


「ごめんね。君たちをこんなことに巻き込んで。俺を置いて逃げてくれてよかったのに。」

「僕たちが守るから大丈夫だよ。」



狭い部屋の中で、ルシカとゲオーグは戦いにくそうだけど、ちゃんと押し返してる。


1人、ルシカとゲオーグをすり抜けてきた。


「イスパーダ、その首もらった!」



ガキーン


僕が振るった槍で何とか剣は止められたけど、狭くて上手く振るえない・・・。


「怪我したくなかったらガキは退いてろ!」

「僕は退かない。」


イスパーダを壁際に立たせて、僕は前に出た。



「死んでも文句言うなよ!」


敵から悪感情が伝わってきて、すごく怖くなった。

敵の剣を流して、避けたらイスパーダに当たっちゃうから受け止めたけど、僕の力じゃ敵わない・・・。


ルシカとゲオーグをチラッと見たけど、複数の敵を相手にしていて余裕は無い。助けを呼ぶのは無理だ。




『イスパーダ様!』

「こっちだ!」


たぶんイスパーダを守る援軍が来たんだ。

あと少し耐えれば大丈夫。何としてでも耐えるんだ。


槍じゃ室内では上手く戦えない。

ナイフにすればよかった。

でも、槍を離してナイフを取り出す余裕がない。敵はそんなの待ってくれない。


僕は必死に槍で剣を受け続けた。

どんどん押し込まれていく。



魔術は使えないだろうか?

敵が近すぎる。

簡単な魔術なら。


僕は剣を受け流す隙に、風の魔術を放って敵を押し返した。

槍を使いながらは上手くできなくて、敵がちょっとよろめいたくらいだった。

でも、よろめいた隙に、槍を足に向かってグサって刺した。


ギャー



ブーツがあったから浅かったけど、それでも少しはダメージを与えられた。

僕はその敵に集中してたから、他の敵が横から突き出した槍に対応できなかった。


「危ない!」


咄嗟にイスパーダが僕と槍の間に入った。



ガキーン


ふぅ。結界張っててよかった。

イスパーダは槍で刺されたと思ったんだと思う。槍が弾かれて驚いてた。

僕は氷の矢をその敵の足と手に向けて放った。


ギャー



そして、目の前にいた敵にも、氷の矢を足と手に複数放った。

そして、ルシカとゲオーグの隙間から、ターゲット設定して氷の矢を敵の足や腕ににどんどん放っていった。


間も無く、イスパーダを助けに来た騎士が敵を薙ぎ倒して部屋にたどり着いた。



「イスパーダ様、ご無事ですか?」

「あぁ。その彼とその彼と、この子は敵ではない。俺を守ってくれた。

そこに倒れているのは敵だ。」


倒れた敵は回収されていった。



「シュペア、ありがとう。

そうか、凄腕の魔術師は君だったのか。そうか。」


「あ・・・。」


しまった。こんなにたくさんの人の前で、僕は・・・。もう言い逃れできない。せっかくルシカとゲオーグが守ってくれたのに。

逃げなきゃ。


逃げようと足を踏み出したら、イスパーダが後ろから僕を抱きしめた。



「大丈夫だ。君のことを取り込んだりはしないから。敵には見られたけど、みんな処刑になるから誰にもバレない。

こんなに可愛くて勇敢で強いと、俺の手元に置いておきたくなるが、それは望まないだろう。だから俺は君の友達ってことでいい?」

「うん。イスパーダ、ありがとう。

僕は守りたい人たちがいて、今は修行中なの。強くなって大人になったら、その人たちのところに行く。だからイスパーダのところには居られない。でも、ずっと友達だよ。」


「そっか。シュペアにそんな風に思ってもらえる人たちがいるのは羨ましいな。」



閲覧ありがとうございます。

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