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少年シュペアの冒険譚 〜無自覚に最高峰を目指す〜  作者: 武天 しあん
トルーキエからラジリエンへ

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82. 乗合馬車と護衛冒険者2/2


あ、ウルフかも。

「ルシカ、ゲオーグ、ウルフがいる。3匹だけど大丈夫かな?」

「ゴブリンであれほど手こずるようだと護衛の冒険者だけでは厳しいかもな。」

「御者が何とかするんじゃないか?」


僕はちょっとドキドキしながら、ウルフがこっちに向かってくるのを待った。



「ブルーウルフが来たぞ!」


ウルフが目視できる距離に来ると、御者さんが護衛の冒険者に告げた。


馬車は停まって、護衛の冒険者は馬車を降りて駆けていく。

今度は1人馬車の前にいるみたい。

あの人たち、1人1匹倒せるのかな?


僕は大人しく座ってたから、ウルフと冒険者の戦いは見えなかった。



「大丈夫かな?」

「彼らでは厳しいかもな。御者が手を出さないのを見ると、もうしばらくは大丈夫なんだろうけど、怪我はするかもしれない。自分の実力以上の依頼を受けるとこうなる。」

「そうだな。自分の実力をしっかり把握して、実力に合った依頼を受けないといけない。

命は1つしかないからな。」


「そうだよね。何となく、僕たちならどんな依頼を受けても大丈夫だって思い込んでた。

まだまだ僕は弱い。できないこともたくさんあるし。頑張らなくちゃ。」

「シュペアは偉いなー」

「あぁ。シュペアは偉い。」


なんてことないことでも、ルシカとゲオーグは僕のことを褒めてくれる。

仲間だから?僕は2人に出会えて本当に良かった。



長引く戦いに、お客さんもみんな不安そう。


「ダメだな。おいお前、馬車の乗客は死んでも守れよ?傷一つ付けたら許さんからな。」

「は、はい!」


御者さんが馬車を降りて、馬車の前にいた冒険者の人に怒鳴るように告げると、ウルフに向かって行った。


すぐに御者さんは戻ってきたけど、護衛の冒険者は戻ってこない。

きっと御者さんがサッと倒して、冒険者は魔獣を埋める穴を掘ってるんだろう。



しばらくすると、3人は血塗れで、1人は肩を借りないと歩けないくらいの怪我をしていた。

え・・・この人たち、街までちゃんと護衛できるの?


冒険者が乗ると、馬車は走り出した。



「お前ら、もう護衛できねえだろ?依頼は失敗だな。酷い有様だ。1ランク下からやり直せ。」


御者さんが言うと、冒険者のみんなは項垂れた。



「依頼失敗するとランクが下がるの?」

「失敗した理由によるな。今回みたいな、依頼主に迷惑をかけた上に、自分たちのせいで、途中で継続不能になったりするとランクは下げられる。」

「あぁ。下手すると2ランク下げられる場合もある。

罰という意味もあるが、実力と合ってないランクに置いておくと死ぬ危険が高くなるからな。冒険者を守るためでもある。」


「そうなんだ・・・。」


そっか。今回、御者さんがいなかったらあの人たち危なかったかもしれない。



その後、しばらくは何事もなく進んで、途中で1度休憩を挟んだ。

僕たちは買っておいた水筒の水を飲んで、席に座ったまま出発を待った。

水筒の中身は僕の魔術で出した水で、飲む前に氷を入れたから冷たくて美味しい。


護衛いなくなっちゃったけど大丈夫かな?

少し心配しながらも、馬車は発車した。

きっとお客さんたちも不安だろうな。


そんなことを考えていると、またウルフが索敵に引っかかった。


「ルシカ、ゲオーグ、またウルフが来た。今度は5匹いる。」

「御者が何とかするだろう。」

「そうだな。」



「お前ら、俺が倒しに行ってくるから、もしウルフが抜けてこっちまで来たら死んでも乗客を守れよ。」

「「「はい!」」」


そう言うと、御者さんと、動ける3人の冒険者が馬車を降りていった。


5匹もいるから、1匹はやっぱりすり抜けてこっちに向かってきた。

冒険者の人が応戦してるけど、心配。


御者さんが4匹倒して、戻ってきてもう1匹も倒した。

そして御者さんは、ウルフを積み上げると火をつけて燃やした。

その後で冒険者の人たちに穴を掘らせて埋めてた。


冒険者の人たちが戻ってくると、馬車は出発して、その後は何事もなく隣街のオハに着いた。



馬車が到着すると、僕たちは1番後ろに乗ってたから、最後に降りた。


「到着までに時間がかかってすまなかったね。」

「御者さん守ってくれてありがとう。」


僕がそう言うと、御者さんは嬉しそうに笑ってくれた。


「先に宿を探そう。」

「うん。」

「そうだな。」


街中は何となく不安で、僕は3人分の防御結界をはって街を歩いた。


3人部屋はなかなか無くて、何軒か回ってやっと見つけた宿にした。

とりあえず1泊。



冒険者ギルドに向かうと、さっきの護衛の人たちが奥の部屋に入っていくのが見えた。

あの人たちギルドでも怒られるのかも・・・。


もう午後だから、いい依頼はなくて、この辺りの魔獣について受付の人に聞くことにした。


「この辺りはどんな魔獣がいるの?」

「この辺りは、ゴブリン、各種ウルフ、ボアやイーグルですね。稀にブラックベアも出ますが、それほど高ランクの魔獣はいません。」


「教えてくれてありがとう。」

「どういたしまして。」


「ここは稼げなさそうだな。明日は依頼を受けずに移動しよう。」

「そうだな。」

「うん。乗合馬車より走って行った方が早いよね?」


「確かに、今日みたいな護衛がつくと かなり遅くなることが分かった。」

「でも、シュペア、棒を担いで走れるのか?」

「大丈夫だと思う。バラバラにならないよう紐で縛ってるし。」


「そうか。それなら、明日は走っていくかー」

「そうだな。」

「うん。」



閲覧ありがとうございます。

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