77. 新しいローブ
「僕たち、街で目立っちゃったけど大丈夫かな?」
「そっか〜
そうだよね〜、僕らはAランクだし、そこそこ名前が知れてるから、忘れてた〜」
「しばらくは俺らと行動した方がいいな。俺らが抑止力になるだろう。」
「いいの?エトワーレに行きたいんじゃないの?」
「別にいいよ〜いつでも行けるし〜
ブルーサーペント持って行こうって提案したの僕だし〜、深く考えてなかったからごめんね〜」
「それは俺らも反対しなかったから、ルヴォンの責任だけじゃない。
せめてシュペアだけでも街では結界かけておけばよかったな。」
「だな。すっかり忘れていた俺らにも責任がある。」
そっか、僕だけでもかけておけばよかった。
明日からは街の中では結界かけておこう。
変な人に目をつけられて、また追われるのも、みんなに心配かけちゃうのも嫌だ。
僕は髪が真っ白で目立つから、ローブを買ってフードを被るのもありかもしれない。
前に領主様がローブを着てて格好良かったから、僕も真似してみようかな。
「僕、このあと服買いに行ってもいい?」
「あぁ、いいよ。何買うんだ?」
「ローブ。僕は髪の色が目立つから、ローブを着てフードを被ろうと思って。」
「そうか。髪の色だけじゃないんだけど。まぁでも、フードで隠せば多少は誤魔化せるか。」
服を買いに行く途中で、この街の人を観察してみたら、僕みたいな水色の目の人はいなかった。茶色か黒が多かった。
目の色も違うと目立つかも。
僕は、前に領主様が着てたようなダークグレーのフードが大きめのローブを買って、目も茶色に変えた。
ローブは風通しのいい夏用の生地だけど、フードを被ると暑かった。
これなら認識阻害の結界の方がいいかも。
ギルドとかお店の中では、このローブのフードを被って目の色を変えて、街を歩くときは結界にしようかな。
忘れないようにしなきゃ。
領主様がやってた変装の魔術も教えて貰えばよかったな。
幻惑の魔術、図書館で調べてみようかな。
「なんだ?君、どうした?迷子か?」
「え?僕シュペアだけど。」
「え?」
「どうしたの〜?何この子。ルシカの知り合いなの〜?」
「僕だよ。」
「誰〜?」
買ったローブを着て、お店の入り口にいたみんなのところに行くと、僕は別人に見えたみたい。
僕はみんなの前でフードをとって目の色を戻してみた。
「おぉ〜シュペアだ〜」
「分からなかった。凄いな。あれか、目の色を変えてたんだな。」
「ふふふ、そう。目の色も変えてたの。みんな僕って分からなかった?」
もう一度フードを被って目の色を変えてみせた。
「魔術ってそんなこともできるんだな。」
グレルが感心してる。
「僕、街の中を歩く時は結界使って、ギルドとかお店の中はこの格好することにしたの。」
「なるほど。それはいいな。」
「俺らが守ってやるから、シュペアはやりたいようにやりなって言ってあげられたら良かったんだが、力不足ですまない。」
「ゲオーグ、大丈夫だよ。僕はみんなが仲間でいてくれるから心強いし、力不足なんかじゃないよ。」
「なんか〜、ゲオーグって格好いいね〜なんて言うの?心意気かな〜?」
「お?ルヴォンもそう思うか?そうなんだよなー。ゲオーグは格好いいんだよ。なんか真っ直ぐで。」
「うんうん。ゲオーグは格好いい。」
「・・・。」
ゲオーグは俯いて黙っちゃった。
「ゲオーグが困ってるだろ?やめてやれ。」
グレルはゲオーグの味方みたい。
「ルヴォン、グレル、僕、結界使うから街中では見えなくなるからね。」
「分かった。」
「そんなことできるの〜?シュペアってやっぱり凄いんだね〜、じゃあご飯食べに行こうか〜」
僕は自分に結界をかけた。
「シュペアいる〜?」
「いるよ。」
「凄いな。俺の気配探知にも引っかからない。」
「グレルは気配探知ができるんだ。それって索敵みたいに魔術使わないんだよね?凄い。」
「ん?シュペアも使えるだろ。索敵覚える前でも、魔獣の気配に気づいてただろー?」
ルシカは僕も使えるって言うけど、それ本当?
「あれ?そうだっけ?」
「あぁ、パーティー組んだばかりの頃、ルシカがゴブリン引き連れてきた時も気付いてたな。」
ゲオーグに言われて思い出した。
確かに魔獣が近くに来ると嫌な感じがした。
「そっか。僕も使えたんだ。
でも、嫌な感じがするなって思うくらいだったから、それが気配探知だって知らなかった。」
「索敵が使える方が便利だもんね〜、気配探知だと、なんとなくしか分かんないし〜
近くに誰かいるな〜とか、魔獣がいるな〜ってくらいで、それが何かは特定できないしね〜」
「そっか。じゃあ僕は索敵を使うことにする。」
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