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少年シュペアの冒険譚 〜無自覚に最高峰を目指す〜  作者: 武天 しあん
トルーキエからラジリエンへ

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75. ブルーサーペント



「おかえりー」

「みんな、ただいま。練習はどう?」


「「・・・。」」



「ルヴォン、ウルフは何匹いたんだ?」

「20匹くらいかな〜?一瞬で終わっちゃったよ〜」


「だろうな。戻ってくるのが早かった。」

「ルシカ、ゲオーグ、シュペアにも言ったけど、青い火は俺でも見たことないから人前では使わないよう気をつけてね〜」


「あぁ、分かった。」

「気を付けておこう。」


「青い火?」

「グレルも見たことないでしょ〜?高温で溶けるようにウルフが焼けていったんだよ〜

それで早かったんだと思う〜」


「それは凄いな。見たことないな。」

「周りに誰もいない時にグレルにも見せてあげるね。」

「あぁ、それは楽しみだ。」



「もうそろそろハーピー探しに行く?練習は上手くできた?」

「今日、使えたら良かったんだけど、さすがに今日始めて、今日討伐に使うほどの腕にはならなかった・・・。」

「だな・・・、もう少し練習しないとナイフが無駄になるだけだ。」


「そうだな。じゃあ今日は俺がハーピーを落とす時の見本を見せる。多ければシュペアもお願いできるか?」

「うん。いいよ。じゃあもう奥に進む?」

「そうだね〜、もう行こうか〜」


僕たちは投げナイフを片付けると、森の奥に向かって進んでいった。



索敵を薄く広げていく。

最近、また少し魔力が増えた気がするから嬉しい。


「何だろう?5キロ先にヘビみたいなのがいる。ラミアより大きくてもっと長い。」

「もしかしてサーペントかな〜?」

「まさかブラックサーペントじゃないよな?」


「ブラックサーペントだと、このメンバーでは厳しいぞ。大きさはどれくらいか分かるか?」

「えっと、10メートルくらいかな。」


「それならブラックサーペントじゃないな。確かブラックサーペントは18メートル以上だ。

Aランク冒険者を大勢集めて、奴は皮が硬いから何度も何度も傷をつけて皮を削りながらダメージを与えていって倒すんだ。

ブラックサーペントじゃなくて良かった。」


「それ、確かレーマンのギルドに頭が飾ってあったよね?」



真っ黒の凄い顔の蛇の頭が、ギルドに飾ってあって、レーマンにはこんな魔獣もいるんだって思ってドキドキした。

それを思い出してルシカとゲオーグを見た。


「あぁ、あったな。

討伐者が1人だったからとんでもない人がいるもんだと思っていたけど、Aランク冒険者のウィルって、今思えばあの人だよなー?」

「あぁ、間違いないな。それ以外考えられない。」

「そうなの?凄い。あれ倒したんだ。」



「ブラックサーペントを1人で倒した奴がいるのか?マジか。俺らまだまだなんだな。

ルヴォン、俺らは慢心していたようだ。」

「そうみたいだね〜

どんな人なんだろ〜?シュペアたちは、その感じだと知ってるんでしょ〜?」


「うん。知ってるよ。今は僕の上司だから。」

「上司?騎士団のか?」

「なるほど〜、それがあの発言の元か〜」


「発言?」

「そうそう。シュペアは、僕の周りにはもっと凄い人がたくさんいるとか、まだできないことが多いとか言ってたから〜」

「あぁ、そうだな。少なくとも想像を絶する魔術を使う人物が2人はいる。」


「なにそれ〜、そんな人見てみたいんだけど〜

僕らから見たら、シュペアもその域なんだけど〜それを凌駕するんでしょ〜?でもどっちも怖そうだね〜

頑固なおじいちゃんとか。当たり〜?」


「全然違うと思う。おじいちゃんじゃないし、怖くないよ。頑固でもない。2人とも凄く優しい。」

「だなー。片方はいつもふざけてるけど、2人とも優しいのは優しい。」

「あぁ。高位貴族なのに平民の俺らとも普通に話すしな。あの人、まだ若いよな?」


「20過ぎたくらいか?」

「中隊長は22歳だよ。ミランは何歳か知らない。たぶん40過ぎたくらいかな。」


「マジか〜、グレル、僕らもっと修行が必要だね〜」

「だな。上には上がいるんだな。」



「あ、ヘビみたいなのがこっちに向かってる。」

「忘れてた〜、ブラックサーペントの話で盛り上がり過ぎた〜

イエローサーペントなら、薬になるから持って帰りたいところだね〜

ブルーサーペントなら美味しいから食べたいね〜」

「サーペントは噛み付くか、巻き付いて締め上げるだけだから、それを避けながら攻撃すればいい。ブラックじゃなければ硬くないしな。

頭を切り落としてもしばらく動いているから、注意が必要だ。」


「グレル、詳しく教えてくれてありがとう。今回は僕も槍で戦おうかな。」

「いいんじゃないか?」


「もう直ぐ来るよ。ルヴォンとグレルも身体強化いる?」

「いや、俺らはいい。」


「ルシカとゲオーグはどうする?」

「俺らは初見の魔獣だしかけてもらうか。」

「あぁ。」

「うん分かった。じゃあかけるね。」


これは、ブルーサーペントかな?

太陽の光が当たると背中が綺麗なサファイアみたいな青に見える。

ルヴォンは美味しいって言ってたけど、本当にこんなの食べるのかな?


ブルーサーペントは長くてウネウネしてるのに、思ったより動きが早かった。

グッて槍を刺しても、動きはゆっくりにならなくて、何度もみんなで刺したり切りつけたりすると、やっと弱ってきた。

最後はゲオーグが斧で押さえて、グレルがグレートソードで首を刎ねた。



本当だ。首を刎ねてもしばらくはウネウネして暴れてた。凄い。

ブルーサーペントの動きが止まるのを眺めていると、索敵に鳥っぽいのが引っかかった。

イーグルにも見えるけど、6体いるから、ハーピーかも。


「ハーピーが来たみたい。6体いる。

ブルーサーペントを狙ってきたのかも。」


ブルーサーペントが横たわっている場所では戦い難いな・・・。


「ルシカ、ゲオーグ、サーペントを除けたいんだけど、使っていいかな?」

「ルヴォンとグレルなら大丈夫だろう。」


「ブルーサーペント除けるからみんな手伝って。」

「あぁ。」

「分かった。」


僕は重力操作をかけて、持ち上げると、ルシカとゲオーグも持ち上げて運んでいく。


「俺らも手伝う〜?」

「そうだな。」


「うわっ何これ〜」

「おぉ、軽い。」


良かった。これで戦えそう。


「ルヴォン、グレル、このことは内緒にしてくれ。」

「あぁ。これは凄いが、確かに使えると知れれば不味いな。」

「だね〜

安心して〜誰にも言わないから〜」



閲覧ありがとうございます。

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