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少年シュペアの冒険譚 〜無自覚に最高峰を目指す〜  作者: 武天 しあん
トルーキエからラジリエンへ

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68. その頃(各所)


>>>ルヴォンとグレル


「グレル、マズいかも〜。シュペアたちのパーティーがピンチらしいよ〜」

「何があった?」


冒険者ギルドに寄ったら2人に伝言が届いており、珍しく焦った様子のルヴォンにグレルも警戒を強めた。


「オドンでグリフォンを討伐した時の冒険者から伝言が届いてた〜

なんかね〜、トルーキエでどっかの貴族に目付けられたみたい〜」

「オドンの街長か?」


「違うみたい〜」

「違う街からオドンにまで捜索の手が伸びているのは危険だな。」


「シュペアたちは多分それに気づいてると思う〜

オドンの近くなら、森から直接ラジリエン目指すんじゃないかな〜」

「森に行くか?」


「うーん、僕らの索敵って頑張っても1キロくらいだし〜、森に入っちゃうと見つけられないんじゃないかな〜?」

「確かにな。」


「ん〜でも、事実確認と、情報収集はしたいよね〜」

「あぁ。じゃあ情報集めながらオドンに向かうか?」


「そうだね〜

それで危険じゃなさそうなら、戻ればいいし〜

連絡してくれた冒険者にも展あれば連絡するよう伝言残しとこ〜」

「あぁ、そうしよう。」




-----

>>>ウィルとミラン


「ウィル、緊急事態!」

「ミラン、どうした?クンストで何かあったか?」


ノックもなしに中隊長室を訪れたミランだったが、その真剣な様子にウィルは注意することなく先を促す。


「違う。モスケルにトルーキエ時代の冒険者の知り合いから伝言が届いたみたい。

シュペアたちがピンチだって。」

「どういうことだ?」


「ラジリエン行くって言ってたでしょ?最短距離で行くならトルーキエ通るよね。

で、そのトルーキエのどこかで貴族に目をつけられて大々的に捜索されてるって。」

「本当か?詳細な場所は?貴族の名前は?」


「それは分かんない。モスケルが今、その知り合いに聞いてくれてるけど、回答がいつになるか分かんないし。

とりあえず連絡きたら、ウィル宛てにギルドから連絡するように言ってる。」

「その冒険者はジムナーシアにいるのか?」


「違うみたい。オドンで活動してるって聞いた。」

「オドンか。オドンはラジリエンの国境近くだから、シュペアたちが貴族の動向に気付いて、オドンの近くにいたとすれば、森を抜けてラジリエンに行くだろうな。」


「どうする?」

「詳細が分からないからな。しかし、大々的に捜索されているというのが事実なら、かなり危険な貴族かもしれない。

ちょっと遠いがジムナーシア伯爵に伝令魔獣を飛ばしてみる。

ミランはヘンドラー商会に行って、ラオと会頭に情報が無いか聞いてくれ。」


「分かった。聞いてくる。」


ウィルは伯爵に手紙を書くと、返答は冒険者ギルドに伝言を頼んでくれるとありがたいと書いて、大型の伝令魔獣を飛ばした。


久々にかなり魔力を使ったな。恐れていたことが起きたか・・・。

助けに行くならフロイを飛ばして行くが、団長にも一応話しておくか。


「団長、シュペアたちがトルーキエの貴族に目をつけられた。詳細を確認中だが、危険かもしれない。その時は私が行こうと思う。」

ウィルは団長に声を届けた。



ダダダダダダ

ガチャッ


「ウィル、シュペアたちは大丈夫なのか?」

「団長、ノックくらいして下さい。まだ詳細は確認中です。」


「すまん、そうか・・・。」

「国外なので、どれだけ情報が得られるか分かりませんが・・・。」



コンコン

「ミランだけど〜、いる〜?」


「入ってくれ。」


「何で団長がいるの?俺今は忙しいから団長に構ってあげられないからね。」

「あぁ、分かってる。」


「どうだった?」

「ハーブルとかその辺に仕入れに行ってる担当がいるから問い合わせてくれるって。返事が来たらウィルに連絡するよう言ってある。

現時点では情報は無かった。」


「そうか・・・。」

「なぁ、ウィルはトルーキエの貴族と対立しても大丈夫なのか?」


「相手の爵位によるな。

トルーキエとはジムナーシア伯爵を通して仲良くしているから、王家とも全く知らない仲ではない。

あまりことを大きくしたくはないが、相手が高位貴族で対立するような場合には、考えなければならない。」

「そうか。

俺にできることは今は無いな。とりあえず騎士団に在籍する隊員が、他国の貴族に狙われていることを、ダイターには伝えてくる。」


団長はそう言うと、ウィルの中隊長室を後にした。



-----

>>>シュペアが護衛した商人


「不味い。私の不用意な発言で、あんなに協力してくれた冒険者パーティーが狙われることになってしまった・・・。」

「兄さん、あれは仕方なかったんですよ。

早く到着できた理由を話せと問い詰められれば、私たちのような小さな商会は話すしかない。」


「しかし、私は彼らを売るようなことを・・・。」

「では、私たちにできることを考えましょう。」


「できること・・・。

男爵に狙われていることは伝えたい。しかし、どこにいるか・・・。男爵の部隊が探してもまだ見つかっていないそうだし・・・。」

「冒険者ギルドでは、冒険者同士なら伝言を預かってくれるそうですよ。

彼らの名前やなんかは分かりますか?」


「確か、1人はルシカと呼ばれていたな。それ以外は分からん。あの時は焦りばかりであまり話せなかったんだ・・・。

そう言えば、先日ハンカチを買ったと言っていた。拠点があるのかは分からんが、ハーブルではない可能性が高い。」

「そうですか・・・。ハーブルでもクシュでもないとなると、この辺りには彼らの知り合いもいないかもしれない。

困りましたね。」


「とりあえず私はハーブルに戻る・・・。

私では役に立たないかもしれないが、もし彼らが捕まってしまったら、私も男爵に抗議をしよう。

何かあれば知らせてくれ。」

「分かりました。

彼らは腕が立つんでしょう?大丈夫だと信じましょう。」


「そうだな・・・。」


商人は肩を落としたままハーブルへ戻って行った。



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