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少年シュペアの冒険譚 〜無自覚に最高峰を目指す〜  作者: 武天 しあん
トルーキエからラジリエンへ

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66. 2度目の護衛依頼2/2


馬車は順調に進んで、チチェクの次の街ターティルの街まで進むことができた。

街に到着する頃には暗くなっていたけど。


「ふぅ、今日中にここまで来れて本当に良かった。

夕飯は宿に頼んだから、それを食べてほしい。明日も夜明けに出発したいので、みなさんよろしく頼みます。」

「分かった。」


商人さんが用意してくれた宿の部屋は、ちゃんと3人部屋だった。

みんな一緒で良かった。



「ルシカ、商人が急いでいた理由が分かった。」

「そうなのか?」


ゲオーグが商人のおじさんに聞いた話をルシカに説明した。


「そうか。クシュには長居しない方が良さそうだ。」

「あぁ。到着する時間にもよるが、ギルドに報告したらすぐに街を出た方がいいだろう。」


「到着が夜遅くなければ、そのままオドンを目指そう。街にいるよりは街道の脇で野営した方がまだ安全か。」

「だな。俺らも早い時間に到着できるよう、できる限りの協力をしよう。」


「シュペアはギルドの中はいいが、クシュに入ったら、念のため認識阻害の結界をはっておけ。」

「うん。分かった。」


ルシカとゲオーグは、クシュの街長の貴族をとても警戒してるみたい。

僕は貴族って、領主様以外はあんまり知らないけど、きっと怖い人なんだろう。


僕たちは話が終わると、食堂に降りてご飯を食べて、部屋に戻ってすぐに寝た。




翌日は曇っていて、雨が降るかもしれないと思う天気だった。


馬車の屋根の上に水を弾くシートを取り付けて、ハンカチが入っている袋にもそのシートを被せた。


「雨が降らないと良いんだが・・・。とりあえず出発しよう。」


御者さんの隣はゲオーグ。

僕とルシカは荷台の後ろに座っている。


ここからは索敵もちょっと広めにしていく。

チチェクを過ぎてターティルまでは何もなかったけど、この先は分からない。


夜明けにターティルの街を出て、4時間くらい走ったところで索敵に反応があった。

これは、ゴブリン?10匹くらいいる。

こっそりルシカに相談してみよう。


「ルシカ、この先3キロの街道脇にゴブリンが10匹くらいいる。どうする?先行して誰かが倒してくる?

穴掘って埋めるなら僕がいいかな?」

「いや、あまりシュペアの能力を知られたくない。俺が行こう。」


「分かった。ゲオーグには僕が伝えておくね。」

「あぁ、頼んだ。」

ルシカはさっと馬車を降りて、身体強化を使って走って行った。



「え?」

商人のおじさんは、突然馬車を降りて走り出したルシカに驚いていた。


「商人のおじさん、この先にゴブリンの群がいたから、仲間が先行して倒しに行ってる。」

「そ、そうか。」


「ゲオーグ、ルシカが3キロ先にいるゴブリン10匹を先行して倒しに行ったけど、ゲオーグはそこにいて。馬車が到着するまでに間に合わなさそうなら、その時はまた言うね。

御者さんには、このまま進んでもらって。」


僕は小声でゲオーグに声を届けた。

ゲオーグが僕に振り向いて頷いたから、大丈夫そう。


馬車が到着する前に、ルシカによってゴブリンは全滅した。



馬車が、街道脇に穴を掘っているルシカのところで止まると、ゲオーグと僕は馬車を降りてルシカの元に向かって、穴を掘るのを手伝っているふりをして魔術で穴を開けた。

ゴブリンを全て穴に入れて土を被せると、手や防具や武器を洗って馬車に戻った。


「もう出発して大丈夫ですよ。」

「あぁ、出発。」


馬車が停車していた時間は5分くらいかな?

これくらいなら遅れもすぐに取り戻せると思う。


空は暗くなって、少し雨が降り始めた。


「君たち優秀だね。

今までは魔獣を見つけて、馬車を停めてから戦闘が始まるから、戦闘が終わって片付けるまでかなり長い時間待たされていたんだよ。」

「急いでいると聞いているんで、俺らはそれに協力しているだけです。」


「そうですか。それでもこちらとしては助かります。」



それからお昼までは何もなく進んだ。

お昼休憩をすると、すぐに馬車は出発した。


あ、オークだ。偵察かな?

索敵を広げると、5キロ先の街道にオークがいて、更に5キロ森の奥にオークが3体いた。


僕はまたルシカに小声で相談した。


「ルシカ、オーク1体が5キロ先にいて、そこから森の奥に5キロ進んだところに3体いる。

3体は無視して、街道の1体だけ倒して進む?」

「そうだな。次はゲオーグを行かせるか。」


「うん。伝えてみるね。

ゲオーグ、この先5キロ進んだところにオーク1体、そこから森の奥に5キロ進んだところに3体いるけど、3体は無視して街道の1体だけ倒して進むよ。

ゲオーグ行ける?行けるなら行って。無理なら振り向いて。」


ゲオーグだけ聞こえるように小声で声を届けると、ゲオーグは御者さんに何か伝えて、さっと馬車から飛び降りて走って行った。



「え?」


今度は御者さんの隣に座っていたゲオーグが突然馬車を飛び降りて走って行ったから商人のおじさんは驚いていた。


「商人さん、この先にオークが出たんで仲間が先行して倒しに行きました。先を急ぐようなら埋めてしまいますが良いですか?」

「あぁ、それで頼む。」


「ゲオーグ、オークも解体せず埋めるって。倒したら穴掘って埋めて。」

僕はゲオーグに伝えた。


馬車がゲオーグに追いつく頃には、もう穴を掘り終わってオークを穴に入れるところだった。

僕は馬車からサッと降りて、ゲオーグの防具と武器に付いた血を洗い流して、ゲオーグと馬車に戻った。


今回は更に停車時間は短くて1分くらいだったと思う。


馬車は僕たちが乗り込むとすぐに出発した。



索敵を広げていたけど、その先はクシュまで何もなく到着したから良かった。

そして、クシュに到着する頃には雨も上がって、少し陽が射してきた。


「依頼達成のサインをお願いします。」

「あぁ。今回は君たちが受けてくれて良かったよ。あれ?あの子は?」


「あぁ、トイレに走って行きました。」

「そうか。十分な休憩も取れなくて悪かったね。こんなに早く到着できるとは、本当に助かったよ。ありがとう。」


本当は僕もここにいるけどね。

街に入って馬車を降りる時に認識阻害付きの結界をかけたから、僕の姿は誰にも見えない。


「ギルドに報告したら、すぐに出発しよう。」

「そうだな。」


僕たちはそのまま冒険者ギルドに行って依頼達成の報告をすると、どこにも寄らずに街を出た。


「早めに街から離れよう。走るぞ。」

「うん。」

「あぁ。」



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