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少年シュペアの冒険譚 〜無自覚に最高峰を目指す〜  作者: 武天 しあん
初めての旅

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51. 捜索と救助1/2


朝起きると、僕たちは冒険者ギルドに向かった。

まだ調査隊は帰ってきていないそうだ。森の様子を見に行った第2調査隊の情報では、やはり森から消えた魔獣たちは戻ってきていないって。


どんな魔獣かわからないってのは不安がある。討伐の計画もできないし。

もっと遠くまで僕が索敵できたらよかったのに・・・

力が及ばないことが悔しい。


今日は情報が来るまで索敵は使わない。

索敵で魔力を使って、肝心な時に足りなくなるようなことは困る。



「全然帰ってこないね。見つかって戦闘にならないようにゆっくり帰ってきてるのかな?それともすっごく遠くなのかな?」

「困ったな。外に出てもいいが、情報がいつ来るか分からないと動けない。」

「そうだなー。まぁでも、情報が来てもすぐに討伐に出発することはないし、昼まで待って来なければ、今日の討伐はないだろう。

昼まで待って来なかったら一旦帰ろうか。」


「そうするか。こんなところでいつまでも待機しているとかえって疲れる。」

「何もすることがないと退屈だね。」

「だなー。」


「お昼まで誰も戻って来なかったら、模擬戦したい。」

「いいぞ。」

「最近は移動ばかりだったからな。強敵と当たるなら俺もちょっと腕慣らしておきたい。」


「じゃあ決まりだね。」



僕はもっと強くなりたい。ジムナーシアで伯爵に領主様のことを聞いて、今のままじゃダメだと思った。

領主様が僕のことを側近として側に置いてくれるなら、僕はもっと色々なことを知っていなきゃいけない。


そっか。ただの護衛だったら領主様が領地にいる時だけしか側に置いてもらえないけど、僕は騎士団に入ったから、王都でも領主様の側にいられるんだ。

領主様の期待に応えられるように頑張ろう。



そんなことを考えていたら、もう少しでお昼になる頃に、真っ青な顔の冒険者がギルドにフラフラと入ってきた。




「グリフォンだ・・・森の西側35キロ先・・・。」

それだけ口にすると、その冒険者は倒れた。


「おい!大丈夫か?」

「誰か医務室に!」

「仲間はどうしたんだ?1人なのか?」

「分からねぇ。」

「まさかやられたのか?」



「ルシカ、ゲオーグ、グリフォンって魔獣?」

「あ、あぁ・・・。」

「・・・災害級の、魔獣だ・・・。」


魔獣の情報を伝えて倒れちゃった人が運ばれて行くと、ギルドの中は静まり返った。

災害級・・・強いんだろうな。



「ルシカ、ゲオーグ、魔獣の調査って1人で行くの?」

「いや、弱い魔獣の調査なら1人で行くこともあるが、今回のような異常事態の時に一人では行かない。」

「そうだな。1人しか戻ってきてないのはおかしいな。」


「討伐は今日は行かないよね?」

「あぁ、早くて明日か、明後日になるかかもしれないな。」


「あの人の仲間が生きてるなら助けに行かなきゃ。僕、索敵してみる。」

「あぁ、距離が遠いかもしれないから無理するなよ。」


僕は森に向かって薄く索敵を広げていった。

すると、ここから15キロくらいのところに2人の反応があった。

移動している様子はない。

怪我して動けないのかな?


「見つけたよ。ここから15キロくらい先に2人いる。でも移動してないから、怪我とかして動けないのかも。どうする?」

「とりあえずギルドに伝えて、判断を仰ぐか。今は魔獣がいない。そこに留まっていても魔獣に襲われる危険はないだろう。」

「シュペアは助けに行きたいんだな。」


「うん。助けられるなら助けたい。でも、僕1人じゃ助けられないから・・・。」

「大丈夫だ。シュペア1人で行かせたりしない。俺たちは仲間だからな。」

「そうだよ。行くならみんなで一緒に行こう。」


ルシカがギルドの職員に、調査に行った人の仲間だろう人たちが動けずに森に取り残されていることを知らせに行ってくれた。



調査隊の知らせでは、グリフォンまで35キロということだったが、近づいている可能性もあり、魔獣が出る可能性も考えてAランク冒険者2人が、取り残されている人たちを迎えに行くことになった。



そっか・・・。強くないと、力がないと、人を助けに行くこともできないんだ・・・。

僕は悔しかった。助けに行きたいけど、助けに行けない自分が、情けなくて苦しかった。


もっと強くなりたい。もっともっと・・・強くなりたい。



「・・・ペア、シュペア、どうした?」

「あ、ごめん。考えごとしてた。」


「シュペア、行くぞ。」

「え?どこに?」


「助けに行きたいんだろう?」

「でも、僕はまだAランクじゃないから・・・。」


「そんなことは関係ない。シュペアしか場所分からないだろう?」

「そっか。うん、分かった。僕が案内する。」



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