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少年シュペアの冒険譚 〜無自覚に最高峰を目指す〜  作者: 武天 しあん
再会編

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35. 魔力暴走3/3



「モスケルさん連れてきました。」


「ん?もう終わってるんじゃないか?」


冒険者ギルドの人が、ゲオーグみたいに大きくて筋肉が凄い人を連れてきた。



「あ、もう魔力暴走は収まりました。」

「そうか。じゃあ俺、いらないじゃん。まぁ俺がいても止められるわけじゃないしな。」


「せっかく来てもらったのにすみません。」

「構わん。みんなが無事ならそれでいい。」



「あの、モスケルってギャラリーの入り口にある領主様の像を作った人?」

「ん?そうだが、なんで知ってるんだ?少年。」


「僕はシュペアです。

森の絵を描いてるホルツが、あの像を作ったのは冒険者をしてるモスケルって人だって言ってたから。」

「あぁ、ホルツが教えたのか。」


「ゲオーグ、あの像好きだよね。フォークも買ってたし。」

「あ、あぁ。あのマッチョ作品の・・・」


呟いたゲオーグを見ると、目を輝かせていた。



「モスケルさん・・・ファンです。握手してください。」

「ん?どこかで聞いたことのあるセリフだな。

あぁいいよ。」


握手をしてもらうと、ゲオーグが自分の手を見て嬉しそうにしていた。


なんかゲオーグって可愛い。

髭生えてるけど。




「あれ〜?みんな揃ってどうしたの〜?

マッチョモスケルまでいるし。

シュペア君は俺に会いに来てくれたのかな〜?」


ミランの呑気な声が響いた。


「おいミラン、マッチョモスケルって呼ぶんじゃねえ。」



「ミラン、どこに行ってたの?

子供たちが何人も魔力暴走を起こして、職員のお姉さんが冒険者ギルドに助けを求めてきたんだよ。」

「え?子供たちはどこだ?」


「2人はもう落ち着いて職員さんがどこかに連れてったよ。

コーミットはこの通り大丈夫。」

「ん?もしかしてシュペア君が魔力暴走を収めてくれたの?」


「うん。」

「そうなの?凄いじゃん。やっぱりシュペア君、ウィルの側近なんかやめて俺の助手にならない?」



「ウィルの側近?」

「そう、シュペア君はまだ11歳だけど、大人になったらウィルの側近の席が用意されてる、とーっても優秀な子なんだ。

シュペア君は槍の腕も凄いからモスケルなんか直ぐに抜かれちゃうかもね〜

何てったって俺の部下だし。」


「ミラン、色々情報が多すぎるぞ。」

「話すと長くなるし、説明すんの面倒だから気になるならウィルに聞けば〜?」


「はぁ、ミランお前は・・・。」




「ねぇミランー、僕これからミランじゃなくてシュペアお兄ちゃんと一緒に遊ぶ。魔術もお兄ちゃんに教えてもらう。」

「コーミット君、それはちょっと難しいかな。

シュペア君はそっちの大きいお兄さん2人の仲間だから、そっちのお兄さんたちと一緒に冒険をしているんだ。

だからずっとこの街にいるわけじゃない。コーミット君は俺と一緒に魔術の勉強頑張ろうね〜」


「嫌だ。僕はシュペアお兄ちゃんと一緒がいい!」


コーミットの目に涙が滲んで、風がビュウビュウと渦を巻き始めた・・・。


もしかして、これが感情が昂ると勝手に魔術が出ちゃうってことなのかな?

確かに魔力の流れがおかしい感じがする。

僕は心が落ち着くよう念じながら魔力を薄く広げてコーミットを包んだ。


包み終わる頃には風がやんだ。

コーミットが落ち着いたから収まったということかな?


するとミランがコーミットに、重ねてスリープをかけた。


「職員の誰か、コーミットを運んでついててあげて。」

「はい。」


眠ってしまったコーミットを職員さんが受け取ってどこかに連れていった。




「シュペア君、いつの間に癒しの魔術覚えたの?それに、それだけじゃないでしょ?それだけで魔力暴走を抑え込むことはできないからね。」

「癒しの魔術?」


「え?知らないで使ってたの?

さっきコーミット君を包んだのはどうやってやったの?」

「心が落ち着くよう念じながら薄く魔力を広げて、それで包んだの。さっき魔力暴走を止める時に初めてやってみたんだけど、それは上手くできたか自信なかったの。

それと、魔力操作が上手くできないと魔力暴走を起こすって言ってから、支援する時みたいな感じで乱れた魔力に僕の魔力を流して正常に戻したの。」


「それ、初めて使ったんだよね?そんなんでいきなり完璧にできちゃうんだ・・・。それは凄いことだよ!」

「ミラン、それよりコーミットのこと・・・。」


「シュペア君は気にしなくていいよ。

シュペア君はここの職員じゃないんだし、これ以上懐いてしまうと、離れる時にまた魔力暴走起こしちゃうから。」

「そっか。」


「心配しなくても、俺もついてるし、ここの職員はみんな子供に愛情を持って接してくれるから大丈夫だよ。

もう少ししたらお母さんも迎えにくるしね。」

「うん。」




愛情・・・お母さん・・・。

愛情ってなんだろう?


僕は少し不安になって、後ろを振り向いてルシカとゲオーグを見上げた。


「ん?」


僕はルシカとゲオーグの間に立って、2人の大きな手を握った。ちょっと硬くてガサガサしてて、でも温かかった。



「シュペアどうした?」

「もう帰るか?」

「うん。」



「俺も帰るわ。」


「モスケルさん、申し訳ございませんでした。」

「別にいいよ。何事もなければそれが1番いい。

おい、ゲオーグと言ったか?良かったら今度うちの工房にも遊びにきてくれ。ギャラリーの左にある家が俺の工房だ。」

「ぜひ寄らせてもらおう。」


「じゃあな。」


モスケルは帰って行った。

ゲオーグはなんだか嬉しそう。

僕も少しだけ嬉しくなった。


「あ、ミランさん、さっき魔力暴走を止めるために当ギルドに依頼を出していただいて、彼らが受けてくれたんです。

なので、ここに完了のサインをお願いします。」

「いいよ〜。シュペア君ありがとね。またいつでも遊びにおいで。」

「うん。」


僕たちは手を繋いだまま、宿に帰った。



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