28. 初めての王都と騎士団本部2/3
「みんな集まってくれ。」
練習してたたくさんのお兄さんたちが集まってきた。みんなが僕を見ていて少しドキドキする。
「シュペア、大丈夫だよ。みんな私の部下だから。」
「うん。」
領主様には僕のドキドキが分かっちゃったんだろうか?
優しくて温かい手で頭を撫でてくれた。
「この子はシュペア、これから騎士団の魔術部隊に所属する。私の直属となる者だ。」
「僕はシュペア。よろしくお願いします。」
「子供が所属するのは久々だな。」
「可愛い子だな。」
「目の色も緑だし魔力が高そうだ。」
「あ、僕、目の色を戻すの忘れてた。」
慌てて目の色を変える魔術を解いた。
「え!」
「マジか。」
「中隊長と部隊長しか使えないと言われているあの魔術を。負けた・・・。」
「まぁ、そういうことだ。
ただ、シュペアは冒険者でもある。仲間と旅をしながら冒険者を続けるから、騎士団にはあまりいない。
たまに顔を出すから、その時は仲良くしてやってくれ。」
「へぇ、その歳で冒険者か。」
「歳は?ランクは?」
「えっと、11歳で、Dランクです。」
「おぉー凄いね。」
「他にはどんな魔術が使えるの?」
「身体強化と、回復と、水と、氷と、風と、土と、炎と、あと色々・・・。」
「おぉー、そんなに色々使えるんだ?優秀だね。」
「色々ってのも気になるな。目の色を変える魔術も使ってたし。」
「あ、えっと、重力操作と、結界と、攻撃のターゲット設定かな。」
「マジか。すげぇ、完全に負けた。」
「子供に対しておかしいが、兄貴と呼ばせてもらいたいくらいだ。」
「どこの貴族なの?やっぱり小さい頃から優秀な家庭教師がついてたの?」
貴族?家庭教師?そんなわけないのに、なんでそんなこと聞くんだろう?
不思議で領主様を見上げた。
「シュペアは私の領地の村出身だ。基礎を口頭で私が教えたことはあるが、それ以降は全て独学だ。」
僕と目が合うと、領主様は優しく微笑んで、みんなに説明してくれた。
「図書館で魔術の本を読んで勉強したの。あと、さっきミランに色々教えてもらった。」
「あぁ~部隊長が目を付けそうだよな。」
お兄さんたちはみんな優しくて、僕が説明したことを誰も疑わなかった。
「さぁ、そろそろ戦士部隊に行くぞ。」
「戦士部隊?何しに行くんだ?」
「あぁ、シュペアの仲間が見学に行ってるからな。それと、シュペアは魔術だけじゃなく槍の腕もかなりものもなんだ。」
「マジか。俺らシュペアに何も敵わないんじゃないか?」
「確かに。魔術の本で勉強するなんてかなり頭も良さそうだしな。」
「身体強化使われたら、腕力も足の速さも負けそうな気がする。」
「中隊長、今夜は王都にいるんですよね?飲みに行きませんか?シュペアもどう?仲間も連れてきていいよ。」
「いいの?僕まだお酒飲めないよ。」
「大丈夫、大丈夫。美味しいジュースを飲めばいい。」
「うん。行きたい。」
「よし!今夜はシュペアの歓迎会だー!」
「「「オー!」」」
みんなが声を揃えてオーって言ったから、僕はビックリした。
なんか凄い。僕の歓迎会なんて、すごく嬉しい。
「さぁ行こうか。」
「シュペアーまた後でな~」
「うん。また後でね~」
僕が手を振ると、みんなも笑顔で手を振ってくれた。こんなにいい人たちばかりが集まってる場所って凄い。
僕と団長と領主様は、戦士部隊の人が練習してるところに向かった。
「やってるな。ん?ウィル、いいの連れてきたな~
今日という今日は逃さないぞミラン。」
「ゲオーグ!ルシカ!僕も見に来たよ~」
さっきミランに教えてもらった声に魔力を纏わせる方法で少し声を大きく遠くまで届くようにした。
「シュペアは凄いな。それもさっきミランに教えてもらったのか?」
「うん。遠くにいる人に声を届けるの、便利だね。」
近づいていくと、さっきの魔術部隊の人よりも大きくて筋肉がすごい人たちがたくさんいた。
髭がないゲオーグみたいだ。
「「「団長、フェルゼン中隊長、お疲れ様です!」」」
こ、怖い・・・
みんなで走って集まってきて、揃って大声で叫ぶように言うと、一斉に僕を見た。
「この子は私の部下になったシュペアだ。彼は槍が得意だからちょっと見学に来た。」
「えっと、シュペアです。よろしくお願いします。」
「俺たちは適当に見学するから練習を再開しろ!」
「「「はい!」」」
「どうだ?戦士たちの戦いは。」
「ルシカとゲオーグの方が強いかも。」
「ほぅ、それは面白いことを聞いたな。」
「いや、俺らはそれほどでは・・・」
「あぁ。」
「え?ルシカもゲオーグも強いよ。」
「ちょっと試してみるか?2人とも見てるだけじゃ退屈だろう?うん、決まりだな。」
「え・・・」
「団長、シュペアの仲間なんですから無茶はさせないで下さいね。」
「あぁ、ただの模擬戦だ。大丈夫だろう。シュペアもやってみるか?」
「え?僕も?身体強化使っていい?」
「いいぞ。ただし、身体強化だけな。結界や回復、魔術での攻撃は無しだ。」
「うん分かった。」
「なぁ、なんで俺ら騎士団の戦士と戦うことになったんだ?」
「俺にも分からん。クンストに遊びに来たはずが王都にいるしな。俺は頭が追いつかなくて途中から考えるのをやめていた。」
「そ、そうか。俺もそうしようかな。」
「ルシカ、それがいいぞ。」
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