18. 宿の夜(ルシカ視点)
今日は2話あります。
寝たな。疲れたんだろうな。今日は索敵も使ったみたいだし、戦ったし、辛かったり、泣いたり、色々話したりしたからな。
そっと繋いでいた手を離すと、俺はゲオーグに話しかけた。
「ゲオーグ、起きてるか?」
「あぁ。」
「話せるか?」
「あぁ。」
「部屋の隅で話そう。」
「分かった。」
「シュペアの話、どう思った?」
「いや、俺は村を見てないから分からないが、村人のシュペアへの対応は冷たすぎると感じた。」
「だよな~。特に父親というか両親な。」
「あぁ。なぜ自分の子を守らないのか、信じないのか分からん。」
「俺は子供がいないが、もし子供がいて誰も味方がいないなら、せめて親だけは味方でいてやらないとって思う。」
「俺もそう思う。」
「それに、今までシュペアは俺らに迷惑かけたことなんか一度も無い。嘘をついたこともない。1年も一緒にいなくても分かる。」
「そうだよな。シュペアは真っ直ぐで、素直で、頭も良いし、これ以上ないくらい良いやつだよな。俺も1年も一緒にいないけど分かる。」
「シュペアは村に帰るとは言わないと思うけど、村には帰したくないな。」
「同感だ。」
「やっぱりシュペアは俺たちが守らなきゃいけないな。」
「そうだな。シュペアの心もな。」
「あ~。それと、やっぱり大人になったら領主様のところへ行くんだな。」
「まぁ、少し寂しいが、まだ先の話だ。それに、会えなくなるわけじゃない。」
そう言いながら、ゲオーグの目には涙が滲んでいる。
シュペアの境遇のことか、シュペアがいつかこのパーティーから旅立つことが寂しいのか、どっちだろうな?
両方か。ゲオーグも真っ直ぐだからな。
世話が焼けるが、2人とも面倒見てやるよ。
「帰りは、大回りしてもいいから別の道から帰るか~。」
「あぁ。そのまま旅に出るってのもありなんじゃないか?俺らは冒険者だし。シュペアは新しい料理を食べるのが好きだしな。
なんなら国外とかも。」
「それいいな。シュペアも領主様の元に行くなら、色んな国の知識があった方がいいだろう。」
「そうだな。戦ったことない魔獣とも戦ってみたいしな。」
「よし、楽しい話はシュペアがいる時に3人でな。明日も護衛だ、もう寝よう。」
「あぁ。そうだな。」
ただ俺がモヤモヤして、眠れなさそうだったからゲオーグに声をかけたのに、ゲオーグはそれを知ってか知らずか、応じてくれた。
自分も明日早いのに。
いいやつだな。ちゃんと落ち着いて話せるし、俺のこと見下してこないし。
ゲオーグと話して、ギスギスした気持ちが少し温かくなった。
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