うん。なんか安心した。
「あ~!楽しかった!」
「うん、誘ってくれてありがとう。千夏ちゃん」
「いやいやこちらこそ。一緒に来てくれてありがとう」
最初こそ隣のイケメンが気になって仕方なかったけれど、ライブが始まってしまえばその空気に飲まれステージへしか目線がいかなかった。
2人で感想を話し合いながら、グッズ売り場のブースへと行く。
グッズ自体はネット予約をしておき、当日に取り換えに行くだけなので急ぐこともない。
ゆっくりと列へと並び、予約注文したものの話をする。
「私は記念キーホルダーとTシャツを予約したんだけど、秋ちゃんは何にしたの?」
「私は、タオルとポスターかな。映ってるRYO君がかっこよくて」
「あー、秋ちゃんRYO君推しだもんね!」
『a-Ru』はダンスが上手いクール系黒髪男子のRYOと歌が上手いかわいい系茶髪男子のRIKUの2人組のアイドルユニットだ。
私はRIKU君推しで秋ちゃんはRYO君推し。
互いに推しは違えど同じグループを応援する戦友だ。
「次の方どうぞー!」
「あ、お願いします」
予約権を渡し、グッズと交換してもらう。
売り場のお姉さんも秋ちゃんのイケメン具合に驚いているようだ。
「やばい!やっぱいい!無事に買えてよかった!お小遣いはなくなっちゃったけど心は満たされた!」
「ほわっ」
『ほわっ?』
何かが聞こえた気がして、ちらりと隣を見やれば空中に花が飛んでいた。
「うん、そうだね」
返答にはイケメンが見え隠れしているが、その頬は赤く染まり、口角は先ほどよりも上がっている。
うん。なんか安心した。