84 尊いエリス赤面すw
あ、あの一体目の前で何が起きているのか、僕にはさっぱり分からないのですが……
「何を言うかーっ、オキムネーッ」
わわ、何でエリスが怒っているの?
「ワンちゃん店長のお名前が『けんざきじゅん』なら右がギャラクティカ○グナム。左がギャラクティカ○ァントムなのは当然だろうが。老谷のじいちゃんが残していった地球の教本にバッチリ出ておったぞっ!」
地球の教本と言うか、コミックの単行本ね。
「大体オキムネはだなっ! 老谷のじいちゃんの残していったものについて知らなすぎるぞっ! えっちな本のことには詳しいくせに、皇帝の証を見せろとかえっちなこと言うくせに、って、あっ」
ここでエリス、犬咲店長と琴理さんが満面の笑みを浮かべて、エリスを見ていることに気づいて赤面。絶句。やめいっ、こっちまで赤面してくるわ。
「まあまあ」
犬咲店長が笑顔のまま割って入る。
「新田くんも彼女の絵栗鼠ちゃんがこう言っていることだし、R-18のコミック本はお預けだね。あ、老谷さんは、お買い上げありがとうございます。でも新田くんには彼が十八歳になるまで見せないでね」
「うむ」
頷く老谷のじいちゃん。
「すまん。オキムネちゃん。犬咲店長にそう言われてしまったのでは仕方ない。渡せるまでにこの本に息子の直筆イラストとサインを入れてもらうから勘弁な」
まあすぐに見られないのは残念だけど、人気作家様の直筆イラストとサインが入った本は魅力的だしね。
ふと見るとエリスは赤面したままだ。
「うん。尊い尊い」
それを見て妙に頷く琴理さん。しかし、金髪縦ロールの悪役令嬢コスの女性が両目を閉じて腕組みをしてしきりに頷く姿はかなりシュールですよ。
◇◇◇
「ほんじゃま売り場の紹介を再開するね。あ、有象くん、老谷さんのレジよろしくね」
琴理さんは僕たちの誘導を再開する。
「こっちはおもちゃコーナーね。フィギュアとトレーディングカードが圧倒的に多いけどね。本やDVD、ゲームの次に人気のあるコーナーだね」
「こっちは中古の電気製品。ここも結構人気ある。こっち行くとスポーツ用品に靴。食器とかもあるよ」
フィギュアとトレーディングカードのコーナーは時折見ていたけど、他はあまり見てなかったからなあ。いろいろあるのね。
「! あっ!」
不意にエリスが立ち止まる。
「これは……」
なんだなんだ?




