83 変人老谷のじいちゃん三日目も登場w
「じゃあ店内を案内するね。一番みんなが盛り上がったこの辺が中古コミック、中古DVD、中古CD、中古ゲームソフトのコーナーね」
はい。この辺は僕もよく来るので分かります。こないだまで中学生だった僕には少しでも安いコミック、DVD、ゲームソフトはありがたいからねえ。
「オキムネッ、オキムネ」
何だ? エリス。
「老谷のじいちゃんが置いてったようなものがたくさんあるぞ」
そうだねえ。老谷のじいちゃん。こういうの大好きだからね。
「オキムネちゃん。オキムネちゃん」
◇◇◇
わっ、噂をすれば老谷のじいちゃん。そうか。何か駅前に行くってことで引っかかっていたけど、老谷のじいちゃんの住んでいるマンションが駅前だった。
ついでに言うと昨日は駅前の雀荘でエリス相手に脱ぎ麻雀やっていたんだよね。老谷のじいちゃんは。
「オキムネちゃん。ほら見て。これ」
いやちょっとそれってR-18のコミック本じゃあーりませんか。
「これね、うちの真ん中の息子が出した商業出版なのよ。まあもう古本屋に売られちゃったってのがショックって言やショックだけど。その分安くなっているからオキムネちゃんでも買いやすいでしょ。あ、今回もわしがレジで買っちゃるから」
老谷のじいちゃん。それは大変魅力的な提案です。老谷さんちの真ん中の兄ちゃんの作品のエロさはコミケでも大評判。出版社さんからもお声がかかったのでしょう。
しかしっ! 今の僕の周りには何人か人がいます。まあエリスは何とでもごまかせる気もしますが、他の二人は下総屋の店長さんと店員さんなんですよね。
「老谷さーん。今日も来てくれたのー。ありがとうわん」
◇◇◇
満面の笑顔で一歩前に出る犬咲店長。うわああああ。
「おおうっ、ワンちゃん店長。今日も元気そうだねえ」
老谷のじいちゃん。犬咲店長が帯びている怒気のオーラに気がつかないのっ?
「いえいえ。老谷さんこそ元気そうで何より。しかしっ!」
老谷のじいちゃん。何かわくわくしてそうな顔してない?
「R-18のコミック本を十八歳未満の子の代わりに買ってあげるなんてダメーの右はギャラクティカ○グナムーッ」
わぁ、犬咲店長が右のパンチを空中に繰り出すと
「BAKOOOM」
老谷のじいちゃん、自分で叫ぶと後ろ向きに走って、自分から壁に張り付いた。
「左はギャラクティカフ○ントムーッ」
「BAKOOOM」
老谷のじいちゃん、犬咲店長が空中に繰り出した左のパンチに合わせて、また背中から壁に張り付いているし。
一体何なの? この小芝居。
 




