74 オキムネがエリスを泣ーかした、泣ーかしたあw
この光景を見て、
「まあ、妬けるけど、可愛らしくて、ほのぼのするわ。新田君、彼ピがこうまでされたら食べてあげないとね」
とねこや先生。
「でも負けてられないよね。あたしもアールニゴウさんにあーんしないと」
! おっ、おいっ、エリスツ! R-2号は護衛用アンドロイドだろう。地球の食べ物食べて大丈夫なのか?
「知らん」
知らんっておまえ、自分の護衛用アンドロイドが壊れてもいいのか?
「無礼者っ! オキムネッ! ケンタウリ星の科学力を馬鹿にするなっ! 大丈夫だっ! 多分……」
多分ておまえ。あっ、もう、ねこや先生がR-2号の口元に箸を持って行っている。
「コレドウスレバイイノカ?」
困惑顔のR-2号。
「食べるのだっ!」
エリス。一刀両断の命令。おっ、おいっ! 止めなくていいのかっ?
「オキムネッ! よそ見をするなっ! あたしのあーんを食べることだけ考えていろっ!」
そんなこと言ったって。あれ? よくよく考えてみると……
◇◇◇
よく考えてみたら、昨日の晩、R-1号もそうだが、R-2号も老谷のじいちゃんに酒飲まされていたじゃないか。今日故障している様子もないし、これは大丈夫か。
「2.897カロリー。糖質0.307グラム。食物繊維0.063グラム。タンパク質0.141グラム」
そうそう、メタルヒーローズはこういう奴らだった。黒豆美味しいとか気の利いたこと言えるはずないもんな。
「そう。美味しいの。うふふ。嬉しい」
ねこや先生、ご満悦。幸せそうなので突っ込まずにいよう。既に校長先生も鵜鷺先生も気にせずお弁当食べてるしって、むぐっ!
「オキムネッ! R-2号さんはにゃんこ先生に任せておけばいいのだっ! あたしのあーんが食べられないのかっ?」
やばっ、エリス。涙ぐんでる。わあっ! 色んなことにしれってしてるのに、何でこういう時だけ。こうなの?
「わあっ、新田君が剣汰瓜さんを泣かせた。いーけないんだっ! いけないんだ」
ねこや先生、ここは小学校ですか? とか言ってる場合じゃないな。ほらエリス。食べるっ、食べるから。ほら、あーん。パクッ。
「あ、食べた。食べたな。オキムネッ! あたしがあーんしたもの、美味しいか?」
あ、ああ、美味しい。美味しいよ。
「そうかそうか。美味しいか。よかったよかった。はい。もう一回、あーん」
くそう、何て笑顔を見せやがるんだ。心臓がもたないぞ。これじゃあ。
周りを見ればねこや先生は相変わらずR-2号に食べさせているし、まああれは恋人同士と言うより、雛鳥の餌付けだね。
「オキムネッ! よそ見をするなと言ってるだろうっ! あたしの方だけ見ていろっ!」
わあっ、またエリスが涙ぐんだ。




