73 オキムネとの絵栗鼠のねっとりした仲だろうがw
「まあ空を飛ぶのは厨二だとしても、相当な筋力があるってことね」
ねこや先生、冷静にまとめていただきありがとうございます。
そして、すみません。エリスはもう一人の年長者の親戚の人とも同居してるんです。入学手続きはみんなその人がしてくれたそうです。
「え? もう一人おられるの? ご両親よっぽど心配だったのね」
はい、校長先生。何しろエリスはこの調子なもんで、で、そっちの人がR-2号のことも手続きしてくれているようなので、聞いてみれば分かると思います。いい方向に行くようにも頼んでみます。
「そう、いいお答えを期待してるわ。ところで……」
校長先生、笑顔から突如真面目な顔に。おっ?
「そのもう一人の方もアールニゴウさんのような方なの。筋肉てんこ盛りの」
あ、ビザの話で忘れてましたが、校長先生、そういう方でしたね。えーと、R-2号は金髪碧眼で筋肉質ですが、もう一人のR-1号は黒髪黒目でスラってした感じですね。でも痩せぎすってほどでもないですが。
「ふむふむ」
校長先生、いつの間にかスケッチブックを再度取り出し、サラサラと何やら書いているし。
「お話を伺う限り、アールニゴウさんが『攻め』でアールイチゴウさんと言ったかしら、が『受け』ね」
あっと言う間にラフなデッサンを一枚仕上げた校長先生はドヤ顔で見せてくれた。
「どうかしら?」
「!」
それはもう筋肉質でビキニパンツ一丁のR-2号がバックから、やはり上半身裸のR-1号の胸部を手のひらでなでなでしているという。R-1号の悩ましげな表情がなんともはや。
「!」
いやそれより驚いたのは、それを食い入るように見つめている女性陣三名。
すなわち、エリスにねこや先生、そして、鵜鷺先生。中でも鵜鷺先生の食いつきようは凄い。うーむ。
◇◇◇
「はいはい」
校長先生はニヤリと笑うとパタンとスケッチブックを閉じた。
「!」
明らかにがっかりした様子の女性陣三名。僕には分からんけど。
「お昼休みが終わっちゃうからね。みんなお昼まだ食べてないんでしょ?」
我に返る女性陣三名。うーん校長先生の手のひらで踊らされているような。
ともかく食べないとね。僕は母さんに作ってもらった弁当を広げる。
「ふーん」
エリスは僕の広げた弁当に見入る。
「量多いなー。それに美味しそうなのだ。お母上が作られたのか?」
そうだよ。うちは農家で父さんがたくさん食べるからね。たくさん作るんだ。
「そうかそうか。ひょいぱくひょいぱく」
あ、こら。エリス。勝手に人の弁当のおかずを食べるな。せめて先に一言言ってからにしろ。
「オキムネと絵栗鼠のねっとりした仲だろうが。そう怒るな。ほれ、あーん」
わっ、エリスが自分の弁当の中のおかずをつまんで、僕の口に寄せて来た。




